濃すぎて本場公認のローマ人に? 衝撃だけどイケメン俳優起用が「適切?」だった実写版
マグミクス / 2024年10月25日 21時25分
■日本人離れしてると思ってたら、まさかの?
毎年数多くのマンガが実写化されていますが、2次元のキャラを3次元で違和感なく再現するのはなかなか難しい作業です。原作ファンを唸らせたい、誰もが納得するクオリティに仕上げたい……そうした熱い思いを受けて、とんでもない役にキャスティングされたイケメン俳優も少なくありません。
たとえば俳優の玉木宏さんは、古くは『のだめカンタービレ』の「千秋先輩」に始まり、最近では『キングダム』の「昌平君」や『ゴールデンカムイ』の「鶴見中尉」など、数々のイケメンキャラやカリスマ性を持つ人物を演じてきました。そしてその多くが玉木さんの甘いルックスやスマートさを生かした役柄でしたが、映画『ブラックナイトパレード』ではメインキャラとして出演していながらも、ご尊顔がまったくと言っていいほど映りません。
玉木さんが演じたのは、「クネヒト」とよばれる顔のないキャラクターです。吉沢亮さん演じるうだつの上がらない主人公「日野三春」を、「ブラックサンタクロース」の道へと引き込んだ張本人で、黒いサンタ服の上に帽子だけが浮いているという、まるで透明人間のような存在(三春には見えている)でした。黒いサンタクロースたちのトップにいる人物で、身体は「残っていない」とのことです。
そのため玉木さんは最初から最後まで声のみの出演となっており、端正な顔立ちを一度も見せることなく物語は幕を下ろします。まさにイケメンの無駄遣いとも言うべき、玉木さんの贅沢な使い方は、当時のネット上でも「最後まで玉木宏の顔が出てこないのはびっくり」「こんな贅沢な玉木宏の使い方あるんだ(笑)」などと、話題になっていました。ただ、玉木さんの美声によって、クネヒトがもともとかなりのイケメンであることを想像してしまいます。
俳優のとんでもない使い方という意味では、『テルマエ・ロマエ』の阿部寛さんも負けてはいません。同作はヤマザキマリ先生のマンガを原作としたお風呂コメディーで、古代ローマ時代の浴場技師が現代日本にタイムスリップし、日本の入浴文化を故郷に取り入れていく様子が描かれています。
主演の阿部さんといえば身長189cmの体格を誇り、日本人離れした目鼻立ちくっきりの特濃ソース顔として有名な俳優です。これまで『ドラゴン桜』の「桜木建二」や『TRICK』の「上田次郎」など、ハイスペックな純然たる日本人を数多く演じてきましたが、『テルマエ・ロマエ』ではその濃い顔を買われて、まさかの古代ローマ人「ルシウス・モデストゥス」役に抜擢されました。
ちなみに阿部さん演じるローマ人は、現地人もお墨付きで、『テルマエ・ロマエII』の試写会がイタリアのナポリで開かれた際に、映画を鑑賞したイタリア人から「区別がつかないほどローマ人に見えた」という感想が寄せられたそうです。これほど阿部さんの、ソース顔を有効活用した作品があったでしょうか。
そのほか、作品自体のお下劣さに話題を取られてしまいがちですが、実写版『珍遊記』の松山ケンイチさんの扱いも、なかなかにとんでもないものでした。原作は漫☆画太郎先生による『西遊記』をモチーフにしたギャグマンガ『珍遊記 -太郎とゆかいな仲間たち-』で、実写映画は2016年に劇場公開されました。
漫☆画太郎先生の作品といえば下品かつ低俗、下ネタや「ババア」ネタ、ラディカルな暴言がこれでもかと言うくらいに詰めこまれており、その過激な作風から「読む人を選ぶ」ギャグマンガとして知られています。
その代表作である『珍遊記』が実写映画になるというだけでも十分な驚きでしたが、主人公の「山田太郎」役に『デスノート』の「L」役などでおなじみの松山ケンイチさんが抜擢されたことで、当時ファンからは衝撃の声があがりました。
ただ、原作ファンや自身のファンの叫びをよそに、松山さんはハゲヅラを被り、ときにはパンツ一丁となって山田太郎を熱演します。さらには身体を張って生尻を出し、漫☆画太郎先生お得意の顔芸まで披露するなど、『珍遊記』のカオスワールドを最大限に再現していました。
「カメレオン俳優」の異名通りの松山さんの役者魂は、今もなおファンの間で「この映画のオファーを受けて演じきった度量がスゴイ」「松山ケンイチ、体張りすぎ!(笑)」などと語り草になっています。
(ハララ書房)
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