「まさか死ぬとは」「1期後半がなかったことに」原作改変が忘れられないアニメ3選

■第1期後半はなかったことに？

　マンガを原作としたアニメは、ときにオリジナル展開を盛り込む場合があります。いわゆる「アニオリ」といわれる展開は、ファンによって受け止め方はさまざまで、賛否が分かれた作品も存在しました。

●『青の祓魔師（エクソシスト）』

　加藤和恵先生によるマンガ『青の祓魔師』は、単行本の累計発行部数が2500万部を突破し、「青エク」の愛称で多くのファンから愛されている作品です。本作は2011年から現在までに3期にわたってアニメ化されており、2024年10月6日からは第4期が放送されます。

　物語は悪魔「サタン」と人間の間に生まれた主人公「奥村燐」と弟「雪男」が、「祓魔師（エクソシスト）」として、悪魔と対峙していくというストーリーです。2011年のアニメ1期では、15話までは単行本4巻までの内容に沿ったものでしたが、16話後半あたりからアニオリ展開が盛り込まれ、18話以降は完全アニメオリジナルのストーリーとなりました。

　例えば、燐の母親が登場したり、雪男が「悪魔落ち」してしまったりするシーンなどがアニオリ要素としてあげられます。しかし、その後時間をおいて2017年に放送された2期では、原作に再度沿った内容となり、2期第1話は1期の16話途中からの続きとなっていました。

　当時アニメが原作の連載に追いつきそうになっていたため、アニオリ展開も仕方なかったとはいえ、1期後半部分がなかったことになったため、一部視聴者は「なんのためのアニオリだったのか理解し難い」「後追いでアニメ1期見終わって『兄弟仲良しやな！！』で2期見始めたらめっちゃギスギスしてて困惑した」」などの声があがりました。一方で、原作との兼ね合いで作ったであろうオリジナルストーリーに「仕方ない」と理解を示す意見や、「アニオリも原作もやってくれるとか贅沢」「アニオリだけどなかなかいいストーリーだと思う」などの声もあり、受け止め方はさまざまなようです。

●『魔法先生ネギま！』

　2005年から放送された『魔法先生ネギま！』は、赤松健先生の同題マンガを原作としたアニメです。魔法学校を卒業した主人公「ネギ・スプリングフィールド」が、日本の女子校の先生となり、女子生徒とドタバタ劇を繰り広げていきます。

　各所で原作からの改変が目立っていた本作は、メインヒロイン「神楽坂明日菜」が死亡するというまさかのアニオリ展開を描き、ファンを驚かせたのです。アニメ版の明日菜は、子供の頃に「魔将軍」と契約し、「完全魔法無効化（マジックキャンセル）」の能力を得た代償として、「14歳で魂を奪われる」という運命にありました。

　そして、23話のエンディング後、明日菜はネギの前で死んでしまいます。さらに、24話では明日菜が火葬にかけられるシーンまで描かれました。最終的にネギたちが過去へ行って魔族を倒したことで、明日菜は生き返りハッピーエンドとなりますが、メインヒロインが死亡するというアニオリ展開に、衝撃を受けた人も多いのではないでしょうか。

　ネット上では、「推しキャラだったから当時本当に悲しかった」「ラブコメ的な要素が強かったから余計にあ然とした」「だいぶショックだったけど、その分、明日菜が戻ってきてくれたときはうれしかった」とさまざまな意見が出ています。多くの人にトラウマを残したアニオリとなりました。

■結末も原作と異なってしまったアニメ

TVアニメ『約束のネバーランド』Season2キービジュアル　(C)白井カイウ・出水ぽすか／集英社・約束のネバーランド製作委員会

●『約束のネバーランド』

　実写映画にもなった同題マンガを原作とした『約束のネバーランド』（原作：白井カイウ／作画：出水ぽすか）は、2019年に1期、2021年に2期が放送されたアニメです。

　1期はおおむね原作通りに物語が進み、「鬼」の食料として育てられていたことを知った主人公「エマ」たちが、生まれ育った孤児院「グレイス＝フィールドハウス」を脱出するところまでが描かれました。

　ただ、好評だった1期に対し、2期では単行本第6巻から最終巻の第20巻までの内容を全11話に詰め込んでおり、各所の改変も目立ちます。特に注目されたのは、原作では30話分を使って描かれた「ゴールディ・ポンド編」が丸ごとカットされた点でしょう。そのほかにも原作で人気のあるキャラ「ユウゴ」が登場しないなど、大幅なカットによる影響は少なくありませんでした。

　最終回でもアニオリ展開が盛り込まれており、原作と異なった形で物語が終わります。本作について視聴者からは、「原作の一番面白い部分がカットされて拍子抜けだった」「最終話の『紙芝居』シーンにはびっくりした」といった声があがり、「続きが出ないアニメよりは完結してくれた方がありがたい」といった意見もあったものの、かなり物議をかもしました。

（LUIS FIELD）