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「令和に見事復活」「同じ改変でも明暗が」 2024秋「マンガ原作」ドラマ、序盤の反応は?

マグミクス / 2024年10月23日 21時15分

「令和に見事復活」「同じ改変でも明暗が」 2024秋「マンガ原作」ドラマ、序盤の反応は?

■ 2024年秋、注目すべきはアニメだけじゃない!

 2024年も10月に入り、各局では秋クールのアニメやドラマが放送を開始する時期となりました。

「普段地上波のドラマは観ていない」という方も多いかもしれませんが、2024年秋は『嘘解きレトリック』(作:都戸利津)や『無能の鷹』(作:はんざき朝未)、『放課後カルテ』(作:日生マユ)など、数々の人気マンガを原作とする実写ドラマが多数放送されています。

 なかには1話からさまざまな反応を呼んだ作品もありました。

※この記事では『ウイングマン』『その着せ替え人形は恋をする』『連続ドラマW ゴールデンカムイ-北海道刺青囚人争奪編-』『それぞれの孤独のグルメ』第1話以降のネタバレを含みます。

●『ウイングマン』

『電影少女』や『I”s』で知られる桂正和先生の代表作『ウイングマン』は、生誕40年を迎える今年、ついに実写ドラマ化されました。

 今作は変身ヒーローに憧れる中学生「広野健太」が、異次元から突如現れた謎の美少女「アオイ」の持つ「ドリムノート」の力で、自作のヒーロー「ウイングマン」に変身するストーリーです。実写化が発表された際は「令和にウイングマンが実写化されるとは思わなかった」と驚きつつ、監督(アクション監督も兼任)がウルトラシリーズ、仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズなど多数の特撮ドラマを成功に導いた坂本浩一さんということもあり「最新のCGでかっこいい仕上がりになりそう」「待ちに待った実写化」「原作直撃世代のファンの監督だから信頼できる」と、期待の声が多く寄せられていました。

 実写ドラマでは健太が高校生になっているほか、自作のスーツでヒーロー活動に勤しむ健太が動画配信者に撮影されるシーンなど今の時代に合わせた改変もありましたが、「原作が現代にうまいこと落とし込んでて不自然じゃない」と原作ファンも納得しているようです。

 また、健太を演じるのが『仮面ライダー』の主人公「本郷猛」を演じた藤岡弘、さんを父に持つ藤岡真威人さんであったり、健太の部屋に実在の特撮グッズが所狭しと並んでいたりと特撮ファンにもうれしいポイントが多くあり、「戦闘シーンで主題歌が流れるの特撮っぽい」「敵が来た時に部屋から戦いやすい場所に行くのが特撮あるあるで良かった」と、意外な点に注目している声も出ていました。

 そして監修やキャラクターデザインを担当している桂先生もX(旧:Twitter)のアカウントで衣装や小道具のデザイン画を公開しているほか、こだわりのポイントを解説しており、ドラマの放送とあわせてチェックするのも新たな発見があるかもしれません。

 放送枠が30分弱のため、1話はウイングマンの本格的バトルはこれから、というところで終わってしまいましたが、ハイクオリティなアクション、CGにも期待が集まっています。

●『その着せ替え人形は恋をする』

 2018年より「ヤングガンガン」で連載されているマンガ『その着せ替え人形(ビスクドール)は恋をする(通称:着せ恋)』(作:福田晋一)は、男子ながら雛人形が好きで祖父の師事を受けながら制作する「頭師(かしらし)を目指す主人公「五条新菜(ごじょう わかな)」が、ヒロインでクラスの人気者の美少女「喜多川海夢(きたがわ まりん)」に趣味を知られたことをきっかけにコスプレ衣装を作ることとなるストーリーが話題を呼び、2022年にはアニメ化を果たしました。

 さらに2024年秋には、ついに『着せ恋』の実写ドラマも放送開始されましたが、原作及びアニメの人気が高すぎるがゆえに、実写化が発表された際はどこまで原作に近づけるのか不安視する人が続出していました。

 実写ドラマ第1話では、五条(演:野村康太)に海夢(演:永瀬莉子)がコスプレをしたいキャラ「雫たん(黒江雫)」とその作品『ヌル女2』について語るシーンが、対面ではなくメッセージアプリになっているほか、作品名に五条が真顔で「なんですって?」と聞き返す場面がなくなっているなど、細かい部分での改変が見られ、違和感を覚えた原作ファンの声がSNSに多数寄せられています。

