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今夜の金ロー『名探偵コナン 純黒の悪夢』 もしハリウッドで実写化したら制作費は?

マグミクス / 2020年4月10日 12時10分

今夜の金ロー『名探偵コナン 純黒の悪夢』 もしハリウッドで実写化したら制作費は?

■あのアムロ・レイが因縁のライバルと激突!?

 劇場アニメ『名探偵コナン 純黒の悪夢』(2016年)が、2020年4月10日(金)21時から「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)で全国放映されます。翌週の4月17日(金)にはTV初登場となる『名探偵コナン 紺青の拳』(2019年)も同枠でオンエアされ、『名探偵コナン』ファンにとっては目が離せない2週間となります。これまで『名探偵コナン』を見逃していた人にとっても、その面白さを知る機会になりそうです。

 劇場版シリーズの第20作にあたる『純黒の悪夢』は、興収63億3000万円を記録した大ヒット作です。イケメンキャラの安室透(CV:古谷徹)と赤井秀一(CV:池田秀一)が競演したことで、多くの女性ファンが劇場に足を運びました。

 安室役の声優・古谷徹さんは、人気SFアニメ『機動戦士ガンダム』の主人公アムロ・レイ役でおなじみです。対する赤井役の池田秀一さんは、同じく『機動戦士ガンダム』でアムロの宿敵となる“赤い彗星”シャア・アズナブルを演じました。宇宙世紀で何度も激突したふたりが、『純黒の悪夢』でも激しく火花を散らすことになります。そんな遊び心も、ファンの心をくすぐっているようです。

■秘密が多い公安警察

 小学生探偵・江戸川コナン(CV:高山みなみ)が追いかける「黒い組織」の内情が、『純黒の悪夢』では明かされることになります。この「黒い組織」に、安室は“バーボン”というコードネームで潜入捜査をしているのですが、その正体は警察庁警備局に所属する公安警察官です。一方、安室がライバル意識を燃やす赤井は、米国の連邦捜査局FBIの捜査官という設定です。

 米国で起きた広域犯罪を捜査するFBIは米国の犯罪映画や海外のミステリードラマによく登場しますが、日本の公安警察はあまり知られていません。公安警察を描いたドラマは、西島秀俊さんが主演した『MOZU』(TBS系、WOWOW)あたりが思い浮かぶくらいです。

 公安警察は日本国の治安を維持することを目的とし、主に政治犯やテロリストなどを取り締まっています。捜査対象を徹底的にマークし、人間関係まで調べ尽くすことが知られていますが、極秘捜査が多いため、その実態はほとんど明かされていません。さらに公安内には、サクラ、チヨダ、ゼロなどと呼ばれる秘密機関が存在するそうです。また、公安にはエリート警官しかなることができません。秘密の多い安室ですが、警察学校ではかなり優秀な成績を収めていたと思われます。

■もしもハリウッドで実写映画化したら……

2020年4月の公開から延期となった『名探偵コナン 緋色の弾丸』 (C)2020 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 劇場版「名探偵コナン」シリーズは、ハリウッド映画ばりの迫力満点なアクションシーンも大きな見どころです。『純黒の悪夢』では「黒い組織」の女性メンバーであるキュラソー(CV:天海祐希)が安室と赤井を相手に、ド派手なカーチェイスを冒頭で繰り広げます。クライマックスには、巨大観覧車が爆破される大スペクタクルシーンも用意されています。

 シリーズ屈指のアクション大作とも呼べる『純黒の悪夢』は、もし実写映画化したら一体どのくらいの制作費が掛かるものでしょうか? 実際の実写作品と比較しながら検討してみましょう。

 東都水族館にある巨大観覧車のモデルとなっているのが、英国ロンドンにある「ロンドン・アイ」です。高さが135mもある、ロンドンの観光名所です。SF映画『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』(2007年)では、この「ロンドン・アイ」が大崩壊するシーンが描かれています。大スターは出演していない『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』ですが、制作費には1億3000万ドルを費やしています。日本円でおよそ142億円。カーチェイスシーンで人気の『ワイルド・スピード』(2001年)だと、制作費3800万ドル、日本円でおよそ41億円になります。

■かつては人気俳優が工藤新一を演じたことも

 もうひとつ、参考にしたい実写映画があります。小栗旬さんは2006年、2007年に放映された実写ドラマ『名探偵コナン 工藤新一への挑戦状』『名探偵コナン 工藤新一の復活!』(日本テレビ系)で、江戸川コナンの本来の姿である高校生・工藤新一を演じています。そんな小栗さんが怪盗紳士に扮したのが、実写映画『ルパン三世』(2014年)です。タイ、香港、フィリピン、シンガポールなどで海外ロケが行なわれ、中盤のカーアクションシーンにはかなりの力が入っていました。実写版『ルパン三世』は興収24.5億円を記録。制作費は公表されていませんが、10億円前後だったと思われます。

 いずれにしろ『名探偵コナン』を実写映画化すると、数十億円規模の大予算を必要とすることは間違いありません。主人公の江戸川コナンは小学生ですから、子役俳優にそれだけのバジェットの重責を負わせるのも難しそうです。やはり日本のアニメーションならではの企画だといえそうです。

 今や劇場版「名探偵コナン」シリーズはアニメーション界だけでなく、日本映画界の興行を盛り上げる大きな柱となっています。スナイパー・赤井秀一が再び活躍する最新作『名探偵コナン 緋色の弾丸』は恒例の4月公開から延期となりましたが、『純黒の悪夢』を視聴しながら公開日の発表を待ちたいと思います。

(長野辰次)

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