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【インタビュー】春アニメで本格展開の『アルゴナビス』、声優たちの音楽への「本気」が見どころ

マグミクス / 2020年4月9日 19時10分

【インタビュー】春アニメで本格展開の『アルゴナビス』、声優たちの音楽への「本気」が見どころ

■男性ファンも引きつける「本気度」の高さ

 作中のキャラクターによるバンド活動と、担当声優によるリアルライブがリンクするボーイズバンドプロジェクト『ARGONAVIS from BanG Dream!』(以下、アルゴナビス)が、2020年4月よりTVアニメを放送開始、2020年後半にはアプリゲームのリリースも予定するなど、本格展開を進めています。

 アニメの放送開始は4月10日(金)。函館を拠点とする大学生バンド「アルゴナビス」の物語が展開され、これまでライブや楽曲を通じて登場していたキャラクターたちの素顔が明らかになっていきます。『アルゴナビス』はもともと、ブシロードが展開するガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!』(以下、バンドリ!)から派生し、新たな世界観のもと2018年に誕生したプロジェクトです。

 先行する『バンドリ!』は、各キャラクターの担当声優によるライブ活動のほか、アニメ、ゲーム、コミックなどさまざまなメディアミックスで人気を確立し、多くのファンから熱い支持を集めていますが、『アルゴナビス』はこれからさまざまな舞台を通じて大海原へと漕ぎ出すところ。その展望について、同作の音楽プロデューサーをつとめる、ブシロードミュージックの北岡那之さんに聞きました。

* * *

──2019年末にTOKYO DOME CITY HALLで行われた、Argonavisの2nd LIVEを拝見しました。そこでまず驚いたのが、男性ファンの多さです。コンテンツの性質上、女性ファンが100%近いだろうと思っていたのですが……。

北岡那之さん(以下、敬称略)体感としては、女性が6割で男性が4割くらいでしょうか。ガールズバンドの『バンドリ!』の派生作品ですから、まずはそこから入ってきてくれているのだと思います。

──『バンドリ!』の大きな魅力のひとつに、キャラクターを演じる声優による、本気のライブパフォーマンスがありますね。

北岡 『バンドリ!』のプロジェクト自体、主人公の戸山香澄を演じる声優の愛美さんがギターを弾ける、ということからアイデアが生まれています。もし彼女がギターを弾けなければ、『バンドリ!』のアイデアは実現しませんでした。まずギターを弾ける愛美さんという声優がいて、その後に戸山香澄というキャラクターができている。楽曲自体のクオリティを追求することも含め、音楽というものに本気で取り組むことこそ、『バンドリ!』の根幹となる部分なんです。

 ですから、どのライブでも当て振り(音源を流すのに合わせて演奏するふりをすること)はありませんし、あり得ません。それは、『アルゴナビス』でも同じです。派生コンテンツへの入口をくぐってきてくれたファンの皆さんから、性別を問わずご支持を頂けているのだとしたら、その本気度を感じ取ってもらえているのだと思います。

■声優たちの「本気度」の高さが生み出す、熱量と結束力

お話を伺った、ブシロードミュージックの北岡那之さん(マグミクス編集部撮影)

──ライブに向けたリハーサルなども、毎回かなり入念に行われていると聞きました。

北岡 キャストに本気で音楽に取り組んでもらうわけですから、サポートする僕たちは、それ以上の本気度でとことんまで付き合います。時間も費用も、必要であれば惜しみません。メンバーひとりずつの個人レッスンと、メンバーの揃ったレッスンも毎週欠かさず行っています。

──個人レッスンということは、アルゴナビスのメンバーそれぞれに、師匠がいるというわけですね。レッスンはどんな雰囲気なんでしょう?

北岡 教える側も本気ですから、かなりスパルタかもしれませんね(笑)。でも、キャストは全員、ついてきてくれています。声優や俳優としての仕事が他にあるにも関わらず、講師から出された宿題は必ずこなし、確実に一定レベルまで仕上げてきてくれます。プロフェッショナルとして仕事をこなすという以上に、みんなが熱量をもって結束することで、しっかりと「バンド」してるんですよね。

──メンバー全体でのレッスンの雰囲気はいかがですか?

北岡 とても熱いです。メンバー全員でのレッスンには、先生はお呼びしていないんですが、Argonavisのボーカル・七星 蓮を演じる伊藤昌弘さんが自らバンドマスターの役割を担い、曲の細部に至るまでバンド全体でしっかりと固めていくというトレーニングを主導しています。この熱量とモチベーションの高さには、僕たちプロデュースする側も、本当に助けられています。彼らの本気が応援してくれるファンの皆さんにも伝わっているのだとしたら、本当に嬉しいですね。

──4月10日からいよいよTVアニメも始まります。アルゴナビスの本気度は、アニメではどんな形で表現されているのでしょうか?

北岡 アニメーションは3DCG映像で、制作は『バンドリ!』プロジェクトの立ち上げ当初からお世話になっている、サンジゲンさんにお願いしています。演奏シーンには、実際の人間の動きを取り込む、モーションキャプチャーという技術を使用していますが、このモーションキャプチャーも、曲によってはキャラクターを演じる声優自身が行っています。

──専門のアクターではないんですか?

北岡 ステージで演奏する時の身体の動きや仕草などには、その人自身も気付いていない特徴やクセなどが表れます。アニメでは、そこまで表現できたらと考えています。

■ファンのために、「音楽」にこだわり続ける

──アニメの動きひとつにも、プロデュースのこだわりが反映されてるんですね。

北岡 本作はバンドアニメですので、仮にライブから『アルゴナビス』に入ってきたファンの方が、アニメの演奏シーンで身体の動きがライブと違っていたら、違和感を覚えてしまうと思うんです。逆もまた同じです。アニメから入るファンの方には、リアルライブを見た時、「すごい、アニメそのままだ!」という感動を覚えてほしい。

──また、発表されたキャラクターイラストなどを見ると、彼らが持っている楽器のひとつひとつにも、細部にわたるこだわりが感じられます。

北岡 「本気で音楽に取り組む」と言っていながら、楽器の描写がいい加減だったりすると、ちょっとカッコ悪いですよね。ですから、楽器はすべてメーカーさんから監修をいただいています。サンジゲンさんによる3Dモデルは、画面には映らない楽器の裏側のビスひとつひとつまで作り込まれているんです。

──アニメの舞台が函館となっていますが、これにはどんな意図があるんでしょうか?

北岡 アルゴナビスという名前は、ギリシア神話に登場するアルゴー号から取っています。勇士たちが運命に導かれて乗り込んだ船が、海を越えて未知なる土地にたどり着く。その土地こそ、現在、事前登録を受け付けているアプリゲームの舞台となる東京です。この作品は、バンドものの王道でもある、上京物語でもあるんですね。

 彼らが集い、出航する港になる場所として、一番似合うだろうと選ばれたのが、「函館」という土地でした。ボーカルの七星 蓮を演じる伊藤昌弘さんと、ギターの五稜結人を演じる日向大輔さんは、実際に函館を訪れて路上ライブを行っています。

──アニメの物語とリアルライブのシンクロに、強いこだわりを感じます。

北岡 僕たちのこだわりは、他の誰でもないファンのためのものだと考えています。ファンあってこその『アルゴナビス』ですから、これからもファンの皆さんのために、本気のこだわりは続けていきたいですね。

※アニメ『アルゴナビス from BanG Dream!』は、
2020年4月10日(金)深夜1時25分から、MBS/TBS系全国28局ネット“スーパーアニメイズム”枠にて放送開始。

(取材/構成:香椎 葉平)

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