 オタク趣味を語る海夢のハイテンションさと五条のギャップが生み出すギャグ要素も、実写ドラマでは薄くなっており、「『なんですって?』がないのは痛かった」「雫たんの魅力を熱弁するのは被服室で直接会ってる時だから面白いのに」といった意見も少なくありませんでした。

 そして、五条の自宅に海夢が押しかけ、衣装制作のために採寸をする第2話も、原作からの改変が目立っています。原作では採寸しやすいよう水着を着てきた海夢に焦りながらもなんとか採寸を終わらせる展開でしたが、実写ドラマでは緊張のあまり五条が断念、結局海夢が採寸したと思われる描写になっていました。

 深夜ドラマとはいえ地上波のため、原作よりも露出度の低い水着になっていたのは仕方ない部分ですが、念願のコスプレ衣装製作で大胆な行動に出る海夢と、内心どぎまぎしながらも海夢の「好き」に向き合う五条を照らし合わせる重要なシーンです。

 さらに五条は「祖父の影響で幼い頃から頭師になる夢を持っているキャラクター」であったはずが、「じいちゃんの跡継げるのが俺しかいないんで、まあ仕方なく」と海夢に話すシーンがあり、「本気で雛人形が好きで頭師になりたい五条くんがそんなこと言うか?」と、違和感を持ち怒りを示す声もありました。このセリフは後に五条の本心ではなかったことが明かされますが、それでも「嘘でも五条くんにそんなセリフ言わせないでほしかった」という反応は少なくありません。

「露出少ないのは地上波なんで仕方ないと思います」「似てないって言われてたけど実写の喜多川さんは動くと悪くない」「ドラマの着せ恋、そんなに悪くないとおもうんだけどなぁ……アニメが超出来が良かっただけであって」「ドラマとしてはきちんとしてて悪くないから継続して見てる。エロっぽいとこかなり抑えて大好きなものにまっすぐなギャルと好きに引け目があった男の子の話に落とし込んでるというか、話の芯はブレてないと思う」などの擁護の声もあり、まだまだこれからどうなるのか注目したいところです。

■2024年大ヒットの実写映画の続きが大好評!

『連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』ポスタービジュアル (C)野田サトル/集英社 (C)2024 WOWOW

●『連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』

 2024年1月に全国公開され、大ヒットを記録した実写映画『ゴールデンカムイ』も、秋から映画の続編となるドラマがWOWWOWで放送されています。放送前から新たに登場するキャラクターやそのキャストが解禁されるたびにSNSでトレンド入りを果たすなど、ファンからの期待はかなり大きなものとなっていました。

 WOWOW加入者以外にも無料公開されたドラマ版第1話は、主人公「杉元佐一(演:山崎賢人)」たちが探す埋蔵金の在りかを示す暗号「刺青人皮(いれずみにんぴ)」が彫られた脱獄囚のひとり、「二瓶鉄造(演:藤本隆宏)」を中心としたエピソードです。

「悪夢の熊撃ち」と恐れられた猟師の二瓶は登場シーンこそ多くないものの、後に杉元の仲間になる第七師団の一等卒「谷垣源次郎(演:大谷亮平)」の生きる指針のひとつとなる重要キャラです。二瓶を演じた藤本さんは原作通りのワイルドな見た目を再現しただけでなく、裸で極寒の川に入るなどの場面も演じていました。興奮時に飛び出す名ゼリフ「勃起!」の言い方も含め、「再現度高過ぎる」「最後の満足げな表情素晴らしい」「伝説の猟師という説得力が凄い」と、驚きの声もあがり放送中にトレンド入りを果たします。

 また、映画でも見どころのひとつだったアイヌ料理を食べるシーンはドラマでも引き続き登場しており、杉元と「白石由竹(演:矢本悠馬)」が「アシリパ(演:山田杏奈)」から半ば無理やり鹿の脳みそを食べさせられるシーンは「杉元と白石の冷めた目線もあってめちゃくちゃ笑えるのは実写ならではだな」「大好き過ぎる脳みそハラスメントのシーン、実写でやってくれてありがとう」と好評を集めています。

