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主人公補正なんて信じちゃダメ 視聴者衝撃の「敗北エンド」アニメ3選

マグミクス / 2024年9月6日 12時10分

主人公補正なんて信じちゃダメ 視聴者衝撃の「敗北エンド」アニメ3選

■主人公は敗北し、搭乗機体はさらし首に

 たとえどのような窮地に直面しても、物語の主人公だけは負けない、倒れない、死なない、いわゆる「主人公補正」は多くのアニメ作品で見られる、お決まりのような現象です。ただ、実際には「主人公の敗北」で終わるアニメも少なくありません。

※この記事では、主要キャラクターの生死、最終回のネタバレの記述があります。

 たとえば2015年に放送された『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』は、まさに「主人公敗北エンド」の代表例でした。同作では、火星で奴隷のような扱いを受けていた主人公の「三日月・オーガス」をはじめとした少年たちが民間組織「鉄華団」を立ち上げ、武力と絆の力でのし上がっていく様子が描かれていきます。歴代シリーズと比べても多くの戦死者を出した作品として知られており、とくにラストの展開は良くも悪くも大きな反響を集めました。

 物語終盤で、「鉄華団」は敵勢力「月外縁軌道統合艦隊アリアンロッド」との最終決戦へと臨みます。その過程で「ビスケット・グリフォン」や、団長の「オルガ・イツカ」といった中核メンバーが次々と命を落とし、最終話ではついに主人公の三日月までもが戦争の犠牲となってしまうのです。

 主人公を含む主要キャラクターがほぼ全滅する展開もさることながら、物語の最終盤でオーガスの搭乗機体「ガンダム・バルバトスルプスレクス」の頭部がさらし首のように掲げられるシーンには、多くの視聴者が衝撃を受けたのではないでしょうか。

 壮絶なラストを迎えた『鉄血のオルフェンズ』ですが、その背景には監督を務めた長井龍雪さんの「ある構想」が関わっています。2017年4月9日に配信されたWebラジオ『鉄華団放送局』にゲスト出演した長井監督は、「鉄華団」のモチーフが新選組だったと明かしていました。つまり主人公勢力の敗北は、始めから決まっていたプロットだったのです。もしかすると「鉄華団」の物語は、滅びゆく運命だったからこそ視聴者のハートに突き刺さったのかもしれません。

 そのほか2019年に放送された『バビロン』も、主人公の敗北で幕を下ろした作品でした。同作は小説家の野崎まど(「崎」は正式には「たつさき」)先生のSFサスペンスをアニメ化したもので、原作小説はその過激さゆえに「読む劇薬」と銘打たれています。

 物語の主人公は、東京地検特捜部検事として活躍する「正崎善」です。ある事件を追い求めていくうちに、数多くの不審自殺に関与する謎の女性「曲世愛」と出会い、東京都西部に新設された第2の東京こと「新域」でうごめく陰謀に巻き込まれていきます。

 同作は政治や社会の闇といったリアルを描きながらも、人智を超えた異能力も登場するSFサスペンスでした。特に物語の黒幕は「人を自殺に追いやる」というチート級の能力を有しており、その能力によって正崎の仲間たちが次々と犠牲となります。

 そしてそれは、主人公の正崎も例外ではありません。最終話ではついに正崎と黒幕の一騎打ちとなるものの、勝敗の行く末はアニメ本編で描かれず、エンディング後のCパートで正崎の敗北を示唆するシーンが描かれました。日本では当たり前とされてきた勧善懲悪の精神が真っ向から否定される形となり、「なんて結末……」「精神を削られたまま終わった」などと、がく然とした視聴者も多かったようです。

 また、「死」が描かれるジャンルではないものの、2024年の春アニメ『響け!ユーフォニアム3』は、原作改変を伴う「主人公敗北エンド」で話題となりました。同作は北宇治高校の吹奏楽部を舞台とした青春群像劇で、アニメ第3期では3年生に進級し部を率いる立場になった、主人公「黄前久美子」の奮闘劇が展開されていきます。

 最終話にあたる第12話「さいごのソリスト」では、全国大会におけるユーフォニアムのソリスト(独奏者)を決めるオーディション結果が発表され、原作通りであれば久美子がソリストを勝ち取る……はずでした。

 ところがアニメ版では、久美子ではなく強豪校から転入してきた同級生「黒江真由」がソリストに選ばれたのです。

 当然ながらネット上では賛否両論が巻き起こりましたが、そもそも真由はユーフォニアムの演奏技術が非常に高く、久美子よりも実力は上でした。最終的に久美子も立ち返った「上手い人が吹くべき」という考えに則れば、当然の流れともいえるかもしれません。一方で、長く部に貢献してきた久美子が吹くべきだ、という意見も間違いではないでしょう。

 ちなみに原作者の武田綾乃先生は、自身のX(旧:Twitter)を通して「アニメはアニメ、小説は小説として、一作品で違った味を楽しんで頂ければ…!」とコメントしていました。

(ハララ書房)

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