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ファミコンの限界に挑んだ「お色気サービス」シーン 「湯上がり姿がたまらん!]

マグミクス / 2024年10月6日 19時35分

ファミコンの限界に挑んだ「お色気サービス」シーン 「湯上がり姿がたまらん!]

■特殊チップで表現した、限界突破のセクシーショット

 いまでは実写と見間違えるほどリアルな映像を、ゲームで楽しめる時代になりました。迫力満点の戦闘シーンから麗しい女性のセクシーな色気まで、臨場感たっぷりの描写で、その臨場感は増すばかりです。

 しかし、かつてのゲーム表現が単純に劣っているのかといえば、その結論は短絡的と言わざるをえません。例えば、コンピューターゲームの黎明期を支えたファミコンを振り返っても、当時の限界に挑戦した表現や、プレイヤーの想像力を巧みに刺激したシーンなど、いまでも一見の価値がある描写はいくらでも挙げられます。

 例えば、ファミコンでも果敢に「セクシー表現」に挑んだ作品がいくつもあります。その中でも印象的な3本の作品を取り上げ、ファミコンで挑んだ限界突破級のセクシーな場面を紐解きます。

●ファミコンの限界超え! その全てが美しい

 グラフィック表現に挑んだファミコンソフトといえば、『メタルスレイダーグローリー』を外すわけにいきません。若年層のゲームファンにとって、「ファミコン=ドット絵」という印象が強いかと思いますが、本作はファミコンの性能を超える緻密なCG描写を全編にわたって展開しました。

「ファミコンの性能を超えた」というのは、誇張や比喩表現ではありません。ファミコンの一般的なゲームカートリッジは「MMC3」と呼ばれる基板を使っていましたが、本作ではより高い性能を持つ「MMC5」を採用しています。そのため機器的な面だけ見ても、一般的なファミコンソフトの限界を超えたものになっているのです。

 しかし、機器はあくまで土台にしか過ぎません。その性能を十分に生かす精密な描写は、経験とセンス、そして多大な労力に支えられた成果です。立ち絵や背景、イベントシーンなど、ファミコンレベルとは思えない素晴らしいグラフィックの数々は、ゲーム開始直後からエンディングまで、一瞬も途切れることなく続きます。

 そのため、セクシーな展開を迎えるシチュエーションも、卓越したグラフィックで表現しています。航行中の宇宙船が衝撃を受けた際、ガールフレンドである「エリナ」の無事を確かめるため部屋に訪れると、なんと彼女はシャワーの真っ最中。近未来な世界観のおかげ(?)で、締め切られているドアも透過率が高く、ほとんど透けて見えます。

 そこで主人公が声をかけると、エリナが顔だけ出す新たなカットシーンが挿入され、ドキドキの場面はさらに続きます。まだ身体を拭いておらず、髪からお湯がしたたり落ちるなど、細かい部分まで描かれているのも印象的です。

 また、仕切り直して再び部屋に入ると、今度はシャワーを終えたエリナがバスタイルを巻いた姿で登場します。髪にもタオルが結われており、シャワー中とはまた異なる趣きのセクシーさです。

 この後も物語はまだ続き、一転して緊迫感のある展開に移りますが、服を着る暇がなかったエリナはずっとこのまま。しかもひとつの立ち絵を使い回すのではなく、シーンごとに姿勢や立ち位置の異なるバスタオル姿を披露するなど、こだわりが過ぎる描写に脱帽するばかりです。

 全編を美麗なグラフィックで描いたため、セクシーな場面もその恩恵を受けた好例といえるでしょう。

■想像力も刺激したファミコンソフトのセクシーさ

『ドラクエ3』の「ぱふぱふ」に、想像の翼を広げたプレイヤーも多かった。(C) 1988 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

●2分間待った者だけが、このセクシーを拝むがいい

 ファミコン時代のセクシー表現と聞いて、『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』を思い出す人も少なくないでしょう。本作は、『ドラゴンクエスト』などで知られる堀井雄二氏が手がけたアドベンチャーゲームのひとつで、元々はPC向けにリリースされていたもの。後年、そのファミコン版が登場し、好評を博しました。

 ゲームとしての魅力や完成度は改めて語る必要もないほどですが、セクシー表現へのチャレンジも意欲的な作品でした。しかも、プレイヤーの心をつかみ、そして翻弄する演出も見事というほかありません。

 肝心なセクシーシーンは、登場人物のひとり「中山めぐみ」と温泉場で再会する場面に潜んでいます。本作はコマンドを選んで捜査を進めるアドベンチャーで、この時もさまざまなコマンド入力が可能です。そのなかには、「なにか とれ」→「めぐみのバスタオル」といった大胆過ぎるコマンドも存在します。

 ただしコマンドを実行するだけでは、セクシーな出来事は訪れません。そのため期待が空振りに終わり、ここで諦めたプレイヤーも多くいました。しかし、コマンド入力した後に放置し、2分間待ち続けると、バスタオルを外した中山めぐみの姿が表示されるのです。

 さすがに正面ではなく、背中を向けて顔だけ振り向くポーズに変わりますが、下に水着を着ていたというオチなどはなく、滑らかな曲線美を惜しげもなく披露しています。

 描き込みの細かさという点では、『メタルスレイダーグローリー』に軍配が上がります。しかし、バスタオルやドア越しというクッションをいっさい挟まずに素肌を直接さらし、わずかに横乳も見せる描写は、「表現」という意味で限界ぎりぎりに迫っていました。

●ビジュアルを超えたセクシーさを「想像」させた作品も

『メタルスレイダーグローリー』は秀逸なグラフィックで、『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』は表現の限界に挑戦し、それぞれのセクシーさを描写しました。こうした切り口とは全く違うアプローチで「セクシー」に迫ったのが、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』です。

「ドラクエ」シリーズは、一部の装備品に刺激的なものが混じっていたり、お色気を感じさせる展開があったりと、意外とセクシーな要素との関わりが深い作品です。その代表格ともいえるのが「ぱふぱふ」の存在で、ファミコン時代は『ドラクエ3』の「ぱふぱふ」が特に印象的でした。

『ドラクエ3』のアッサラームに、この「ぱふぱふ」を体験できる場所があります。しかも時間が限られており、夜だけしか開いていません。夜のぱふぱふという背徳感あふれる響きに、プレイヤーの想像は大いに膨らみます。

 時間帯さえ守れば、「ぱふぱふ」との出会いは簡単です。街にいる女性に声をかけると「ねえ ぱふぱふ しましょっ」と言われ、あとは「はい/いいえ」を選ぶのみ。ここで頷けば、ぱふぱふを受けられる部屋へと導かれます。

 ベッドに座る女性に促されて隣に座り、そして明かりが消されると、部屋には「ぱふぱふ ぱふぱふ」という音が響き渡るばかり。その刺激を受けたキャラクターは、「き きもちいい……」と、思わず言葉を漏らすほどです。

 ただし、夢見心地でいられたのはここまで。この「ぱふぱふ」を行ったのは、声をかけた女性の父親だったことが判明します。しかも、肩こりに効くという効用から察すると、単なるマッサージだった模様です。

 その結果だけ見ると、「ぱふぱふ」にセクシーな事実はほぼありません。しかし、女性に声をかけ、妖しげな雰囲気で導かれ、明かりが消えるまでの間、プレイヤーの頭のなかは自由自在にセクシーな想像が膨らんだことでしょう。

 その想像は、ファミコンでは到底再現できないほど、豊かで雄弁な描写だったはず。それをプレイヤーの脳裏に浮かび上がらせた『ドラクエ3』の表現力は、見事というほかありません。

(臥待)

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