「俺が死んだらどうする?」という杉元の投げかけに酔って泣き上戸になったアシリパが「ヒンッ! 死ぬな杉元ッ!」と返すシーンも再現され、アシリパを演じている山田さんが原作さながらのしわくちゃな表情を見せており、「もう本人じゃん」「最初はキャスト合ってなくない? と思っててごめん。ここまで本気で変顔やってくれるなんて最高」とSNSの実況勢も大盛り上がりでした。

 ドラマは第1話のみ無料公開となっていましたが、映画に引き続き高いクオリティの実写ドラマで、「WOWWOWの契約決めたわ」「推しもまだ出てないし、観たいシーンもまだまだあるから契約せざるを得ない」と、試聴を決めたファンも続出したようです。

 そして、2話の殺人鬼「辺見和雄(演:萩原聖人)」のエピソード以降も高い評価を受けています。原作に忠実な部分だけでなく実写版オリジナルの場面も好評で、杉元が海に落ちた辺見を助ける場面で披露したサスペンダーの姿(原作では全裸で海に飛び込む)はX(旧:Twitter)でトレンド入りしました。

 また、3話では狙撃の名手「尾形百之助(演:眞栄田郷敦)」が、「鶴見中尉(演:玉木宏)」率いる第七師団の追手から逃げながら射撃の腕前を見せる場面が原作よりもだいぶ長くなっており、おなじみの「ハスコック撃ち(アメリカ海兵隊の狙撃兵カルロス・ハスコックの撃ち方に似せた構え」の構えを初めて見せるポイントも、この撤退戦のシーンに変更されています。また、その後の鶴見中尉が尾形を評した「さすがは曲がりなりにも軍神の倅だな」というセリフや、鶴見中尉の腹心「月島基(演:工藤阿須加)」の「私が行って(尾形を)殺してきます」というひと言も実写オリジナルでした。

 こういった変更も、「尾形のあの構え、コタン(アイヌの村)狙ってるときじゃなくて、撤退戦で出したのもアクションの流れとして説得力あって良かった」「『軍神の倅』がトレンドにあるけどこのセリフひとつでこの後の例の尾形パパのお話が実写でもきっちりあるのを示唆されてて、期待が持てる」「『殺してきましょうか?』ではなく『私が行って殺してきます』という断定なのがキャラ解釈しっかりしてて素晴らしい。月島ならそう言うし、感服です」と、大いに原作ファンを沸かせています。これ以降も、オリジナル場面にも期待が持てそうです。

●『それぞれの孤独のグルメ』

 テレビ東京の深夜ドラマで特に人気の実写シリーズ『孤独のグルメ』は、2024年秋に11作目となる『それぞれの孤独のグルメ』が放送されています。輸入雑貨商を営む主人公「井之頭五郎(演:松重豊)」が、営業先で飲食店を探して自由気ままに食べる本作は、おいしそうな食事の描写や淡々としたシュールな笑いが癖になるドラマです。

 これまで五郎を演じてきた松重さんが構想や企画にも携わっている今作は、五郎だけでなく性別や年齢、職業が異なるゲストキャラクターのモノローグが描かれたり、ゲストキャラクター自身も食を楽しむオムニバス要素も新たに加わっています。

 第1話では、仕事を終えた五郎が河原で水切りをしている姿を見ていた店主(演:太田光)の営む中華料理店を舞台に、五郎がいつものように食事を楽しむ内容となっていました。あまりのおいしさに次々と追加注文をする五郎を、店主が「いい食べっぷりだ」と厨房からのぞいていたりと、別の登場人物の目線が加わる構成に「これまでにない感じで新鮮」と好評を集めています。

 第2話では五郎が乗ったタクシーの運転手(演:マキタスポーツ)、第3話ではタクシーの運転手が事故で入院した病院の看護師(演:板谷由夏)とゲストが次々と変わりますが、偶然五郎が居合わせて食事を楽しむシーンは共通して描かれています。さっそく「相変わらず五郎さんの食べっぷりが最高」「話の構成が面白いし、今度は誰が出るのかも楽しみ」と、SNSでは視聴継続を決めた声も目立っています。

(田中泉)

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