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『ゴレンジャー』の「青」は主役級俳優? 「バリブルーン」待機が多かった理由は

マグミクス / 2024年9月15日 8時40分

『ゴレンジャー』の「青」は主役級俳優? 「バリブルーン」待機が多かった理由は

■多忙だった宮内さんを起用するために採用したアイディアとは

 スーパー戦隊シリーズの第1作目『秘密戦隊ゴレンジャー』は1975年から放送が始まった、お茶の間の子供たちを賑わせた特撮作品です。スーパー戦隊はレッドがリーダーを務めるという定番も、このゴレンジャーの「アカレンジャー」から始まりました。

 一方でブルーはサブ役、2番手という印象が強いなか、『ゴレンジャー』の「アオレンジャー/新命明」を演じたのは、すでに売れっ子俳優だった宮内洋さんでした。『仮面ライダーV3』でV3に変身する「風見志郎」を演じた主役級の俳優だった宮内さんが、なぜアオレンジャーにキャスティングされたのでしょうか。

 そもそも宮内さんはアカレンジャーとして配役される予定でしたが、やはり多忙ゆえにスケジュールの調整が難しいという理由で、オファーを1度断っています。仕方なく、2回目のオファーをする際、2番手であるアオレンジャーを演じてもらうように伝えたところ、「主役じゃない」という理由で、宮内さんは再び断ろうとしたそうです。

 しかし、『ゴレンジャー』の原作者である石ノ森章太郎(当時、石森章太郎)さんから「アカレンジャーが宮本武蔵で、アオレンジャーが佐々木小次郎」と説得され、アオレンジャーに対する悪い印象がなくなったのか、出演を引き受けることになったのです。

 とはいっても、すでにレギュラー番組を3つも抱えていた宮内さんの撮影スケジュールはかなり限られたものになり、週に1日程度しか空けられない状況でした。厳しい条件のなかでも撮影を続けるため、宮内さんが演じる新命はスタジオ撮影できる空中要塞「バリブルーン」、後継機「バリドリーン」の操縦担当になります。

 操縦シーンをメインにおくことで、飛行時や仲間の救出時など、限られた場面の撮影だけで済むようになりました。また、スタジオ撮影のため、先のシーンの「ため撮り」も可能なので、少ない撮影時間でも、宮内さんを有効に活用できたのです。

『ゴレンジャー』を振り返ってみても、やはりバリブルーンに乗った新命が助けにくるシーンはカッコ良く、物語を通じて新命の登場場面が極端に少なかったという印象はありませんでした。集団ヒーローという設定ゆえに、さまざまなキャラにフォーカスを当てたり、複数で移動したりするストーリー展開のおかげで、違和感が生まれなかったのかもしれません。

 ちなみに、宮内さんがスーパー戦隊シリーズに配役されたのは『ゴレンジャー』だけではありません。1977年から放送が始まったシリーズ第2弾『ジャッカー電撃隊』の「ビッグワン/番場壮吉」として登場し、スーパー戦隊シリーズに2作連続でレギュラー出演した初めての俳優となりました。放送当初は出演していなかったのですが、視聴率が振るわなかったために行われた「てこ入れ」によって、主演の特撮ドラマ『快傑ズバット』の放送が終了したばかりの宮内さんを新たにキャスティングしたのです。

■ひとつの作品に同じ顔のヒーローが3人も?

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 宮内さんは、結果的に『V3』や『ゴレンジャー』、『ジャッカー』の有名特撮番組3作に出演したことになります。映画作品になると、1978年公開の映画『ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー』では、ジャッカーとゴレンジャーの共演が実現し、宮内さんは2作品の役をかけ持ちする形で出演しました。しかし、登場場面といえば、番場隊長としての出演だけで、アオレンジャーの声だけを担当し、新命の出番はありません。

 あくまでも想像の世界ですが、『ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー』では、『V3』も、ヨーロッパで悪の組織「クライム」と戦っている設定だったので、宮内さんが3役を演じる可能性も話の筋としてはありえました。現代であればCGなどの映像技術で、風見、新命、番場の3人が共演する姿も観られたかもしれません。ただ、3人ともに同じ顔になってしまうので、「実は三つ子だった」のような新たな設定が必要になりそうですが……。

 ちなみに『ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー』には、ジャッカーのリーダーである「スペードエース/桜井五郎」を演じた丹波義隆さんが登場しており、彼は宮内さんの師匠である丹波哲郎さんのご子息です。宮内さんは無意識のうちに「師匠の息子よりも目立ってはいけない」という気持ちになり、出演場面が少なくなったのかもしれません。

(LUIS FIELD)

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