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「ファンタジーが足りん」「不憫すぎ」… 世知辛い“魔法少女もの”の24秋アニメ

マグミクス / 2024年10月9日 12時10分

「ファンタジーが足りん」「不憫すぎ」… 世知辛い“魔法少女もの”の24秋アニメ

■新入社員も魔法少女も大変だ

 かつての魔法少女といえば「かわいらしい衣装に変身して夢を叶える憧れの存在」だったかもしれません。しかし魔法少女を取り巻く環境は年々過酷になり、命がけで戦う姿もスタンダードになりました。

 2024年秋から放送が始まる魔法少女アニメも、世知辛さを感じる内容が多数見られます。応援したくなる、新作魔法少女アニメを3作品のぞいてみましょう。

 まずは社会人としての魔法少女を描く『株式会社マジルミエ』です。就活に苦労する主人公「桜木カナ(CV:ファイルーズあい)」がようやく入社できたのは、「株式会社マジルミエ」というベンチャー企業です。しかも仕事内容は魔法少女でした。

 作中では魔法少女が怪異退治の職業として認められているのも特徴的で、怪異を回収することを「納品」、魔法を使うことを「業務」と表現しています。現実的な表現や描写のなかに、魔法少女が存在しているギャップが印象的です。

 しかし魔法少女も社会人なので、周囲に迷惑をかけたらお詫びのあいさつをしに行ったり、成果を残せなければ解雇されたりと世知辛い場面もあります。カナは就職活動で失った自信を「マジルミエ」で取り戻せるのか、そしてほかの魔法少女たちはどう働いているのか、ぜひオンエアで確かめてみてください。

 続いては『アクロトリップ』をみてみましょう。魔法少女「ベリーブロッサム(CV:水瀬いのり)」は、主人公である「伊達地図子(CV:伊藤美来)」の街を守るため、悪の組織「フォッサマグナ」の総帥「クロマ(CV:島﨑信長)」と日々戦いをくり広げています。

 しかしバトルはマンネリ化しており、ベリーブロッサムの大ファンである地図子は不満を抱いていました。やがて地図子はクロマと結託し、ベリーブロッサムに本気を出させるための策を考えることになります。ファンの愛が強すぎて苦戦を求められてしまうベリーブロッサム、なかなかに不憫です。

 ちなみにベリーブロッサムは悪の組織と戦っていないときは派手な格好をしたボランティアガールだと思われており、世間からは厳しい視線を向けられていることが伝わってきます。

 最後は『魔法使いになれなかった女の子の話』です。タイトルからも察しが付くように、主人公の「クルミ=ミライ(CV:菱川花菜)」はそもそも魔法を使う資格を得ていません。

 作中ではレットラン魔法学校の国家魔法師養成専門学科、通称「マ組」に進学することが、魔法使いになれる唯一の道です。しかしクルミは受験に失敗し、マ組への進学を逃してしまいます。レットラン魔法学校には入学できたものの、所属は普通科でした。

 魔法使いになるため勉学に励んだもののスタートラインにすら立てなかったクルミには、憧れの存在が間近にありながらも目指すことすらできない、という絶望感が押し寄せます。夢に破れた少女が学校生活のなかで見出す新たな道を、見守ってみてはいかがでしょうか。

 3作品とも魔法少女たちが世知辛い立場に置かれているものの、奮闘する姿に元気をもらえる、という魅力は変わりません。さらにどの作品の魔法少女たちも、新入社員、世間から厳しい目を向けられながらもがんばる女の子、受験に失敗した学生など、共感しやすい側面をもっており、視聴者が感情移入できるシーンが多そうです。ぜひ2024年秋アニメは、魔法少女たちにもご注目ください!

(ハシビロコ)

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