『ドラクエ3』「マップ」ないほうが楽しめる? 「HD-2D版」に高まる期待と不安
マグミクス / 2024年8月26日 21時25分
■新要素でHD-2D版『ドラクエ3』はどう変わる?
ファミコンを代表するRPGのひとつ『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』は、当時ブームを巻き起こすほど話題となり、時代を経ても語り継がれる名作として名を馳せています。
この名作をフルリメイクし、現行機向けに蘇らせるHD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』が2024年11月14日に発売され、徐々に明らかになっていくゲーム内容に対し、多くのファンが期待をいっそう高めています。
しかし期待が高まるほど、不安をかき立てる想像も湧き上がってくるもの。HD-2D版『ドラクエ3』の新要素はいずれも興味深いものばかりですが、一方でそこから連想される不安もあります。
●「とくぎ」の導入で、戦闘や編成に影響を及ぼす可能性
HD-2D版『ドラクエ3』では、戦闘中に使える「とくぎ」が新たに加わりました。これは、もちろんファミコン版にはなかった新要素です。
スーパーファミコン以降のリメイク版『ドラクエ3』には、「とくぎ」と呼ばれる能力が追加されましたが、こちらはフィールド上で使用できるものだけです。「くちぶえ」や「しのびあし」といった特技が使えたものの、戦闘で使える「とくぎ」はこれまでの『ドラクエ3』にはありませんでした。
そのため、今回のHD-2D版で初めて『ドラクエ3』に戦闘中の「とくぎ」が加わる形となります。発表済みの情報では、「しっぷう突き」「もろは斬り」「きゅうしょ突き」「うけながし」「かばう」といった特技が確認できます。
ナンバリングの後期では、「とくぎ」は定番といえるほどおなじみの要素になっています。しかし、歴代の『ドラクエ3』にはなかった新しいファクターなのも確かです。
「とくぎ」が導入されるとなれば、当然「とくぎ」を前提としたバランス調整が行われるはず。逆をいえば、「とくぎ」を使いこなさずに勝つのは少々難しくなると思われます。
近年の「ドラクエ」作品にも慣れ親しんでいる人は、「とくぎ」も難なく使いこなせることでしょう。一方、ファミコン版やスーパーファミコン版以来という往年のファンにとっては、「とくぎ」が前提となる新たなゲームバランスに苦戦するかもしれません。
『ドラクエ3』におけるバトルは、ゲーム進行のみならず、爽快感にも大きく関わる部分です。そのため「とくぎ」を採用する影響で難易度が上がるかも、と不安視する人がいてもおかしくありません。
特に『ドラクエ3』は、自由なパーティ編成も魅力のひとつ。自由度の高いゲーム性とバトルの醍醐味を、「とくぎ」込みでどう成立させるのか。大きな関心が集まることでしょう。
なお、HD-2D版『ドラクエ3』では、「楽ちんプレイ」「バッチリ冒険」「いばらの道だぜ」という3段階の難易度選択が可能です。仮に「とくぎ」を使いこなせず、攻略に手こずったとしても、難易度を変更できるのでご安心下さい。
■マップ画面でストレスフリー! でも冒険の醍醐味が薄れるかも?
HD-2D版『ドラクエ3』では、世界の広がりも感じられる。だからこそ、湧き上がってくる不安もある。(C)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX
『ドラクエ3』も含め、RPGの多くは「冒険」へと挑みます。そのため、プレイヤーにとっては未知の世界に足を踏み入れるのも同然です。見知らぬ場所なら、迷子になる可能性も十分あります。
しかし、HD-2D版『ドラクエ3』で道に迷う恐れは、さほどありません。本作ではミニマップが右上に表示されるため、自分たちの周囲に何があるのか確認しやすくなっています。また、現在地一帯をまとめて把握できる「マップ画面」もあり、付近の把握も容易です。
道に迷い、その挙句目的にたどり着けないのは、誰にとってもストレスフルな状況といえます。こうした問題も、HD-2D版『ドラクエ3』のミニマップやマップ画面のおかげで、華麗に回避できそうです。ミニマップとマップ画面はダンジョン内でも有効なので、本当に頼もしい存在です。
こうした機能が便利なのは間違いありません。しかし、マップの影響で見通しが良くなってしまうと、未知だったはずの世界があらわとなるため、冒険の醍醐味が損なわれる恐れもあります。
ただし、マップ画面で全てが明らかになるわけではありません。例えば、ダンジョン内の宝箱などはマップ画面に表示されないため、どこに何があるのか実際に移動して確かめる必要があると思われます。その意味では、未知の場所を探索する楽しさは健在といえます。
●頭身が上がり、世界は広がり、移動距離も長くなるかも……
