「トラウマシーンだらけ」「急きょR指定に」 年齢制限ありの衝撃アニメ映画
マグミクス / 2024年7月24日 12時10分
■冒頭から衝撃シーンが描かれた名作
毎年数多く製作されるアニメ映画のなかには、内容や描写が過激過ぎるがゆえに年齢制限がかかってしまう作品があります。刺激的なシーンが多く盛り込まれたアニメ映画は、いったいどういった内容だったのでしょうか。
●『人狼 JIN-ROH』PG-12指定作品
映画監督の押井守さんが原作と脚本を務めたアニメ『人狼 JIN-ROH』は、2000年に公開され、PG-12指定(12歳以下の方には保護者等の助言、指導が必要)となりました。
本作は架空の戦後の東京を舞台に、警察特殊部隊のエリート隊員「伏一貴」とゲリラ組織の少女「雨宮圭」との悲しい恋模様を描く大人向けの作品です。物語冒頭から反政府の過激派を鎮圧しようと治安部隊が出動し、一斉射撃をするシーンがあり、人びとが一瞬にして蜂の巣のなる姿に衝撃を受けた人も多かったのではないでしょうか。
R指定まではいかなかったものの、終始暗く重い雰囲気で描かれ、伏と圭のふたりの結末は、残酷シーン以上に、後を引くつらさがあります。業界随一のスタッフが手がけた本作は多少のグロテスクな描写があっても、作画の完成度などに関して高く評価されているようです。
●『虐殺器官』R15+指定作品
同名SF小説が原作のアニメ映画『虐殺器官』(原作:伊藤計劃)は、R15+指定で2017年に公開されました。アメリカ軍特殊部隊隊員の主人公「クラヴィス・シェパード」が、大規模虐殺やテロに関わる元言語学者「ジョン・ポール」暗殺に向け、彼の跡を追う軍事サスペンス作品です。
本作の迫力ある戦闘シーンでは、銃撃によって兵士や子供の四肢、頭部などがもげ、大量の血しぶきが飛ぶ描写などかなり残虐で、R指定も納得の内容となっています。また、ジョンが言葉を使って人間のなかにある器官を利用して虐殺を誘発させるという設定に難しさを覚えますが、戦争やテロ、近未来的な管理社会などのテーマに惹き込まれます。まさに、大人向けのアニメ映画といえるでしょう。
■目がくり抜かれても意識あり?
R15指定の『劇場版「メイドインアビス」-深き魂の黎明-』ポスタービジュアル (C) つくしあきひと・竹書房/メイドインアビス「深き魂の黎明」製作委員会
●劇場版 『メイドインアビス 深き魂の黎明』R15+指定作品
かわいらしいキャラクターデザインと、それに似合わない過激な描写が話題となった劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』(原作:つくしあきひと)は、2020年に第1期から第2期のTVアニメをつなぐ作品として上映されました。
本作は人類最後の秘境と呼ばれる、いまだ底知れぬ巨大な縦穴「アビス」を舞台に、主人公「リコ」が機械の体を持つ「レグ」とともに母親と会うため「アビス」へ冒険に向かうという物語です。劇場版では、リコとレグたちがアビスの「深海5層」に到達する場面からはじまります。
当初PG-12指定だったものの、衝撃的なシーンが多く、「児童に対する肉体損壊などの残酷な虐待の描写」(映倫公式ページのコメントより)を理由に公開直前にR15+指定に変更されました。たとえば、謎の寄生生物「クオンガタリ」が棲みついている「不屈の花園」の場面では、花畑に踏み込んだがゆえに「苗床」にされて、ミイラ化した探検家が倒れている姿が描かれます。
さらにクオンガタリは、養分を取りながらも苗床になった相手を死なせない特性を持っており、寄生された探検家のなかには、目をくり抜かれても意識ははっきりしている者までおり、トラウマになった方も多かったのではないでしょうか。
また、マッドサイエンティスト「ボンドルド」が子供から脳と脊髄と最低限の臓器以外の全てを削ぎ落とし、生きたまま箱詰めにして呪いを代替させる「カートリッジ」を開発するなど、目を背けたくなるシーンが満載でした。
ただ、そういった残酷で過酷な描写があるからこそ、アビスの冒険に立ち向かうリコたちの姿への感動も増し、ファンからは傑作として支持されています。
(LUIS FIELD)
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