ラスボス倒さず完結ってホント? アニメ『犬夜叉』賛否両論だった最終回
マグミクス / 2024年10月2日 7時35分
■「え、これで終わり?」奈落を倒さずに迎えた最終回
高橋留美子先生の名作マンガ『らんま1/2』が完全新作として再アニメ化されます。来期10月クールより放送開始となるため、SNS上ではファンの期待の声が多く上がっています。しかし、そのなかには「原作通りになるのか?」という不安の声もあがっていました。その理由は、現代のコンプライアンスに合わない表現があまりにも多いことがあげられます。
※この記事には『犬夜叉』の重要な内容を含みます。ネタバレにご注意下さい。
別の理由ですが、同じく高橋先生が手掛ける『犬夜叉』のアニメでも原作とは違った展開を見せて、視聴者の評価が賛否両論となったこともありました。
『犬夜叉』は、高橋先生が「週刊少年サンデー」(小学館)にて1996年から2008年まで連載されていた、妖怪が跋扈(ばっこ)する戦国時代と現代を舞台に繰り広げられるファンタジー活劇です。それに加え、登場人物それぞれの人間関係、恋愛模様が繊細に描かれ人気を博し、2000年にTVアニメがスタートしました。
しかし、マンガ連載中でのアニメ化だったため、展開が原作に追いついてしまい、話を引き延ばすためにアニメオリジナル回が頻繁に挿入されていたようです。
アニオリでは、原作ではあまり出番のないキャラクターが活躍していたり、「犬夜叉」と「桔梗」の過去を丁寧に描いていたりとファンのツボを押さえる回もありましたが、それ以外の部分に関しては圧倒的にギャグ回が多く、当時は「キャラ崩壊させるのはやめてほしい」という声があがりました。
「中途半端なところで終わらせないでほしかった」との意見も上がるアニメは、どのような結末を迎えたのでしょうか?
大妖怪のひとり「岳山人(がくさんじん)」が、子供の行者による謎の光によって殺されてしまいます。それに「奈落」が関わっていると感じた犬夜叉たちは、行者のあとを着けることになりました。やがてたどり着いた東の霊山のある寺にて、異形の男「御霊丸(ごりょうまる)」と出会います。
奈落の名を出してカマを掛けるも、御霊丸の反応はなく、さらに、そこへ「神楽」が攻め込んできました。奈落の手下である神楽が襲ってくるということは、御霊丸は奈落の一味ではないと犬夜叉は推測しますが……。
このときの神楽は奈落からの離反を望んでいました。しかし、彼女の心臓は奈落の手中にあり命を握られている状態であるため、密かに犬夜叉や殺生丸の手助けをして奈落を倒してもらおうとしています。
神楽の案内で「鬼の岩」へと向かった犬夜叉たちは、内部で奈落と「白童子」と相まみえます。「四魂(宝玉)のかけら」で強化され復活した鬼の岩の体内で溶かされそうになりますが、犬夜叉は同じく「四魂のかけら」を使って自らの武器を強くし、鬼を体内から砕こうとします。
そのせいで「かけら」がけがれ、犬夜叉は邪気に負けて妖怪に変化しかけます。それに気付いた「かごめ」は彼に抱きつき「負けないで……」と訴えました。そのかいあってか、けがれが消え、犬夜叉も元の半妖の姿に戻ります。脱出に成功したかごめは「犬夜叉のそばにいられてよかった」と言い、犬夜叉も「お前がそばにいてくれてよかった」と返して、エンディングを迎えました。
最終的には、本来の目的だった「奈落を倒す」ことをせずに最終回を迎えたのです。原作を知っていても知らなかったとしても、当時は「え、これで終わり?」となった視聴者が多かったようです。
■原作通りの最終回も でもその代わりに?
アニメ『犬夜叉 完結編』キービジュアル (C)高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2009
しかし、安心してください。その後、アニメ『犬夜叉 完結編』として原作通りの最終回も放送されました。
奈落を倒し、四魂の玉も消滅した後、かごめは現代に強制的に送り返され、骨喰いの井戸は閉ざされます。かごめは現代で高校生活を過ごし卒業するも、犬夜叉に思いを馳せる日々を送っていました。そんななか、再び一度だけ骨喰いの井戸が開きます。その匂いにいち早く気付いた犬夜叉が井戸のなかに手を差し出すと、かごめがギュッと握り、奇跡の再会を果たすのでした。
この『完結編』では、なんと全26話という限られた話数にて制作されたため、多数の名シーンがカットされてしまいました。また一部地方のみの放送だったため、その一部から外れてしまった地域に住むファンの悲しみも大きかったようでした。
実は1989年から1992年にかけて放送されていたアニメ『らんま1/2』も、『犬夜叉』同様に原作連載に追いついてしまったため、アニメオリジナル展開で最終回を迎えています。今回は原作通りに描かれるのか、はたまた、冒頭で述べたようにコンプライアンスに配慮した表現、展開へと変わってしまうのか? いろいろな意味で、10月の放送開始が楽しみですね。
(米田果織)
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