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最後の最後は爽やか? 怒涛の「全滅」展開が待ち受けていた衝撃マンガ

マグミクス / 2024年9月15日 21時25分

最後の最後は爽やか? 怒涛の「全滅」展開が待ち受けていた衝撃マンガ

■自己犠牲の果てに死んだ主人公

 多くの読者に望まれるマンガの結末は、ハッピーエンドが多いかと思います。しかし、なかには主要キャラの全滅や世界の消滅、人類滅亡など、衝撃的な終わり方をして読者の記憶に残っている作品も存在しました。

※この記事には『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』『最終兵器彼女』『バジリスク ~甲賀忍法帖~』のネタバレが含まれています。

●『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』

 マンガ『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』は、第9部「The JOJOLands」が連載中の『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの第6部にあたります。この第6部では、第1部から続いてきたジョースター家とDIOの因縁が「全滅エンド」で決着し、読者に衝撃を与えました。

 第6部は、2部主人公「ジョセフ・ジョースター」の孫で3部主人公である「空条承太郎」の娘「空条徐倫」が主人公で、彼女と承太郎、仲間たちがジョースター家の宿敵である「DIO」の意志を継ぐ「プッチ神父」と戦う姿が描かれています。プッチ神父は宇宙の時間を加速し一巡させることで、すべての人間が自分のその後の運命を知り、覚悟を持って生きる「天国」を作ろうとしていました。

 物語の最終局面で徐倫たちはプッチ神父と激闘を繰り広げますが、プッチ神父のスタンドが時間を加速する「メイド・イン・ヘブン」に進化したことで、徐倫や承太郎を含む仲間たちは次々と命を落としていきます。

 唯一、生き残った少年「エンポリオ」によってブッチ神父は倒され、宇宙が一巡することは阻止しましたが、世界は再構築されていまい、元の世界は完全に失われました。徐倫たちの意志を継いだエンポリオが生き残ったため、勝利と呼べる結末ではありますが、これまでの物語を紡いできた世界が消えてしまうというラストは衝撃的です。最後の最後に描かれた、切ないながらも希望がある描写も印象的でした。

●『最終兵器彼女』

 1999年から2001年に連載されていたマンガ『最終兵器彼女』は、2002年にアニメ化、2006年に実写化もされた作品で、ごく普通の高校生「シュウジ」と、彼の恋人で、兵器に改造された高校生「ちせ」の哀しい物語は、読者に多くの感動を与えました。そして、「この星で一番最後のラブストーリー。」というキャッチコピー通り、同作のラストでは人類の滅亡が描かれたのです。

 どこにでもいる普通の少女だったちせは、街が敵に襲撃された際に、「最終兵器」として改造されていたことが明らかになりました。戦場で兵器として戦うちせは、次第に暴走を始め、彼女の肉体と精神は人間からかけ離れていきます。それでも、ちせはシュウジへの愛情だけは保っており、物語はふたりの複雑な関係を中心に描かれていきました。

 やがて、地球の寿命が迫っており、自暴自棄になった国々が戦争を始めていたことが明らかになります。地球の寿命が尽きる直前に、ちせは最終兵器としてシュウジ以外の生き残っていた人びとを、苦しまないように逝かせました。そして、ただひとり生き残ったシュウジは、ちせが変形した宇宙船に乗って地球を飛び立ち、物語は幕を閉じます。

 ちせは生殖機能を失っており、シュウジの寿命の終わりとともに人類は滅亡するでしょう。ただ、さらに高度なテクノロジーを持つ地球外生命体と出会うSF展開の可能性も残っており、少しだけふたりの未来に希望も持てる終わり方でした。

●『バジリスク ~甲賀忍法帖~』

 マンガ『バジリスク ~甲賀忍法帖~』は、1959年に連載されていた小説『甲賀忍法帖』を原作にした作品で、2005年にはアニメ化もされ人気を博しました。

 源平の時代から数百年にわたり敵対してきた甲賀と伊賀の忍者一族ですが、近年は平和が保たれており、甲賀の首領の孫「弦之介」と伊賀の頭目の孫「朧(おぼろ)」は恋仲にあり、祝言をあげる予定でした。しかし、徳川お抱えの忍びである「服部半蔵」の後継者を、甲賀と伊賀の忍法争いで決めると告げられたことで、壮絶な殺し合いが始まったのです。

 見た者の精神を狂わせ自滅させる力を秘めた「瞳術」を操る弦之介と、その目で見た超常の力を無効化する「破幻の瞳」を持つ朧を筆頭に、それぞれの里から10名ずつ、計20名の人間離れした忍法を操る忍者たちの争いは、血で血を洗う展開が続きました。

 ひとりまたひとりと数を減らしていき、最後に残った弦之介と朧のふたりは河原で対峙します。しかし、朧は「大好きです弦之介様」と言い残して自害し、弦之介もまた朧の後を追って自らの命を絶ったのです。戦いに参加した人間が全滅するラストはとても悲しいものでしたが、殺し合いのなかにあっても互いを想い合っていた弦之介と朧の気持ちは、多くの読者の胸を打ちました。

(SU_BU)

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