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なぜクザンは黒ひげ海賊団に? 『ワンピ』ファンが望む「SWORD」説はありえるのか

マグミクス / 2024年10月6日 11時40分

なぜクザンは黒ひげ海賊団に? 『ワンピ』ファンが望む「SWORD」説はありえるのか

■クザンは本心で海賊になったのか?

 2024年10月6日(日)に放送のアニメ『ONE PIECE』では、海軍中将「モンキー・D・ガープ」と元海軍大将「クザン(青雉)」の師弟対決が展開されました。その昔はガープの弟子であり、現在は「黒ひげ海賊団」の一員であるクザンとの一戦は、ネット上でも注目を集めていましたが、そもそも彼はなぜ海軍を裏切ったのでしょうか。

※『ONE PIECE』アニメ未放送の内容にも触れています。ネタバレにご注意ください。

 クザンといえば、かつて海軍大将として「麦わらの一味」の前に立ちはだかり、「ヒエヒエの実」の能力でルフィたちを一蹴した作中屈指の実力者です。一方で海軍の正義を絶対視せず、組織の規律を犯してまで自身の正義を貫く、旧海軍三大将のなかで最も人間味あふれる人物でした。

 しかし、彼は旧三大将のひとりである「サカズキ(赤犬)」との決闘に敗れ、海軍を去ってしまうのです。その後、酒場で出会った「マーシャル・D・ティーチ(黒ひげ)」と意気投合し、現在に至ります。

 そして、アニメでも描かれたように、ガープの愛弟子「コビー」が黒ひげ海賊団に捕らえられたことで、海賊島「ハチノス」において海軍vs海賊の戦いが勃発しました。そのなかで黒ひげ海賊団の幹部となったクザンと、古巣である海軍が相まみえる展開が訪れています。

 なぜ三大将の一角から海賊へと転身したのか、そしてなぜよりにもよって黒ひげ海賊団に入ったのか、クザンの真意はいまだ明らかになっていません。しかし、かつてクザンは「パンクハザード」で、「海軍に所属しなくても実行できる事はある」と語っていました。

 さらに、「スモーカー」から「まさか“闇”に通じてる訳じゃねェだろうな」と問われた際に「おれはおれよ…」と返していることから、今なおクザンは自身の正義を貫き、何らかの目的で行動している可能性が考えられます。

 こうした背景を踏まえて、ファンの間でささやかれているのが「クザンはSWORD(ソード)」説です。SWORDは海軍の特殊部隊で、海軍に仕えながらも辞表提出済みの海兵たちのことを指します。海軍の命令を無視して己の判断で動くことができ、コビーや「X・ドレーク」らも属している組織です。ドレークが表向きには海賊として活動しているように、クザンもまた海賊として振る舞いながらも、心は海軍側にある可能性を捨てきれません。

 そもそも「ハチノス」での戦いには、不自然な点が多々ありました。まず、コビーがハチノスでクザンに無関心だったことです。もう2年以上海軍にいるコビーは、当然ながらクザンが元海軍大将であったことを知っています。

 それが海賊に寝返ったとあれば、何かしらリアクションがあってもよさそうですが、コビーは無反応でした。それは彼が同じSWORDとして、黒ひげ側にクザンがいる事情を知っていたからなのかもしれません。

 さらにガープたちが攻めてきたとき、ハチノスには10人いる黒ひげ海賊団の「船長」たちのうち4人しかいませんでした。島が手薄である情報を誰かが外部に流した可能性があり、ここでもクザンがスパイとして立ち回ったとも考えられます。

 そして何よりクザンがガープとの衝突において、とどめをささなかったことがSWORD説に信憑性を持たせています。海賊として立ち回るなら、ガープを倒したほうがメリットとしては大きいはずです。しかし実際は凍らせただけで、人質にしているのはガープを守るためとも考えられるでしょう。

 かつて「ニコ・ロビン」の故郷「オハラ」が海軍による「バスターコール」で滅ぼされた際、クザンはロビンを守ろうと対峙した友人の海軍中将「ハグワール・D・サウロ」を凍らせて殺したかに見えましたが、その後サウロは生きていたことが判明しました。ガープも同じように、「冷凍保存」して助けたのかもしれません。

 一方でクザンはコビーの前で、黒ひげに対して懇切丁寧にSWORDの説明をしていました。自分がSWORDではないからあけすけな説明ができるのか、あえて油断させるために自ら説明をしたのか、謎は深まるばかりです。

 はたしてクザンの正義はどこにあるのでしょうか。今後の動向に目が離せません。

(ハララ書房)

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