漫画『好きな子がめがねを忘れた』不意打ちでドキドキさせるラブコメが甘酸っぱすぎる

■好きな子を助けるつもりが…胸キュンで日々返り討ちに

『好きな子がめがねを忘れた』は、月刊マンガ誌「ガンガンJOKER」で連載中のラブコメマンガで、Twitterでも人気を集め、たびたび重版のかかる人気作です。現在4巻まで発売中で、「全編身悶えしながら読んだ」「こういう感情を『尊い』というのか」と話題になっています。

　14歳の男子中学生・小村くんは、隣の席の三重さんに片思い中。三重さんはちょっと不思議なめがね女子で、めがねを忘れると鞄の中身すら見えなくなるなど、かなり危なっかしい子。そんな三重さんを何とかフォローしようと頑張る小村くんですが、毎回不意打ちでキュンとさせられて……？

　小村くんの中学生らしいドギマギ感がリアルに描かれ、彼の純粋な反応は読んでいる側が思わず恥ずかしくなってしまうほど。めがねを忘れた三重さんに話しかけたいのにできなかったり、三重さんに話しかけられて変な声を出してしまったり……。席をくっつけて三重さんに教科書を貸すシーンや、授業中寝ぼけて三重さんがもたれかかってくるシーンなど、「こういうこと、あった！」「いや、それはないでしょ……」と、自分の中学生時代を振り返りつつ楽しく読めます。

　どこか不思議な三重さんの可愛さにも注目です。靴箱が見えず、間違えて小村くんの靴を履いてしまったり、給食当番でシチューをこぼれるほどよそってしまったり。その一方で、「小村くんの顔、忘れないようにしたいなって」と急に顔を近づけてきたり、「お礼に」と小村くんのシチューにお肉をたくさん入れようとしたりと、「好き」一歩手前の好意を不意に見せてきます。

　また、「すごく目つきが悪くなる」「人の顔が分からなくなる」といった「めがねを忘れた日あるある」が随所にはさまれているのも、めがねをかけている方にとっては共感できるポイントではないでしょうか。

　学校での「めがねを忘れたエピソード」ばかりかと思いきや、「めがねをかけているのに目つきが悪い回」や「三重さんに『めがねを忘れた』と休日に呼び出される回」も。1巻の巻末には、ふたりが8歳だったころの描き下ろしエピソードも収録されています。

　天然小悪魔な三重さんと、ほぼ毎ページと言っていいほど三重さんにキュンキュンさせられる小村くん。高頻度で胸キュンを味わいつつ、コメディとしてもさくっと読める作品です。ふたりの恋の行方は、ぜひ雑誌やコミックスで見届けてください。

（新美友那）