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お子様ボー然「こんなのってあり?」 アニメ『コン・バトラーV』が迎えた意外な結末

マグミクス / 2024年9月17日 7時35分

お子様ボー然「こんなのってあり?」 アニメ『コン・バトラーV』が迎えた意外な結末

■拠点爆破! 最後の戦いは絶体絶命の大ピンチ!

 1976年から77年にかけて放送されていた『超電磁ロボ コン・バトラーV』の最終回は、当時の子供たちを「え? そんな終わり方でいいの?」と驚かせる内容となっていました。最終回「平和の使者Vは不滅だ」の内容を、あなたは覚えていますか?

 地球侵略を目論む「キャンベル星人」の指揮官である「女帝ジャネラ」は行き詰まりを打開すべく、「コン・バトラー」の拠点である「南原コネクション」に狙いを定めます。どれほど優秀なロボットでも、整備や補給なしでは戦えないのです。ジャネラの作戦は成功し、コン・バトラーの左足「バトルフラクト」に仕掛けられた爆弾によって、いつも力強くそびえ立っていた南原コネクションは、あっさりと破壊されてしまいました。

 しかしコン・バトラーの指揮を執る「四谷博士」は用意周到なことに、あらかじめ地下にサブコネクションを用意しており、すぐに破壊された左バトルクラフトの修理に取り掛かります。

 首尾よく南原コネクションを爆破したジャネラでしたが、彼女もまた危地に陥っていました。キャンベル星で、政治犯として囚われていた平和主義者たちによって反乱が起き、侵略者としての立場が揺らいでいたのです。勝利は目前と考えていたジャネラは「地球から引き揚げろ」という本国の命令に従わず、独断での侵略継続を決意します。

 ジャネラは自ら大型母艦「セント・マグマ」に搭乗し、マグマ獣「インドラ」「アシュラ」「マスバラ」を引き連れてコン・バトラーを倒しに向かいました。コン・バトラーの修理を終えた「葵 豹馬」たちコン・バトラー隊も出撃し、最終決戦が始まります。

 豹馬は先手必勝とばかり、マグマ獣の猛攻を交わして真っ先にセント・マグマを狙いました。しかし必殺の超電磁スピンを跳ね返されたコン・バトラーはマグマ獣に捕らわれ、大きなダメージを受けてしまいます。

 かろうじて危機を脱したコン・バトラーはマグマ獣へ反撃を開始しましたが、3体のマグマ獣は合体し、巨大マグマ獣となって襲い掛かってきたのです。

■力尽きたコン・バトラーV

超合金50周年記念バージョン。「GX-50SP コン・バトラーV CHOGOKIN 50th ver.」(BANDAI SPIRITS) (C)東映

 圧倒的なパワーと武装を持つ巨大マグマ獣にコン・バトラーは圧倒され、捕えられてしまいます。電撃に加え至近距離からのミサイル乱射とふたつの巨大電動ノコギリによって痛めつけられたコン・バトラーは装甲を破られてしまい、回転する刃は「南原ちずる」の目前にまで迫りました。

 絶体絶命の窮地に陥ったコン・バトラーですが、豹馬は肉を切らせて骨を切ると決断し、なんとその状況から前進を試みます。あえてツッコませていただきますが、ちずるさんが死にますよね、それ? まあ、生きているわけですが。

 反撃に転じたコン・バトラーは「ビッグブラスト」「バトルチェーンソー」「ツインランサー」「Vレーザー」といった武器や技を同時に繰り出し巨大マグマ獣に大打撃を与えます。敵がひるんだと見た豹馬は「グランライトウェーブ」を発射、「グランダッシャー」を繰り出し、巨大マグマ獣を撃破したのです。

 しかしひと息つく暇もなくセント・マグマの攻撃を受けたコン・バトラーは再び大きなダメージを負ってしまいます。追い詰められたコン・バトラーでしたが、ここでなんとサブコネクションが空を飛んで来て、窮地を救いました。

 最早エネルギーも残り少ないコン・バトラーは、サブコネクションにつかまってスピードを付け、最後の「超電磁スピン」を放ち、セント・マグマの撃破に成功します。

 勝利を確信した豹馬たちでしたが、ジャネラは敗北した場合に備え、地球の中心で炸裂する核融合弾「アースボム」を用意していました。発進したアースボムを止める力は、もうコン・バトラーには残っていませんでした。「やれることはやった」とすべてを諦め、豹馬は仲間との最後の時間を過ごそうとします、ところがそこへ、突如として空からキャンベル星の使者「デウス」が現れ、アースボムを消し去り地球は救われました。

 このように、絶対的な力を持つものが表れ物語を収束させる手法を、古代ギリシア演劇の時代より「デウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)」といい、しばしばネガティブな意味で使われます。使者の名前に垣間見えるように、制作陣もそのあたりは承知のうえで、こうしているのでしょう。

 主人公たちが力を尽くしてもなお敗れるという展開はありだとは思いますが、解決法が「空から救世主が現れた」で良かったのか、その点には疑問が残ります。当時、子供心にいまひとつ納得できなかった方もいるのではないでしょうか。

(早川清一朗)

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