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『トップをねらえ!』の「ガンバスター」最強説はガチ? そもそも最強って何だ!?

マグミクス / 2024年10月28日 21時55分

『トップをねらえ!』の「ガンバスター」最強説はガチ? そもそも最強って何だ!?

■なんでも最強論争ってあるよね

『新世紀エヴァンゲリオン』で知られる庵野監督の作品のなかでも、『トップをねらえ!』は、いまだに根強いファンがいることで知られます。その人気の秘密はなんといっても主人公「タカヤ・ノリコ」と「アマノ・カズミ」のシスターフッドに努力と根性、そして圧倒的な戦闘力を誇る「ガンバスター」の存在が大きいでしょう。

 宇宙怪獣の群れを薙ぎ払うその「ガンバスター」は、いわゆるロボットアニメのロボのなかでも最強の一角として常に名前が挙がり続けています。しかし、果たして本当に最強といえるでしょうか。そもそも最強とはなんでしょうか?

●ロボの強さは設定で決まってしまうのか?

 巨大ロボに限らずあらゆるジャンルに最強論争はつきものです。なかでも最強のロボは何か、という議論は作品の枠を超えて長く続けられてきました。ロボの強さとは文字どおり戦闘力を意味します。戦わせたらどっちが勝つか、というシンプルで究極的な疑問だといえるでしょう。

 しかし最強論争は作品のスケールの影響が大きい議論です。『機動戦士ガンダム』の「ガンダム」と『超時空要塞マクロス』の「バルキリー」なら議論が成り立つ余地はありそうですが、惑星を切断できる「イデオン」とは戦闘力のスケールが違い過ぎて比較しようがありません。

 そもそもロボの動力それ自体が作品によって大きく異なります。『戦闘ロボザブングル』のウォーカーキャリアはガソリンエンジンで、「ガンダム」のモビルスーツは小型核融合炉で駆動しています。そして「ガンバスター」の動力源はブラックホールを使う「縮退炉」なので、両作品よりもさらに先進的です。宇宙怪獣の群れを蹂躙するのにふさわしい設定だといえるでしょう。

 しかし反物質を使う「対消滅エンジン」や人の精神力や魔法、謎のパワーで動くロボもあります。こうなると単純な科学力では比較できません。作品間の技術格差はあまりにも大きいのです。

 そして2024年現在のロボアニメにおいて、想像しうる最大スケールのロボは、原作設定を考慮したうえで、『ゲッターロボアーク』に少しだけ登場した「ゲッターエンペラー」か『天元突破グレンラガン』に登場する「超天元突破グレンラガン」でしょう。

「超天元突破グレンラガン」は宇宙を超える全長を誇る燃え盛る螺旋力の塊、赤いマントとでかいサングラスをつけたエネルギーの巨人です。ライバルの「アンチスパイラル」とは、超螺旋宇宙の決闘で銀河系を投げつけたり、宇宙開闢(かいびゃく)に匹敵するエネルギーをぶつけたりと、次元を超えた超スケールの戦いを繰り広げました。これ以上のスケールの作品はなさそうです。ロボの最強論争はここで終了、ということでよいでしょうか。

■最強論争の本当の目的は強さではなかった!?

いわゆる「ガイナ立ち」。「SMP ALTERNATIVE DESTINY 『トップをねらえ!』ガンバスター」(バンダイ) (C)BANDAIVISUAL・FlyingDog・GAINAX

 惑星を両断したイデオンの衝撃は大きかったものの、一方で「グレンラガン」のラストバトルではその惑星が2000億個以上集合する銀河系が、クラッカーのように破壊されています。もはや人間の想像力の極地に達しており、兵器でなんとかなりそうなレベルの戦いではありません。作品のスケールが大きければ、それに応じて登場するロボも強い、という当たり前の事実です。

 では最強ロボ議論は単なる作品スケール比べに過ぎなかったのでしょうか。いいえ、実はファンが交わしている議論の多くは、分かりやすい「破壊力比べ」や「設定比べ」ではなく、ロボットアニメとしての「演出」の凄さを比べたいという欲求が隠れています。

 つまり最強ロボ論争の本質は「どっちがかっこいいか!」「どれだけお気に入りのロボの凄さを整合的に語れるか」という論争なのです。設定関係は自論を補強するデータに過ぎません。

 だから銀河系を投げつけるどころか、惑星を破壊したこともない「ガンバスター」がいまだに最強ロボの一角を担っているのでしょう。のちに「ガイナ立ち」といわれるようになる、腕組み直立姿勢で登場した「ガンバスター」が「バスタービーム」や「スーパー稲妻キック」「ダブルバスターコレダー」で暴れまくる、あのカタルシスに匹敵するほどの戦闘シーンを超える演出はほとんどありません。ノリコ役の声優、日高のり子さんの絶叫とBGM、効果音、テンポ、すべてが噛み合っていてまさに伝説的戦闘シーンだといえます。

 ほにも『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』の「νガンダム」と「サザビー」、『マクロスプラス』の「YF-19」と「YF-21」、『新世紀エヴァンゲリオン』の「エヴァンゲリオン初号機」(ロボではなく人造人間ですが)など、超作画、超演出で知られるロボは数多く、ファンそれぞれのなかで「最強」の位置を揺るぎないものとしていることでしょう。

●設定ではなく「推し」を語れ!

 破壊力の描写や設定の内容などから異なる作品のロボの強さを比較するのは不毛です。

 そもそもロボの魅力は戦闘力だけではありません。ミリタリー描写が光る「スコープドッグ」(『装甲騎兵ボトムズ』)や、メカボニカルな描写が魅力的な「エルガイム」(『重戦機エルガイム』)、相棒に欲しい「チェインバー」(『翠星のガルガンティア』)など無数の評価軸があります。

 作品スケールの影響を受けやすい「最強ロボ」から軸をずらし、「推し」を語るほうがきっと深みのある議論になるにちがいありません。だから不毛な最強ロボ論争になったら「炎となったガンバスターは無敵!」「だから最強!」で締めくくるのがいいかも。

※日高のり子さんの「高」は「はしごだか」が正しい表記

(レトロ@長谷部 耕平)

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