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やっぱり熱い! けど最近減ってない? ロボットアニメの「主役機交代」今昔

マグミクス / 2024年10月14日 21時25分

やっぱり熱い! けど最近減ってない? ロボットアニメの「主役機交代」今昔

■ピンチに颯爽登場、新主役機!

 窮地に立たされた主役機、そこに新たな機体が颯爽と現れる……ロボットアニメにおける「主役機交代」に心躍らせた経験が、アニメファンならあるでしょう。

 主役機の交代といわれて、『マジンガーZ』最終話を思い出すロボットアニメファンもいるのではないでしょうか。マジンガーZが新たに登場した敵「戦闘獣」に破れる絶体絶命のピンチに、「グレートマジンガー」が現れて圧倒的な力を見せる……その一連のシーンはあまりにインパクトが強く、先日(2024年9月)までTOKYO MXで行われた『マジンガーZ』最終話の再放送時もSNSを沸かせていました。

 ただし、これは主役機だけでなく、同時に主役も「兜甲児」から「剣鉄也」に交代し、番組も切り替わるため、本記事で扱う主役機交代とはやや性質が異なります。

●『戦闘メカ ザブングル』

 アニメにおける一般的な主役機交代の元祖は、1982年放送開始の『戦闘メカ ザブングル』といわれており、主人公の「ジロン・アモス」が「ザブングル」から「ウォーカーギャリア」に乗り換えます。

 これ以降、ロボットアニメでは物語中盤で新主役機が登場するのは定番となり、『超時空要塞マクロス』(VF-1J→VF-1S)、『聖戦士ダンバイン』(ダンバイン→ビルバイン)、『重戦機エルガイム』(エルガイム→エルガイムMk-II)などが続きます。富野由悠季監督作の後者2作品や前出の『ザブングル』は、乗り換えによって作品名にある機体と主役機に齟齬が生まれますが、そこをツッコむのは野暮というものでしょう。

●『機動武闘伝Gガンダム』

 その富野由悠季監督がスタートさせた一大ロボットアニメシリーズ「ガンダム」は、主役機交代の宝庫です。そうしたなかでも「熱さ」という意味で代表的なものは、『機動武闘伝Gガンダム』第24話「新たなる輝き!ゴッドガンダム誕生」でしょう。まばゆい朝日を背に傷ついた「シャイニングガンダム」を「ゴッドガンダム」が「お姫様抱っこ」する勇姿は、「ガンダム」に限らずあらゆるロボットアニメでも屈指のかっこ良さです。

 ほかにも「ガンダム」シリーズには、直球で熱い『機動新世紀ガンダムX』や、パイロットこそ主人公ではないものの後継機が悪い意味で大暴れする『新機動戦記ガンダムW』(これらは奇しくも『Gガンダム』と同じ第24話でした)、「何度機体が変わったんだ」といいたくなるほど主役機が交代しまくった『機動戦士ガンダム00』シリーズなど、例を挙げ始めるときりがありません。

 また「ガンダム」シリーズでは、交代された側の機体に主人公以外の味方が搭乗するケースも多数見られるなか、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は変わり種です。同作では主人公の「スレッタ・マーキュリー」が当初、乗っていた「ガンダム・エアリアル」は敵機……どころかラスボス的なポジションになり、旧型機にして後継機の「ガンダム・キャリバーン」と対決することになりました。

■実は近年の作品で「主役機交代」は珍しい…なぜ?

『勇気爆発バーンブレイバーン』より、主役機の「ブレイバーン」 (C)「勇気爆発バーンブレイバーン」製作委員会

 最後に、最近のロボットアニメにおける主役機交代を振り返ってみます。

 しかし近年では意外とこの定番展開が珍しいようで、2024年作品でやたらとパワーアップをした印象がある『勇気爆発バーンブレイバーン』や『大槌超神楽ダイハンマー』も、どちらもいわゆる「グレート合体」(主役機が別のメカと合体することの通称)などをしただけで、乗り換えまではされませんでした。そもそも「ブレイバーン」自体が重要キャラクターであり、「ダイハンマー」は1話分しか尺がないから仕方ないのでしょう。

『グレンダイザーU』は「マジンガーZ」のパワーアップこそあったものの、主役機たる「グレンダイザー」に交代劇はありませんでした。

 となるとやはり「ガンダム」シリーズの独壇場となり、先述した『機動戦士ガンダム 水星の魔女』で、実はシリーズとしてかなり久々の主役機交代でした。また『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』における「マイティーストライクフリーダムガンダム」登場時の鮮烈さや、「インフィニットジャスティスガンダム弐式」の衝撃は、2024年のロボットアニメにおけるハイライトのひとつです。

 このように近年は残念ながら主役機交代は減少傾向、あるいはこれまでと違った形で行われることが多いようです。最近は1作品あたりの放送期間が短く、新主役機をドラマティックに登場させる尺が確保できないため、主人公機をパワーアップで済ませているのかもしれません。

 とはいえやはり主役機交代は熱いもの。特にTVシリーズではそれが目新しくなった今だからこそ、目の覚めるような主役機交代劇に期待したいところです。

(はるのおと)

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