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『ドラクエ』なぜ同じヤツがいっぱいいる? 見た目が“人間っぽい”魔物たちの謎

マグミクス / 2024年8月1日 22時5分

『ドラクエ』なぜ同じヤツがいっぱいいる? 見た目が“人間っぽい”魔物たちの謎

■部隊やチームがあるから同じ服装なの?

「ドラゴンクエスト」シリーズといえば、バリエーション豊富な敵モンスターが登場するのも魅力のひとつです。プレイヤーによって、印象に残っているモンスターもさまざまでしょう。

 そもそも「モンスター」とは「化け物」や「怪物」を意味します。「ドラクエ」では敵キャラを「魔物」とも呼び、「魔物」は本来の言葉の意味では、「人に害を与える化け物の類」とされています。「ドラクエ」シリーズの代表的なザコキャラである「スライム」が分かりやすい例で、人とはほど遠い奇妙な姿をしており、そういった見た目の生き物をモンスターや魔物と呼ぶのは納得できます。しかし、なかには「これってモンスターなの?」と疑ってしまうような、人間に近いビジュアルをしたタイプも存在します。

 まず前提として、モンスターは野生に生息する動物と同様、同じ系統であれば色合いが違ったとしても、体の作りはほぼ同じなはずであり、生まれながらの姿であると仮定します。

 例えばライオンやシマウマなどは、毛の生え方などの変化や個体差があっても基本は生まれた姿のまま大きくなり、息絶えるまで生身の体のままです。もちろん、モンスターのなかには、本来の定義にない幽霊や呪いによって誕生した、いわゆる生物ではないオカルト的な存在もあるので、そういったタイプは例外とします。また、外伝などの作品による設定などは勘定せず、あくまでもナンバリングタイトルの世界観のみで考察します。

●魔物に乗っている系

 上述した前提を踏まえて各モンスターをタイプ分けすると、「魔物に乗った状態」で現れるキャラが存在します。例えば、スライムに乗った「スライムナイト」、メタルスライムとペアの「メタルスライダー」が当てはまるでしょう。

 さっそくふたつのキャラは「生まれながらにしての姿」ではなく、乗っているナイトとスライムに分けられます。そもそも気になるのは、ナイトは魔物なのでしょうか。人よりも頭身が低いところは「人間ではない」という雰囲気があるものの、見た目はほぼ人であり、人のように鉄仮面、鎧をまとい、剣と盾を装備しています。

 また、生息地であるフィールド上で何度も同じ姿の個体に遭遇することを考えれば、なぜ同じ身長、装備なのかという疑問も浮かびます。あくまでも想像ですが、ナイトのような見た目の種族がいて、生まれて成獣になれば、一族内でこしらえた武器や防具、管理しているスライムが与えられるのでしょうか。

『ドラゴンクエスト25thアニバーサリー モンスター大図鑑』(スクウェア・エニックス)によれば、スライムナイトのナイトは仲良しのスライムを守ろうと決心したことでスライムとペアになったとのこと。もともとナイトは単身で生息していたなかで、勇気あるナイトの決断によって「スライムナイト」の形が主流となったとも推測できます。

 とはいうものの「スライムナイト」系は上述したように、ナイトにモンスター感があるので、魔物としてカウントすることに違和感はありません。

 しかし、『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』に登場する「ドラゴンライダー」「ガーディアン」(『ドラゴンクエストVI 幻の大地』の同名モンスターとは別)は、明らかに人のような存在がドラゴンに乗っています。公式では「魔界の戦士」「魔界を守護する狂戦士」と設定されており、人間の戦士と変わらない見た目をした上記のキャラをモンスターと呼ぶことには違和感を覚えてしまいます。

 また同じ服装をしているのは、魔界のなかに兵士を束ねる部隊があって、それらを管理するボスによって身にまとうもの、騎乗するドラゴンが違うのでしょうか。

●神官、呪術師、魔法使い系

 しつこいようですが、人に近い造形のモンスターであれば、同じ見た目や服装のものがいることに何かしらの理由がないと、モンスターに分類されることが納得しづらいところです。

 例えば『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』に登場する「ようじゅつし」は公式の設定で、「かつて大神官が、闇のチカラに手を出したために破門され、悪の道に堕ちてしまった姿」とされていることから、かつては人間だった可能性が考えられます。しかし違和感があるのは「ようじゅつし」が大量に存在していることです。大神官が悪の道にたどれば、その瞬間に、皆が同じ姿になってしまうのでしょうか。

 関連モンスターである『ドラクエ2』の「きとうし」、『ドラクエ2』と『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』の「あくましんかん」、『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』の「あくま神官」も、ツノがあったり、杖を持っていたりなど、多少の違いはあっても、ほぼ同じ見た目です。

