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【漫画】怒ると鬼になる女子 嫌われたくなくて怒らずにいたら?「社会のリアル感じた」【作者インタビュー】

マグミクス / 2024年8月26日 11時10分

【漫画】怒ると鬼になる女子 嫌われたくなくて怒らずにいたら?「社会のリアル感じた」【作者インタビュー】

■特殊な境遇に悩む主人公が救われる

 鬼の末裔である如月きいは、怒ると鬼になってしまうという特殊な体質に悩む女の子です。同じ体質の人が鬼になって周囲に恐れられる様子を見て、「嫌われたくない」という思いから、クラスメイトに理不尽なお願いをされても怒らないように、鬼にならないように気をつけていました。そんなある日、派手な風貌の北東さんと仲良くなり……。

 桐島豊さん(@giri_kirishima)による創作マンガ『きーちゃんともんもん』がX(旧:Twitter)で公開されました。本作は「サンデーうぇぶり」に掲載された読み切り作品です。読者からは「めちゃくちゃ良かった」「設定も絵もキャラクターも好き」「少数でも心許せる友だちがいれば良いのよね」「やっぱり一番怖いのは人間なんだな」「リアルの日本そのまま」などの声があがり、投稿には6.6万いいねの反響が集まっています。

 作者の桐島豊さんに、お話を聞きました。

ーー読者から「今の社会の風刺を見てる気分になった」という声も聞かれる『きーちゃんともんもん』のお話はどのように生まれたのでしょうか?

 今回は「鬼になってしまう体質の人々」に焦点を当てたお話でしたが、もともと作品を制作する際に、「他人から見て理解しがたい体質や心境を持つ主人公が救われる物語を描きたい」という思いがあり、それが今回の作品のテーマにつながりました。

 そのような境遇にあったとしても、同じような境遇、気持ちの人が実はほかにもいて共感してくれる、ひとりじゃないんだって思えるだけで心が軽くなることがあって、それが救いにつながるのではないかと思っています。その感情をマンガを通じて共有したくて、この作品を作りました。

ーー「怒ると鬼になってしまう」という特殊な悩みを持つ少女が主人公です。どうして「鬼になる」設定にしたのでしょうか?

 先ほども挙げた「他人から見て理解しがたい体質や心境」というテーマをもとにマンガを描くにあたり、担当さんと何度か相談を重ねました。そのなかで、フィクションの設定を織り交ぜようということになり、その際に「怒ると鬼になる」という設定を思いつきました。「鬼のように怒る」「鬼の形相」という言葉があるように、怒りの感情と鬼は近しいところにあるのでは、と思ったからです。

 また、鬼という存在は、私たちにとって子供の頃から馴染み深い存在(鬼=怖い、恐ろしい、理解しがたい存在というイメージが強い)だと思っていて、イメージしやすいのではないかと思ったので、そのような理由から、「鬼になる」という設定にしました。

クラスメイトが仕事を手伝ってくれて…(桐島豊さん提供)

ーーこの作品を描くうえでこだわったポイントや心がけたことなどはありますか?

 怒りをテーマに入れるにあたり、私自身、「友達のために本気で怒ることができること」「自分のことのように本気で怒ってくれる友達がいること」って、とてもうれしく、尊いことだと思っていて、その感情を作品に取り入れたいと思っていました。そして、作品を見て下さる方々にもその感情に共感してもらいたいと思い、できる限りその気持ちが伝わるよう作品を描きました。

 また、鬼になったときのデザインもいくつか案を挙げてまして、かっこよさを備えつつ人間とは違う荒々しさを持った姿を表現できるよう工夫しました。

ーーたくさんの感想が寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

 きーちゃんともんもんの物語について、私はこの終わり方で良いと思い最後のシーンまで描きましたが、見方によっては完全なハッピーエンドではないと感じる方もいるかもしれないと思い、その点でどのような反応をいただけるのか……と気になってました。

 今回、作品を読んで下さった方々から「終わり方が良かった」という意見をたくさんいただき、大変うれしく感じるとともに、作品を作る自信や肯定感にもつながったと感じました。また、過去の作品を読んで下さった方々から「前の作品も読んでいて覚えています!」という声をいくつもいただけたことも、大変うれしく思ってます。

 いつも作品を読んで、共有し、コメントを下さる皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました!

(マグミクス編集部)

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