脚本家の名前見てビックリ? とんでもない描写が連続する「R指定」マンガ実写化映画
マグミクス / 2024年9月24日 20時25分
■野木亜紀子さんが脚本を手がけたゾンビパニックホラー映画
過激な流血表現や性愛描写がある映画は、いわゆる「R指定」によって年齢制限を設けられることになります。マンガの実写化作品の場合には、原作にあったハードな描写がカットされたり、マイルドな表現に変更されたりすることも珍しくありません。
ですがそのような風潮のなかで「R指定」に区分されることを恐れず、原作の過激さをバッチリと再現しようとした実写化作品も存在します。
たとえばここ最近話題になっているのが、2024年8月23日に公開された映画『サユリ』です。『ミスミソウ』などを代表作に持つ押切蓮介先生の同名マンガを実写化した作品で、「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」シリーズや『貞子vs伽椰子』などのホラー作品ででおなじみの、白石晃士さんが監督を務めています。
おおまかなあらすじは、夢のマイホームを手に入れた主人公一家が、家に棲みついた少女の霊「サユリ」の怨念によって次々と悲劇に見舞われるというものです。劇中には登場人物が自分の首に包丁を突き刺すシーンや、バールで容赦なく頭を殴られるシーンなど、原作以上のハードな殺傷表現が目白押しでした。特に原作とは違う家の構造を使った、「上から」の場面は驚いた方も多いのではないでしょうか。
とはいえ『サユリ』は、原作同様たんにグロテスクで怖い作品というわけではなく、中盤から誰も予想できない方向へと突き進んでいく、エンタメ性抜群の展開が見どころです。映画のレビューサイトでも軒並み高評価を記録し、実際に作品を観た人からも「生きる元気が出る映画」「今年最強のホラーエンタメ」「こんなに楽しいホラー映画を観たのは初めて!」などと好評の声が相次いでいました。
原作のグロテスクな描写をしっかり再現してみせたという意味では、花沢健吾先生の同名マンガを実写化した映画『アイアムアヒーロー』も負けていません。生きる屍(しかばね)となった感染者たち、通称「ZQN(ゾキュン)」が大量発生した日本を舞台とするパニックホラーで、主人公の「鈴木英雄」役を俳優の大泉洋さんが務めています。
同作はいわゆる「ゾンビもの」のため、日常が崩壊する物語序盤から流血シーンと人体破損描写のオンパレードでした。特にクライマックスの戦闘での銃撃シーンに関しては、もはやZQNの頭部が延々と弾け飛ぶスプラッター祭りと化しています。
また、特殊メイク、特殊造形統括の藤原カクセイさんのスキルが遺憾なく発揮され、シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀特殊効果賞を受賞したZQNのビジュアルもかなりおどろおどろしく、ネット上には「ZQN怖すぎ」「高跳びZQNはマジでトラウマ」などの声が数多く見受けられました。
ちなみに映画『アイアムアヒーロー』の脚本を手がけたのは、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』や『アンナチュラル』などを代表作に持つヒットメーカーの脚本家、野木亜紀子さんです。彼女が脚本を手掛けた映画『ラストマイル』が大ヒットを記録している今、あらためて『アイアムアヒーロー』を見直してみるのも面白いかもしれません。
そのほか、丸尾末広先生の過激でタブーな描写も多い名作マンガを実写化した映画『少女椿』も、R指定に区分された作品のひとつです。同作は実写とアニメーションを混ぜ合わせた独特な表現と、過激な世界観が持ち味で、主人公の「みどり(演:中村里砂)」が母親の死をきっかけに、サーカス団「赤猫座」へ入団するところから物語が展開されていきます。
劇中で描かれるのは先輩団員からいじめられる過酷な日々と、「赤猫座」の乱れた夜の営みでした。特に後者に関しては、人数も性別も関係なく入り乱れて、眼球を舐めるシーンまで登場し、「刺激の強い性愛描写が見られる」との理由から「R15+」に指定されました。
また物語終盤に起こる「ワンダー正光(演:風間俊介)」の暴走シーンにも、過激な描写が含まれています。観客から「化け物」呼ばわりされ、激怒したワンダー正光は、自身が得意とする幻術を使って、その場にいた観客全員を混乱に陥れるのです。ある者は身体の部位が膨張し、ある者は顔全体にブツブツができ、そこから膿がプシュッと吹き出します。その光景はまさに地獄絵図で、特に集合体恐怖症の人は注意したほうがいいでしょう。
(ハララ書房)
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