作者「あり得ない」 原作ファンも初見勢も驚いた「過激マンガ」実写化ドラマ

■いくら何でも頑張り過ぎでは

　毎年数多くのマンガが実写化されますが、地上波でドラマ化される場合は映画のような年齢制限がないため、過激なシーンがカットされてしまうことも少なくありません。しかし、深夜帯放送のドラマのなかには地上波でありながらも、過激な原作を忠実に再現した作品もあります。

●『夫婦円満レシピ～交換しない？一晩だけ～』

『夫婦円満レシピ～交換しない？一晩だけ～』は、越川珠江先生によるマンガ『夫婦円満レシピ～それでも夫を愛している～』を原作とした異色のラブストーリーです。

　セックスレスに悩む主人公「仁科志保（演：佐津川愛美）」や、妻に対してだけEDを発症する志保の夫「仁科浩介（演：千賀健永）」が、「夫婦交換」を通して自信を取り戻しながら関係の改善を目指します。

　作中では、自分以外に犯されている妻を見ながら性行為に及んだり、裸の男女が激しくキスし合ったりなど過激なシーンが何度も登場します。また、性行為での場面ではエフェクトを使用したり、快感を得ている時はサーファーが波に乗っている場面に合わせたり、絶頂に達した時には「fin」とテロップが出たりと、きわど過ぎる部分はぼかしつつ一連の流れが分かるように工夫されていました。

　よくある不倫作品とは異なる味わいの本作に対し、「こんなにリアルな夫婦の葛藤を見たことがない」「自分の常識が覆る」と、衝撃を受けた人は多いようです。

●『監獄学園-プリズンスクール-』

　2015年の『監獄学園-プリズンスクール-』は、累計700万部を突破している平本アキラ先生の大人気マンガが原作で、中川大志さんが主演を務めました。本作では、男子生徒がほとんどいない全寮制の厳格な元女子校を舞台として、とんでもない物語が展開されました。

　主人公「キヨシ（演：中川大志）」を含めた5人の男子生徒たちは女子風呂をのぞこうとした罪で「裏生徒会」に捕まり、通称「プリズン」と呼ばれる監獄で1か月の謹慎生活を送ります。そして、男子を学園から追い出そうとする裏生徒会に立ち向かいながら、青春を賭けて脱獄に挑む姿が描かれました。

　実写化では、女子生徒12人の手ブラカットや裏生徒会の書記「緑川花（演：森川葵）」の放尿シーンまで描かれています。また放尿を見られた花が、「キヨシの放尿も見てやる」とズボンを脱がすシーンもあり、この場面ではズボンを脱がした花がキヨシに尿をかけられてしまうところまで再現されていました。

「こんなに大胆なシーンが地上波で流れるとは」「再現しなくていいと思ってたくらいなのに」と衝撃を受けた人が続出したほか、「キャラたちを忠実に再現した作品」「俳優陣の体を張った演技のおかげで作品が崩れなかった」など、多くの人が俳優陣の演技力を称賛しています。

■作者ですら実写化を諦めていた

ドラマ『アカイリンゴ』キービジュアル　(C)ABCテレビ

●『アカイリンゴ』

『アカイリンゴ』はムラタコウジ先生による同題マンガが原作で、性行為が法律で禁じられた近未来の日本を舞台にしています。

　厚生労働省性行為取締官の父をもつ主人公「犬田光（演：小宮璃央）」は、性行為がなぜ悪いのかを疑問に思いながらも、父と同じ職に就くため勉学に励んでいました。

　ある日、同級生に連れられて行った会員制クラブで、憧れの清純派女優「宇宙美空（演：新條由芽）」と出会い、男女が交わう光景を目にします。そして光は欲望と衝動の間で葛藤しながら、さまざまな事件に巻き込まれていく……という物語です。

　本作はムラタ先生自身が「映像化はあり得ないと思いながら描いてた作品」とコメントしており、ドラマ化される事実を理解するまでに4日かかったそうです。

　その『アカイリンゴ』は、初回の冒頭から濃厚なディープキスや性行為の描写が始まり、全ての話数で性行為やSMプレイといった性的な場面が描かれました。光の股間に美術教師「壇田律（演：森咲智美）」が顔をうずめる描写まで登場します。

　地上波放送とは思えないほど性描写が多い同作には、「地上波でここまでエロを出せるなんて」「ひとりで観てるのに気まずくなってくるくらいヤバい」と驚く声がある一方、「エロだけじゃなくコメディ要素もあって見やすかった」「映像の美しさも素晴らしい」と好評な感想もあがっています。

（LUIS FIELD）