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ヒロイン死亡で唖然…『ウルトラマンレオ』視聴者に衝撃を与えたトラウマ展開

マグミクス / 2024年10月19日 8時25分

ヒロイン死亡で唖然…『ウルトラマンレオ』視聴者に衝撃を与えたトラウマ展開

■ 子供たちにトラウマを植え付けた衝撃的な展開

 第二期ウルトラシリーズの最後を飾った『ウルトラマンレオ』。かつては40%台の視聴率を記録した「ウルトラシリーズ」でしたが、本作は一桁台に落ち込むなど人気に陰りが見られ、シリーズ自体、『レオ』をもって打ち切られることとなりました。

 そんな逆境のなかで迎えた最終クールは、子供たちにトラウマを植え付ける衝撃的な展開で幕を開けました。果たして、それはどのような内容だったのでしょうか? なぜそのような展開になったのでしょうか? 当時、番組が置かれていた状況に迫ります。

■苛烈を極める特訓描写が視聴者離れを引き起こした?

 前作『ウルトラマンタロウ』は、ウルトラファミリーを前面に押し出し、その明るい雰囲気と充実した特撮で人気作となりました。ウルトラ兄弟の客演や「ウルトラの国」が大々的に登場するなど、シリーズの集大成ともいえる内容で、一説には本作でシリーズにピリオドを打つはずだったとも言われています。しかし、そこはTV業界。人気があるなら当然「次」となります。そうして始まったのが『ウルトラマンレオ』です。

 本作では故郷を滅ぼされた「ウルトラマンレオ」に変身する主人公「おおとりゲン」と「ウルトラセブン」こと「モロボシ・ダン」の「師弟もの」を主軸に据えるも、いざ放送が始まると、ダンがゲンに課す特訓描写が苛烈を極め、子供たちに忌避されてしまいました。

 以後、「見よ! ウルトラ怪奇シリーズ」(第17~21話)、「日本名作民話シリーズ」(第26~32話)といった強化策が打ち出されたほか、第22話ではレオの弟「アストラ」、第26話では「ウルトラマンキング」と新たなウルトラ戦士を登場させて作品を盛り上げようとするも、残念ながら人気を盛り返すには至りませんでした。

 こうした逆境のなか、最終クールを乗り切るためにさまざまな検討がなされた結果、決まったのがMACを全滅させ、それまでのレギュラー陣もゲンとトオルのみとし、悲しみをさらに掘り下げる展開です。

■次々と死んでいくゲンの近しい人たち

「S.H.Figuarts ウルトラマンレオ」(BANDAI SPIRITS)(C)円谷プロ

 最終クールは「恐怖の円盤生物シリーズ」と銘打たれました。

 その一作目となる第40話「MAC全滅! 円盤は生物だった!」は、「松木晴子」隊員の誕生日を祝うMACステーションに突如として円盤生物「シルバーブルーメ」が襲来する場面から始まります。基地は大混乱に陥り、ダン隊長から脱出命令を受けた隊員たちはマッキー2&3号で脱出を図るも、憐れシルバーブルーメの体内に飲み込まれてしまいます。

 ここに至る一連は窓を破って侵入するシルバーブルーメの触手やどきつい黄色の体液など、非常にグロテスクに描かれています。そしてダンはゲンに後を託して姿を消し、ゲンは変身してからくもその危機を脱したものの、魔の手は間髪入れずに地球へと迫ります。

 折しも都心部ではスポーツセンターの同僚で、淡い恋心を通わせる「山口百子」や、ゲンの弟分の「野村猛」、そしてセンターに通う少女「梅田カオル」の3人が買い物をしていましたが、シルバーブルーメが現れ、押し潰したビルの中で犠牲になってしまいます。

 ここでも地面にカオルが手にしていたトーキング人形が無慈悲に転がり、「お勉強しなくちゃだめじゃない、また先生に叱られるわよ」「私眠くなっちゃった…お兄ちゃん、子守歌を歌って……うふふ……」と声が発せられるなど、悲惨なシチュエーションをさらに浮き彫りにさせる演出がなされました。

 ショッキングな場面はこれに留まりません。続く病院にかけつけたゲンとカオルの兄「トオル」少年が3人の死を目の当たりにする場面もまた痛烈です。壁面には大勢の犠牲者の名前が書かれた紙が張り出されます。そこで猛、百子、カオルの名前を見つけるゲンとトオル。今を生きる我々なら、東日本大震災を想起せずにはいられないでしょう。当時以上に迫真性を増して伝わるはずです。

 ちなみに、ここまで放送が始まって約10分の出来事です。まさに怒涛の展開と言わずにはいられないでしょう。

 そして同話の後半、ウルトラマンレオがシルバーブルーメに戦いを挑む展開は実質、仇討ちであり、雨のなか、戦うシチュエーションが非常に重苦しい雰囲気を生み出しています。

 そんななか、形成逆転したレオがシルバーブルーメの口から臓器を引きずり出す場面では、なんと臓器とともに体液でドロドロになったマッキー2号と3号も一緒に排出されるのが映像から確認することができます。この機体の中に脱出に失敗した松木隊員たちが死んでいるのかと思うと、観ていて、とてもいたたまれない気持ちになります。

 かくしてスタートを切った『レオ』最終クールですが、MACとスポーツセンターという拠り所を失ったゲンとトオルは、この回から看護師の「美山咲子」の家に引き取られることになります。家には大学生の長女「いずみ」、トオルと同い年の次女の「あゆみ」とふたりの姉妹がおり、ホームドラマ的な味付けが加えられました。

 しかしながら、『帰ってきウルトラマン』で「坂田健」と「坂田アキ」兄妹が「ナックル星人」の一味に惨殺されたにもかかわらず、翌週から何事もなかったように話が進んで行ったのとは対照的に、本作ではトオル少年を軸に親しい人たちを亡くした悲しみが各話で掘り下げられ、最終回に向けてドラマを盛り上げていきました。

 なかでも、円盤生物「ノーバ」に憑りつかれたトオル少年に、咲子が母として対峙する、第49話「死を呼ぶ赤い暗殺者」は傑作エピソードとして深い印象を残しています。

 基本一話完結形式の「ウルトラシリーズ」にあって、連続ドラマのように細かい要素が各話で盛り込まれるのは珍しいことだと思います。ブラックスターから円盤生物を送り込む「ブラック指令」と、明確な「敵」を置いたことも連続形式の色合いを強めており、かつて『A』で上手くいかなかった「ヤプール」のケースがありましたが、本作ではこうした要素をうまく落とし込んでいました。

 また、伏線を盛り込んだ連続ドラマ形式や、防衛隊がドラマの舞台とならない世界観は、現行の「ニュージェネレーションシリーズ」で形を変えて実現しています。また『ウルトラマンメビウス』の第34話「故郷のない男」では本作の後日談が描かれたほか、近年では『レオ』の世界観とリンクさせた『ウルトラマンレグロス』が製作されるなど、現在もさまざまな形の本作の魅力を再認識させてくれます。

(田中一)

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