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カツオも殺人未遂を? 大人たち憤慨の昭和「攻めすぎ」アニメ

マグミクス / 2024年10月1日 21時55分

カツオも殺人未遂を? 大人たち憤慨の昭和「攻めすぎ」アニメ

■普通に人が死ぬギャグアニメ

 今でこそコンプライアンスに厳しい世の中ですが、昭和の時代にはかなりきわどいアニメが放送されていました。当時リアルタイムで見ていた人でも、今改めて見てみると「え、こんなの放送してたの?」と衝撃を受けるかもしれません。

 たとえば有名な作品でいえば、『まいっちんぐマチコ先生』がいい例ではないでしょうか。同作は私立中学校の女性教師「麻衣マチコ」を主人公にした学園コメディで、いたずら好きな生徒たちと少々エッチなスキンシップをとりながら、ドタバタ劇を繰り広げていきます。

 ボディタッチやスカートめくりなど、今なら確実に問題になりそうな場面がこれでもかというくらいに盛り込まれているほか、そもそもオープニングからして下着やバストトップが丸見えでした。

 現代でも、お色気描写をウリにしたアニメ作品は数多く存在しますが、中学生がハプニングではなく主体的にエッチないたずらをしかけ、そのいたずらを受けるのが教師……という設定のアニメは、令和ではもう放送できないのではないでしょうか。もちろん、当時もPTAなどから苦情が多数出ていたことは有名です。

 そのほか、赤塚不二夫先生の最高傑作『天才バカボン』も、今ではありえないようなエピソードが満載でした。もともと原作マンガはかなりブラックジョークが多く、「バカボンパパ」のせいで人が死ぬことも少なくありません。同作はこれまで何度もTVアニメ化されていますが、そのなかでも1975年に放送された『元祖天才バカボン』は、原作のブラックな内容を色濃く受け継いでいます。

 特に「ショートギャグ」シリーズのひとつとして収録された「かわった友だち」は、あまりにもブラックなオチとして有名です。バカボンパパと30年もの付き合いがありながら一度も顔を見せたことがないという友人の話で、パパは彼の家を訪れてなんとかして顔を見ようとするものの、友達もその妻と子供も手が出てくるのみで、なかなか姿を見ることができません。

 そして、バカボンパパのせいで火事が起き、友人一家は顔を見られたくないと逃げずに焼け死んでしまいます。さらに、焼け跡からは腕の骨3本しか見つからなかった、という後味の悪いオチでした。

 ほかにもバカボンたちが「ウナギイヌ」のカラダを食べたり、バカボンパパのせいでセールスマンが凍死してしまったり、第1話冒頭ではネコをボール代わりに蹴飛ばして遊んでいたりと、過激な場面を挙げるとキリがありません。果たして、本当にこれでいい……のでしょうか。

 そのほか国民的知名度を誇るギネス記録の長寿アニメ『サザエさん』も、初期の頃は過激な描写がたくさんありました。1969年に放送された記念すべき第1話のエピソード「75点の天才!」では、「カツオ」が危うく「ハマコおばさん」というキャラを絞殺しかけるシーンまで登場します。

 ワカメを捕まえようとしたカツオがアイロンの電気コードを投げ縄のようにして投げたところ、玄関前にいたハマコおばさんの首にすっぽりとはまってしまうのです。しかもカツオがそのままコードをグイグイ引っ張ったことで、ハマコおばさんの顔は真っ赤になり、あわや大惨事になるところでした。

 ほかにもサザエさんが木製バットでカツオを叩く、磯野家を訪れた押し売り業者がワカメに包丁を突きつけるなど、後に国民的アニメといわれるようになるとは思えない描写が満載です。ちなみにここまでの話はすべて第1回放送のエピソードに登場するシーンで、いかに初期の『サザエさん』がバイオレンスに満ちていたかがうかがい知れるでしょう。

(ハララ書房)

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