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新アニメ『かくしごと』 シュールでかわいい、だけじゃない?気になることが多すぎる

マグミクス / 2020年4月9日 17時50分

新アニメ『かくしごと』 シュールでかわいい、だけじゃない?気になることが多すぎる

■父の迷走+娘のかわいらしい日常+先の展開が気になるOPとED

 久米田康治先生原作のコミック『かくしごと』のアニメが、2020年4月2日(木)にスタートしました。主人公でベテラン漫画家の後藤可久士(ごとう・かくし/CV:神谷浩史)は、代表作『きんたましまし』や連載中の作品『風のタイツ』など、下ネタ系作品で高い人気を誇ります。しかし彼は娘・姫(CV:高橋李依)が生まれたのをきっかけに、ある決意を固めました。「決して愛する姫には、自分が漫画家であることを悟られてはならない」。

 姫が生まれた病院では、看護師全員に自分の作品がばれていたり、姫の担任の先生もまた、彼の大ファンだったり。漫画家にとって喜ばしいはずのシチュエーションなんですが、「自分が描いているのは、ワン◯ースでもアン◯ンマンでもない」。娘への愛が暴走し、けっして彼女に自分の職業を、ましてや下品なマンガを描いていると知られないように奔走します。

 出勤時にはスーツで家を出て、途中で着替えてシャツ+短パンのラフな格好に。新担当の編集者が自分の作品のプリントTシャツを着た時には、もちまえの画力でキャラクターを美少女戦士っぽく偽装する。川に流された猫を助けたって、絶対に名乗るものか。方向性がななめ上の可久士の奮闘が、神谷浩史さんの声にのって生き生きと表現されます。

 そんな彼の迷走をよそに、すくすく元気に育つ姫。この子が本当にかわいいんですよね。友達と渋谷区・目黒区の魔境(?)を探検する話は、子供には理解できない大人の生態をシュールに描いていて、微笑ましいやらハラハラするやらで終始笑ってしまいました。

 ちょっぴり不思議な関係だけど、愛情たっぷりな毎日の後藤一家。ですがOP・EDではどちらも、姫が大きくなった姿が描かれています。『かくしごと』は9歳の頃の姫と可久士が描かれた「現代編」と、姫が18歳になり、可久士の秘密を知った「未来編」の2パートがあるんです。

 現代編とは違う観点や雰囲気で描かれる、未来編の2人。OP・EDの歌詞には、ふたりの展開への大きな含みを感じさせます。原作リスペクトの切ないタッチに加え、まさか大滝詠一さんの『君は天然色』をまた聴くことになるなんて、思いもよりませんでした。CMで何度も聴いたなあ。

 シュールな笑いも、かわいらしさも、のちのちやってくる感動的な展開もある。久米田先生の「単なる漫画家もの作品では終わらせない」という気持ちがあふれるような今後のストーリーを、観るのが待ち遠しいです。

(サトートモロー)

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