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中古価格に目玉が飛び出た!『メタルスレイダーグローリー』FC時代の終わりに登場

マグミクス / 2020年3月6日 7時10分

中古価格に目玉が飛び出た!『メタルスレイダーグローリー』FC時代の終わりに登場

■3万円の値札が付いていた『メタルスレイダーグローリー』

 1991年に日本のHAL研究所から発売されたファミコン用ソフト『メタルスレイダーグローリー』は、ファミコンカセット唯一の最大容量8メガビットROMを搭載し、ハード性能を限界まで使い切ったハイレベルなグラフィックやアニメーションの実装などを実現し話題となりました。出荷数が少なくプレミアカセットの代表格とも言われる同作について、ライターの早川清一朗さんが語ります。

* * *

 筆者が『メタルスレイダーグローリー』の存在を知ったのは、すでにファミコンをプレイしなくなっていた1994年でした。やるゲームがなくなり、何か面白いカセットを知らないかと友人同士で話していた時に、『メタルスレイダーグローリー』というファミコンのゲームがすごいと話題になったのです。

 恥ずかしながら筆者はこのとき、『メタルスレイダーグローリー』の存在を全く知りませんでした。1991年頃には筆者はスーパーファミコン、メガドライブ、PCエンジンを所有しており、ファミコン新作カセットの情報は、すでに集めなくなっていたのです。
 
 すごいカセットだと話を聞いてもそれほど興味をひかれず、そのときは「ふーん」程度で流していたのですが、ある日ぶらりと出向いた秋葉原で、「ファミコンのカセットなんて中古で投げ売りしているだろう」と軽く考え探し始め……。驚愕の数字を見ることになったのです。

 3万円。

 数点の中古カセット店を周り、見つけた『メタルスレイダーグローリー』の値段を見て、目玉が飛び出るかと思いました。これ一本で、一体何本のカセットが買えるのか。店員に聞いてみると、箱や説明書などがそろった完品の買取価格は2万円で、めったに出るものではないとのこと。筆者がプレミアカセットの存在を始めて認識したのはこの時でした。

 当時は学生でお金もないので買えるわけもなく退散し、数人の友人にこのことを話したところ、返ってきたのは驚くべき返事。

 友人のなかに、『メタルスレイダーグローリー』の所有者がいたのです。 しかも、ふたりも!

■黄ばんだファミコンを引っ張り出し…

『メタルスレイダーグローリー ディレクターズカット』画像はWii Uダウンロード版(任天堂)

 頼み込んだ結果、無事に友人のひとりから『メタルスレイダーグローリー』を借りることに成功した筆者は、押し入れにしまい込んでいた黄ばんだファミコンを引っ張り出しました。筆者と10年近くの時間を共にした戦友にして老兵です。

 結果として、『メタルスレイダーグローリー』は、小学生の時に母にねだって買ってもらったファミコンで最後にプレイしたカセットとなりました。

 久々にTVにRFスイッチを取り付け、ファミコンを接続。カセットを刺して電源を入れると、無事に動いてくれました。表示されたビジュアルはファミコンのものとは思えないほど精緻に書き込まれており、自分が知らないところでこんなすごいカセットを作っていた人がいたのかと驚かされました。

 キャラクターのグラフィックが非常に多く、アニメーションで表情もころころ変わるのは、ファミコンカセットとしては信じられないほどのクオリティでした。ヒロインのエリナ・ファーファのシャワーシーンや主人公の妹、日向あずさのパンチラシーンなどのお色気シーンのグラフィックやアニメーションの出来栄えはこだわりを感じる仕上がりで、どれほどの情熱が注ぎ込まれているのか見当もつきませんでした。

 戦闘兵器メタルスレイダー「グローリー」を中心として繰り広げられる異星人相手のミステリアスな展開と、魅力的なキャラクターが織り成すやり取りからなる良質なストーリーは十分楽しめるものでした。とはいえ3万円の価値があるかと言われると、それは少々苦しいところ。出荷数の少なさとファミコンカセットとしては破格の高品質が、コレクター魂に火を付けてしまった結果の値段だったのでしょう。

 借りたカセットを返却した後、筆者も自分で買うかどうか少々悩みましたが、既にプレイステーションやセガサターンの発売が予告されていた時期でもあり、諦めざるを得ませんでした。その代わり、ファンブックを購入し、「コミックコンプ」で連載されたマンガなどを楽しみました。

 その後『メタルスレイダーグローリー』は、スーパーファミコン用ソフト、ニンテンドウパワー書き換え専用ソフトや、WiiUで遊べるスーパーファミコンソフトとしてディレクターズカット版が発売され、プレイできる機会がはるかに多くなりました。

 2008年にはドラマCD、2015年にはファンブックの復刻と、企画・デザイン・ストーリー・ディレクターを担当した漫画家の☆よしみる氏中心に、『メタルスレイダーグローリー』は動き続けています。

 またいつか、新たな『メタルスレイダーグローリー』を見る日が来るのを楽しみにしていてもいいかもしれません。

参考文献:『メタルスレイダーグローリーファンブック』(JICC出版局)

(早川清一朗)

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