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PS5値上げに「高すぎる」との声もありますがここで過去の「超高額機」を見てみましょう

マグミクス / 2024年9月11日 21時40分

PS5値上げに「高すぎる」との声もありますがここで過去の「超高額機」を見てみましょう

■強気すぎる価格で初代プレステと真っ向勝負!

 2024年9月2日から、PlayStation 5やその関連アクセサリー類がいっせいに値上げされ、ゲーム好きからは悲鳴が上がっています。ディスクドライブ搭載モデルは6万6980円から7万9980円(以下、全て税込価格)へ、非搭載モデルは5万9980円から7万2980円へ値上げとなり、DualSenseコントローラーも1万円を超えてしまいました。

「ゲーム機なのに8万円近く!? それならゲーミングPC買った方がいいんじゃない?」とうろたえる声も聞こえてきます。が、ファミコン発売からこのかた40年あまり、あまた世に送り出されてきたゲーム機のなかには、値上げ後のPS5に迫る、あるいは上回る高価なハードも少なくありません。

 なお物価の感覚は、時代によってかなりの隔たりがあります。おもな高額ゲーム機が相次いで登場していた1990年代半ばまでは、今よりも物価は10%ほど低かったということで、現在の基準の価格に換算するなら、それぞれ1割増しぐらいにとらえていただければ幸いです。

 まず筆頭に挙げられるのが、「PCエンジンLT」(1991年12月発売)の9万9800円でしょう。おなじみPCエンジンに、当時は高価だったTFTカラー液晶画面を組み合わせ、折りたたみ型の筐体に収めた製品です。

 さらにゲームパッドも一体化され、連射機能も付いています。ほかTVチューナーやスピーカーを内蔵し、ヘッドホン端子もついて、CD-ROM^2ユニットとも接続できます。全部載せの豪華な仕様を実現するため、10万円近くまで跳ね上がってしまったようです。

 いかにも持ち運べそうなデザインですが、バッテリーを内蔵せず、単体では遊べません。本体サイズもかなり大きく、約650gもの重さもあり、「ゲームボーイ」感覚でのプレイは無理だったでしょう。

 それを僅差で追うのが、パイオニアの「レーザーアクティブプレイヤー」(1993年8月発売)です。本体価格は8万9800円ですが、これだけでは「レーザーディスク」を再生できるだけです。ゲームを遊ぶためには、別にPCエンジンパックやメガドライブパック(どちらも3万9000円)を買い足さないといけません。

 当時は先進的だったCD-ROMとレーザーディスクを組み合わせて「MEGA-LD」や「LD-ROM^2」という概念を打ち出しましたが、レーザーディスクが短命だったため後が続きませんでした。もっとも、デーモン閣下が心理ゲームをしてくれる『悪魔の審判』や、実写の脱衣麻雀『ドラドラパラダイス』をプレイしたければマストバイです。

 そして「ピピンアットマーク」(1996年3月発売)はバンダイ(当時)とアップルが共同開発した夢のハードであり、発売当時の価格は6万4800円です。Mac OSと互換性のあるpipinOSとCD-ROMドライブを搭載し、一部のMac用ソフトやゲームが動きました。

 よりハッキリ言えば「コストダウンしたMac」ですが、ちょうど当時はWindows 95全盛期であり、今ほどMacのブランドイメージは高くありませんでした。しかも、初代「PlayStation」や「セガサターン」が売れに売れている頃で、6万円超で勝負した度胸はスゴいといえるでしょう。最終的な出荷台数は4万2000台、在庫は約5万台で、「世界一売れなかったゲーム機」と呼ぶ声もあります。

 その2年前、松下電子産業(当時)がゲーム業界に送り込んだのが「3DO REAL」(1994年3月発売)でした。発表時の希望小売価格は7万9800円でしたが、実際には5万4800円で発売されました。さすがに、強気すぎると反省したのかもしれません。

 発売直後は勢いが良かったものの、海外ゲームが中心だったためか失速し、同年11月には価格を4万4800円に下げた「3DO REAL II」を投入しましたが、そのまま沈んでいきました。当時は『スーパーストリートファイターII X』を遊べる唯一のハードではあったものの、キラーソフトがあと100本ほど欲しかったところです。

■業務用ゲームが遊べちゃう! から「安い買いもの」…?

本体以上に専用ソフトが断トツに高かったNEOGEO。PS5のソフトって実は安いと思えてくる (画像:Evan-Amos、CC BY-SA 3.0〈https://tinyurl.com/mu5s3m57〉、via Wikimedia Commons)

 そのような高額ゲームハードのなかで、ただひとつ「むしろ安い!」と言われたのが、「NEOGEO」(1991年7月発売)の5万8000円でしょう。キャッチコピーの「凄いゲームを、連れて帰ろう。」は、ゲームセンターと全く同じゲームが家庭でも遊べるということで、比較対象は数十万円もする業務用ゲーム機だったのです。

 NEOGEOを発売したSNK(当時)は『餓狼伝説』や『サムライスピリッツ』『龍虎の拳』「KOF(キング・オブ・ファイターズ)」シリーズなど、次々と対戦格闘ゲームの傑作を世に送り出したメーカーです。それらが家で遊び放題となるのですから、5万円ごときが高いと思うわけがありません。

 本体価格よりも強烈なのがソフトであり、どれも3万円前後というお高さです。ソフト1本だけで、「スーパーファミコン」など他社ハードを楽々上回っていました。ゲーセンで1回のプレイが100円として、300回やればモトが取れるという感覚だったのですね。

 以上は「ゲーム機単体だけで高額」というケースでしたが、かつては「オプションと組み合わせて高くなる」タイプがよくありました。

 その代表例が、「PCエンジン」と「メガドライブ」のCD-ROMドライブでしょう。まずゲーム機本体を買い、数年後にオプション機器を買い足した場合、さほど負担を感じませんが、トータルの金額ではエラいことになっていました。

 PCエンジンの場合は、ゲーム機本体が2万4800円+CD-ROM^2ドライブ3万2800円+インターフェースユニット2万7000円=8万4600円となります。そしてメガドライブは、本体価格2万1000円+メガCD4万9800円=7万800円という具合です。筆者は両方ともリアルタイムで買いましたが、これほど出費していたのですね。

 こうして振り返ると、PS5にPCエンジンやメガドライブにあった「合体」のロマンがないのは、少し寂しい気もしますが、先代のPS4用ソフトも遊べてBlu-rayビデオも楽しめて約8万円(ドライブ搭載モデル)というのは、実は安いのでは……とも思えてきます。

 と、本稿制作中のつい今しがた、「PS5 Pro」が発表されました。約12万円、ディスクドライブを買い足すと約13万円……さすがにネット上でもザワザワしているようです。

※本文の一部を修正しました。(2024年9月12日 11時14分)

(多根清史)

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