 仮定として「ようじゅつし」のように悪の道をたどれば、何者かの力が働いて悪い神官系の姿に変えられてしまうと考えれば、つじつまが合います。あとは単に「自身を複製する能力」を持った大元のひとりが、たくさんのコピーを作ったという可能性も考えられるでしょう。

 また『ドラクエ4』の呪術師「しりょうつかい」、邪教を信仰する祈祷師「ビビンバー」、魔法使い「ブラックマージ」は、それぞれ見た目が同じの色違いです。ザコキャラで屈指の実力「だいまどう」も、ラスボス「デスピサロ」に仕える大神官「エビルプリースト」の色違いのため、上述した考察と同じパターンでしょうか。

 もっと考えてみると、『ドラクエ5』に登場する「光の教団」の使徒「ゲマ」の存在を踏まえた時、「宗教の崇拝者は正装である宗教装束を着てもらう」という説も考えられます。『ドラクエ5』には、ゲマと瓜ふたつの「ネクロマンサー」という呪術師が存在します。もしかすると「光の教団」を崇拝しており、同じような装いをする信者が増えたと考えられないでしょうか。上述した神官や魔法使いなども、呪文の流派が同じために、服装を統一していたのかもしれません。

■どこからどう見ても人間でしょ? なヤツら

「ドラゴンクエスト メタリックモンスターズギャラリー カンダタ」(スクウェア・エニックス) (C) ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

●普通に人だよね系

 人間と変わらない見た目のボスキャラといえば、手にオノを持って顔を布で覆っている盗賊の「カンダタ」が有名でしょう。見た目は人と変わらない体つきをしており、ファミコン版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』で描かれる主人公の父「オルテガ」も同様の外見なため、人間であるように思われます。しかし、カンダタと外見が一緒の『ドラクエ3』の「さつじんき」、『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』の「ごろつき」という色違いのザコキャラが存在し、モンスターの一種とされています。

 そもそも「殺人鬼」「ごろつき」は人に対して使われる言葉で、公式の設定では「怪人」という扱いです。なぜパンツ1枚に覆面という奇抜な格好をしているものが大量に存在するかは不明ですが、「人間の範疇(はんちゅう)を超えた異常者」と考えれば、そういった系統の怪人は、なぜか「ドラクエ」の世界で受け入れられている「カンダタファッション」を好みやすいという傾向にあるのかもしれません。

 また、「カンダタ系」のモンスターよりも、ひと目で「人間でしょ!」とツッコミたくなるザコキャラが『ドラクエ5』の「とつげきへい」です。陣笠(じんがさ)を被って長い槍を持った「とつげきへい」は露出した肌の部分が小麦色で、体つき、顔も人間と変わらない見た目をしています。

 関連モンスターである「じゃしんのへいたい」「ランスアーミー」の場合、体が赤、青という色合いなので、モンスター感がある一方で、「とつげきへい」は魔族の特攻部隊という設定ではあるものの、その見た目からモンスターには見えません。『ドラクエ4』に登場する魔族の王「ピサロ」も人に近い外見のため、魔族と人の見た目には、そこまで大きな差がないと思えばモンスターとカウントしても違和感は薄れます。しかし、厳密にいえば「魔族」と呼称するべきでは、と思われます。

 そして『ドラクエ5』の「へびておとこ」は、もっともツッコミどころが多いザコキャラです。カンダタのようなマスクをまとい、両手がヘビになっているモンスターで、公式の設定によれば、「呪術に失敗し、両腕がヘビになった呪術師」とのこと。公式に「男」といわれている時点で、もとは人間だったことがうかがえますが、そもそも「呪術を失敗して腕がヘビになる」という背景がマヌケな印象を受けます。

 おそらく呪術を極めるのは至難の業なのでしょう。軽率に手を出したものは「へびておとこ」になってしまい、そういった者たちがひとつにまとまり、チームとして同じ服装をまとっているのかもしれません。ちなみに色違いの「ダークシャーマン」も両腕が大蛇になっており、これは失敗ではなく、自分の意志によって変えたものです。両キャラの志に違いがあるのも面白い点です。

 ここまで「限りなく人間に近いモンスター」を振り返りましたが、そもそも「ドラクエ」の世界において、人間に害がある存在や集団を指して「モンスター/魔物」と呼称しているのかもしれません。人であろうが、魔法使いや呪術師であろうが、プレイヤーに歯向かう存在であれば、それはモンスターなのでしょう。

 皆さんが「これってモンスターなの?」と思ってしまったのは、どんなザコキャラでしょうか。

(LUIS FIELD)

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