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「続編」がトラウマになったケースも? 色んな意味で心に残る衝撃アニメ映画

マグミクス / 2024年10月29日 12時10分

「続編」がトラウマになったケースも? 色んな意味で心に残る衝撃アニメ映画

■あまりにもビターな結末が衝撃的!

 トラウマなアニメ映画と聞いて、まずどのような作品を頭に思い浮かべるでしょうか。たとえば、ネット上でトラウマアニメ映画と検索すると、エロスとバイオレンスが入り乱れる『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』や、EVA量産機の捕食シーンにゾッとする『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』、原爆の悲惨さや恐ろしさが容赦なく詰めこまれた『はだしのゲン』など、さまざまな名作が出てきます。

 思いつく作品は人によってさまざまだと思いますが、なかには人体破損描写もなければ流血表現も出てこないにもかかわらず、「トラウマになった」という意見の出る作品もありました。

●『秒速5センチメートル』

 新海誠監督の名を世に知らしめた大ヒット作『君の名は。』は、少年少女の入れ替わりを通して距離と時間の違いの切なさも描いたSF青春アニメです。同じく新海監督が手がけた『秒速5センチメートル』も、惹かれ合っていた男女の距離と時間による変化をテーマとしていましたが、こちらの結末はあまりにも切ないものでした。

 同作は「桜花抄」「コスモナウト」「秒速5センチメートル」からなる短編3話で構成されており、第1話「桜花抄」では小学校の卒業と同時に離ればなれになった「遠野貴樹」と「篠原明里」の再会の日が描かれています。そして第2話「コスモナウト」では鹿児島に引っ越してきた貴樹に片想いする同級生の視点を通して、変わらず明里を想い続けている彼の様子が描かれていました。

 ただ結局、第3話の「秒速5センチメートル」で貴樹と明里が結ばれることはありません。そのうえ社会人になってからも未だに明里への初恋を引きずっている貴樹に対し、明里は別の男性と結ばれて幸せをつかんでいたのです。

 山崎まさよしさんの「One more time, One more chance」をバックに、ひとり寂しく街中を歩き続ける貴樹と、ひとりの女性として幸せそうな生活を送っている明里が交互に映し出されるエンディングシーンはあまりにも切なく、本作をトラウマ映画として挙げる人も少なくありません。

 ただ、ラストは主人公が初恋の呪縛から解放されようやく前に進めた、とも受け取れるため「ハッピーエンド」という意見も出る作品です。なお同作はSixTONESの松村北斗さんを主演に迎え、2時間の長編として実写映画化されることが決まっています。

●『君の膵臓を食べたい』

 劇場アニメ『君の膵臓を食べたい』もまた、悲恋エンドの名作として多くの人にトラウマを残した作品です。原作は住野よる先生のデビュー小説で、俳優の浜辺美波さんと北村匠海さんのダブル主演で実写映画化もされました。

 おおまかなあらすじとしては、主人公である「僕」がひょんなことからクラスメイトの「山内桜良」が膵臓の病気で余命1年であることを知り、彼女の死ぬ前にやりたいことに付き合っていく……という物語です。

 同作は、ふたりが出会った時点で「死別」することが決まっていました。そのうえで仲を深めていくふたりの様子を見せられることになるため、「見ていると胸が苦しくなる」「真綿で首を絞められているようだ」などの感想も出ています。

 また物語の結末も、予想の斜め上を行くものでした。ラストはヒロインが病室のベッドの上で安らかに息を引き取ると思って、物語を視聴していた人も少なくないでしょう。そうした予想を見事に裏切ったビターな結末は、多くの人に衝撃を与えたはずです。

■賛否両論の嵐を巻き起こした予想外の結末

『トイ・ストーリー4』ポスタービジュアル (C) 2019 Disney / Pixar. All rights reserved.

●『トイ・ストーリー4』

結末が悲しかった、とは別のベクトルで多くの人にトラウマを植えつけた作品が『トイ・ストーリー4』です。

『トイ・ストーリー』といえば、カウボーイ人形の「ウッディ」をはじめとするおもちゃたちの活躍を描いたピクサーのCGアニメーションで、これまでのシリーズでは、子供たちと過ごす楽しい時間こそがおもちゃにとっての幸せであることが語られてきました。

 しかし『トイ・ストーリー4』は、そうした今までの信念や回答を一転して否定するような内容になっています。「おもちゃは人間に愛されるだけが価値じゃない」「自分の心で望んだ道を進んでいける」と、言わんばかりのラストを迎えるのです。

 もちろんこの結末に対して、「今までの3作とは違う目線で観たらシンプルにおもしろい」「需要のなくなったおもちゃが勇気を出して輝ける場所に行く感じが感動する」などの肯定的な意見もあがっていますが、強い拒否反応を示した人も少なくありません。そもそも、2010年の『トイ・ストーリー3』があまりにもきれいで感動的な結末を迎えていたため、4が作られること自体にも否定的な声が出ていました。

「トイ・ストーリー4なんて最初からなかった」「4? そんなものは知らない」「トイ・ストーリーは3で終わり」などと、存在そのものを記憶から抹消しようとする人もいるほどです。3でいなくなっていた陶磁器製のおもちゃ「ボー・ピープ」の再登場と活躍など、見どころも多いのですが、不遇な扱いを受けています。

 ちなみに2026年には、シリーズ最新作『トイ・ストーリー5』が公開予定となっています。監督と脚本を手がけるアンドリュー・スタントン氏によると、今作は「おもちゃVS.電子機器」がテーマになっているそうです。今なお『トイ・ストーリー4』にある種のトラウマを抱えている人が多いなか、最新作ではどのような物語が描かれるのでしょうか。

(ハララ書房)

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