HD-2D版では、過去の『ドラクエ3』作品と比べ、キャラクターの等身が少し上がりました。丁寧に描かれた背景の効果も加わり、HD-2Dの魅力を存分に生かした臨場感を醸し出しています。
雰囲気もよく没入度も後押しする素晴らしいグラフィックは、一見の価値アリ。この世界の冒険がどんな面白さを提供してくれるのかと、期待を高めている人も多いことでしょう。
ただし頭身が上がった影響か、世界全体も広がっている印象を受けます。先行プレイの動画を見ても、城下町や村の敷地がこれまでの『ドラクエ3』作品と比べて明らかに広くなっているのが分かります。
頭身に合わせて広くなったとすれば、世界をよりリアルに感じられる利点もあるものの、移動する距離が単純に伸びた可能性があります。移動する距離の長さは、RPGにおいてストレスを感じやすい部分のひとつなので、ここの要素も気になります。
ダンジョンやフィールドではモンスターと遭遇しやすくなりますし、街中にある施設への行き来は、ひんぱんになるほどそこまでの距離が気になるものです。世界が広くなるのは嬉しいものの、移動に関する不安が一切ないとまではいえません。
しかし、「ルーラ」や「キメラのつばさ」でフィールド上の移動は省略可能ですし、HD-2D版『ドラクエ3』では移動速度もかなり上がっているので、前述の不安が想像だけに留まる可能性は十分あります。
* * *
何かを得れば、何かを失うもの。一般的によく言われているこの言葉が、楽しみにしているゲームに当てはまるかもと考えると、胸のなかに不安が広がります。また、バランス調整に「万人が最適と思う答え」がないのも、厄介なところです。
例えば、HD-2D版『ドラクエ3』には「どうぐぶくろ」と「そうびぶくろ」が実装され、アイテム管理が行いやすくなると思われます。しかし、アイテムの個数や種類を持ちやすくなることで「やりくりの楽しさがなくなりそう」と不安がる人もおり、「利便性が高い=正解」とは言い切れないのが現実です。
ただし、こうした不安が湧き上がるのは、HD-2D版『ドラクエ3』に向ける期待が高いからこそ。期待していない作品には関心が湧かず、自ずと不安も生まれません。不安は期待の裏返し、楽しみだからこそ悪い想像も浮かんでしまうもの。こうした不安を吹き飛ばしてくれるような、パワフルで魅力的なHD-2D版『ドラクエ3』の登場を切に願うばかりです。
(臥待)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
HD-2Dリメイク版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』は懐かしさも新しさも堪能できる各要素が充実!最高の新生『ドラクエ3』だ!【特集】
Game*Spark / 2024年11月17日 11時30分
-
やり応え抜群のファンタジーRPGおすすめ5選─『ドラクエIII』のリメイク版やアトラス最新作など、剣と魔法の世界で勇者になりたいあなたへ
インサイド / 2024年11月17日 11時30分
-
HD-2D版『ドラクエ3』で“不要になったかも”な呪文に衝撃走る「存在意義…」
マグミクス / 2024年11月15日 21時15分
-
HD-2D版『ドラクエ3』性別廃止で”性格”システムはどうなる 「セクシーギャル最強説」が崩れる?
マグミクス / 2024年11月12日 18時25分
-
HD-2D版『ドラクエ3』社会人にプレイする暇ある? 公式「安心してください」
マグミクス / 2024年10月30日 18時25分
ランキング
-
1川で拾った普通の石ころ→磨いたら……? まさかの“正体”にびっくり「間違いなく価値がある」「別の惑星を見ているよう」【米】
ねとらぼ / 2024年11月22日 7時30分
-
2明石家さんま、VTuberになっていた―デビュー配信からホロライブ、にじさんじとコラボした謎の新人「八都宿ねね」の正体に宝鐘マリンらも驚愕
インサイド / 2024年11月22日 10時20分
-
3Anker製品「最大56%オフ」 Amazon ブラックフライデーで 割引率と製品数は2023年よりもアップ
ITmedia Mobile / 2024年11月22日 7時10分
-
4“主人公キャラのいない”ローグライクシューターが早期アクセス開始!AIとなって敵同士を戦わせ道を拓く―採れたて!本日のSteam注目ゲーム11選【2024年11月21日】
Game*Spark / 2024年11月21日 22時30分
-
5「スンスンが餌食に」 販売から“全店舗3分で完売”→高額転売で「怒りが込み上げる」 スシロー×人気キャラコラボが物議
ねとらぼ / 2024年11月21日 19時2分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください