「セガ派」が期待する『ソニック・ザ・ムービー』 打倒「ファミコン派」なるか!?
マグミクス / 2020年4月8日 16時50分
![写真](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_26014_0-small.jpg)
■ハリウッドで映画化された「音速の青いハリネズミ」
1991年、セガから生み出された”超音速”のハリネズミのキャラクター……あの「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」がハリウッド映画『ソニック・ザ・ムービー』として制作され、いよいよ日本公開される運びとなっています。
当初は2020年3月27日(金)に封切りとなる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により、現時点では公開延期となっているのですが、日本語吹き替え版キャストとしてソニック役に人気俳優の中川大志さん、ジム・キャリーが演じるドクター・ロボトニック役に実力派声優の山寺宏一さんが起用され、今後公開されるロードショーとしてはマニアならずとも高い注目を集める作品であることは間違いなさそうです。
今でこそNintendo Switch用ソフトとして発売された『マリオ&ソニックAT東京オリンピック2020』などのソフトで「マリオ」と同列に扱われている「ソニック」ですが、同キャラクターが誕生した90年代では、どちらかというとマイナーでマニアック。知る人ぞ知る存在、というのが実状だったのではないでしょうか?
1985年、”親世代”から言わせると「ファミコン」と同義語といっても過言でない大ヒットソフト、『スーパーマリオ』が発売され、それが社会現象を巻き起こしたのですが、やはりこの時代は「ファミコン派」が大多数。セガユーザーだった筆者(渡辺まこと)のような人は学校のクラスで「変人扱い」されていた記憶があります。もちろん、放課後に「お前んちでマリオやろうぜ」という声は多く聞きましたが、「お前んちで”アレックス・キッドのミラクルワールド(1986年セガ・マークIII用ソフトとして発売)”やろうぜ」という友人は筆者の人望はともかく、皆無だったと思います。
このように80年代から90年代にかけて「家庭用ゲーム機」の世界では”セガVSファミコン”の仁義なき戦いが繰り広げられていたのですが、現在の知名度からもお分かりのとおり「マリオ」に対して「アレックス・キッド・ザ・オサール」は惨敗。当時のセガが「スーパーマリオに負けないキャラクター」として売り出したにも関わらず、世間での認知度はマリオの弟の「ルイージ」どころか敵キャラの「ノコノコ」にも劣るという結果となってしまったことは「セガ派」にとって苦い思い出です。
もちろん、ゲームとしての面白さやグラフィックなど「アレク」が「マリオ」に劣っているとは思いませんが、やはり結果は結果。「打倒ファミコン」を掲げ、1988年にセガは16ビットの家庭用ゲーム機である「メガドライブ」を発売するのですが、その時代の「マリオの対抗馬」として登場したキャラクターが「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」です。
同ソフトの最大の特徴は、「音速のハリネズミ」というソニックの設定とメガドライブの性能を最大限に生かした他に類を見ない「疾走感」です。ゲームとしての完成度はかなりのものだったと記憶しています。基本、横スクロールのシステムは『スーパーマリオブラザーズ』を踏襲したものだったのですが、ソニックの「回転アタック」や画面の要所にある「スプリング」を使ってのプレイヤーの目が追いつかないほどのスピードは実に爽快。『スーパーマリオ』が左から横への一方方向のスクロールだったのに対して、『ソニック』はコースを縦横無尽に戻ることも可能で、コークスクリューやトンネルなどの動きは、かなり激しく楽しいものでした。
ゲーム中に流れるBGMも「DREAMS COME TRUE」で活躍する中村正人さんが担当しているだけに、かなりの完成度の高さです。同ソフトはアメリカを中心に世界中で大ヒットし、映画のキャッチコピーのようにシリーズ全世界累計で9億2000万本の販売を記録しています。まぁ、当時の日本ではセガ・ゲームギアの「『ソニック・ドリフト』やろうぜ」という声は相変わらずなく、友人たちはスーパーファミコン史上最大のヒットソフトとなった『マリオカート』に夢中だったのですが……。
ともかくアクションゲーム本編やスピンオフ作品、ライバルであった「マリオ」とのコラボ作品などとあわせると76ものゲームタイトルとなった「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」。これから公開される映画を機に、「ゲーム界の巨人・マリオ」に挑んだこの愛すべきキャラクターの知名度がさらに上がることを「セガ派」としては祈るばかりです。
(渡辺まこと)
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