「これは原作超えてないっすか」 マンガ実写化の「敵役」が絶賛された女優

■喋り方まで完璧な「また子」

　マンガやアニメの実写化作品において原作ファンが重要視するポイントといえば、キャスティングや登場人物の再現度などがあげられます。キャスティングについてSNSで話題になることもしばしばあり、なかには悪役、敵キャラを演じた女優が、原作イメージにぴったりだったと好評の作品もありました。

●『銀魂』来島また子（演：菜々緒）

「週刊少年ジャンプ」（集英社）の人気マンガ『銀魂』（作：空知英秋）は、2017年と2018年の2度にわたって実写映画化されています。個性豊かなキャラが多数登場するこの作品では、主人公「銀さん」こと「坂田銀時」を演じた小栗旬さんや、「志村新八」役を演じた菅田将暉さんなど、豪華キャストが揃い、その再現度の高さが多くのファンから評価されました。

　なかでも、1作目で「来島また子」を演じた菜々緒さんについては、「クオリティが高すぎる」との声があがっています。また子は銀時たちが敵対する組織「鬼兵隊」の一員で、そのトップである「高杉晋助（演：堂本剛）」を慕う人物です。

　原作のまた子はヘソ出しの和服を着ており、話すときの語尾に「○○ッス」とつけるのが特徴で露出度が高いゆえに、実写化に際しては不安の声もありましたが、菜々緒さんはその抜群のスタイルで、原作と同じ衣装を完璧に着こなしていました。さらに、声のトーンや特徴的な語尾なども、忠実に再現されています。

　公開後「銀魂女子で一番好きなのはまた子ちゃんなので、実写が菜々緒様で神が降臨したと思った」「来島また子のそっくりさに衝撃を受けた。アニメの口調に寄せてるし、スタイルもまんまだった」「正直原作よりかわいい気がする」と、再現度高い『銀魂』キャストのなかでも特に話題になったのは言うまでもありません。

●『美食探偵 明智五郎』主婦／マグダラのマリア（演：小池栄子）

　美食家で主人公の「明智五郎（演：中村倫也）」が、さまざまな事件を解決していくマンガ『美食探偵 明智五郎』（作：東村アキコ）は、2020年に日本テレビ系の日曜ドラマとして実写ドラマ化されました。

　本作の最大の悪役「マグダラのマリア」を演じたのは、数々の人気作に出演してきた小池栄子さんです。原作のマリアは、明智に陶酔し「彼に会いたい」という衝動から殺人に手を貸したり、自ら手を下したりするサイコパスなキャラでした。

　小池さんはそのマリアを、原作イメージ通り見事に演じ切っています。物語の序盤では地味で大人しい主婦だったマリアが、中盤にかけて妖艶な雰囲気を漂わせる殺人鬼へと変貌を遂げる姿が描かれており、小池さんの演技力に見入ってしまいました。

　特に第6話で、自分の命の危険を顧みずに明智を助けようと火のなかに飛び込み、彼にキスをする狂気的なシーンは「ハマり役すぎる」と高く評価されています。

■実写オリジナルキャラでも大人気？

美人なのに、食事シーンの衝撃も話題！画像はドラマ『闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん』キービジュアル　(C)2022 真鍋昌平・山崎童々・小学館／ドラマ「闇金サイハラさん」製作委員会・MBS

●『闇金ウシジマくん』犀原茜（さいはらあかね／演：高橋メアリージュン）

　法外な金利で金貸しをする闇金融業者と、債務者たちの人間模様や社会の闇を描いた人気マンガ『闇金ウシジマくん』（作：真鍋昌平）は、ドラマはシーズン3まで、映画は4作目まで制作されています。

　実写版では、さまざまなキャラの設定が原作から変更されていました。そのひとりが主人公「丑嶋馨（うしじまかおる／演：山田孝之）」の天敵である「滑皮秀信」で、実写版では「犀原茜」という女性のオリジナルキャラとして、高橋メアリージュンさんが演じています。

　犀原は丑嶋を敵視する闇金融「ライノー・ローン」の経営者で、食べ方が汚いところやヤクザの幹部「熊倉義道（演：光石研）」との交流を持つなど、滑皮の設定を一部引き継いでいました。彼女は舎弟に対していっさい容赦しない暴力的で恐ろしいオリジナルキャラですが、美しい外見や部下にプレゼントを渡す優しさも持ち合わせており、そのギャップに魅了されるファンも多く、改変されながらも「神采配」との声もあがっています。

　さらに、犀原の人気はとどまることなく、2022年には彼女が主人公となるスピンオフ作品のTVドラマ『闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん』が放送され、話題となりました。本作では、ヤクザから理不尽な要求を受けつつも、裏社会を生き抜く犀原の姿が描かれています。

（LUIS FIELD）