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「痛恨の彩色ミス」「美形キャラにヅラ疑惑」 愛され続ける昭和アニメの作画崩壊

マグミクス / 2024年11月5日 17時45分

「痛恨の彩色ミス」「美形キャラにヅラ疑惑」 愛され続ける昭和アニメの作画崩壊

■もはやこれは「作画崩壊」の域を超えてないか?

 ひと口に「作画崩壊」といっても、その種類は実にさまざまです。アニメファンの不評を買った作画崩壊もあれば、逆に好意的に受け入れられた例もあり、例えば『機動戦士ガンダム』の作画崩壊はどちらかというと後者にあてはまるでしょう。

 なかでもアニメ第15話「ククルス・ドアンの島」に登場した作画崩壊ザク、通称「ドアンザク」は、鼻の部分が妙に間延びした姿が「かわいい」と好評を博し、のちにプラモデルが作られました。このように作画崩壊が好意的に受け入れられたケースは、ほかにもあります。

 まず笑える作画崩壊アニメの話をするにあたって、『戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー』は欠かせません。2024年に40周年を迎えた「トランスフォーマー」シリーズの第1作目にあたり、作画崩壊にまつわるネタにおいては枚挙に暇がないことで有名です。

 一般的に作画崩壊といえば、絵の造形が崩れている状態をイメージする人が多いでしょう。しかし『トランスフォーマー』の場合、通常の作画崩壊はもちろんのこと、彩色ミスによって本来1体であるはずのロボットが分身したり、「行方不明のバンブルビーを探しに行こう」という会議にそのバンブルビーが参加していたりと、珍妙なミスが多々見受けられました。

 もはやここまでくると、視聴者の目には「笑える作画崩壊アニメ」として映るのか、こうしたツッコミどころを探すために『トランスフォーマー』を改めて視聴する人も意外と多いそうです。

 同じロボットアニメでいうと、『マシンロボ ぶっちぎりバトルハッカーズ』の作画崩壊も印象的でした。シリーズ2作目にあたる同作は、当時のヤンキー文化をロボアニメの世界に取り入れた作品で、羽原信義さんや佐野浩敏さんらが手がけたハイクオリティなオープニング映像は、今でもネット上でたびたび話題にあがります。

 しかしその一方で、本編の作画はなかなか安定しません。オープニングに負けず劣らずのカッコいいロボが描かれることもあれば、ドアンザク顔負けのマヌケ面なロボットになってしまうこともありました。作画がよい回は同年代のロボットアニメのなかでも頭ひとつ抜けたクオリティなこともあり、このギャップを魅力と捉えている人も少なくありません。

 近代的なデザインのバトルスーツやメカに定評のある「タツノコプロ」作品にも、伝説的な作画崩壊アニメが存在しました。その名も『天空戦記シュラト』です。

 同作はインド神話をモチーフに、動物に変形する鎧「神甲冑(シャクティ)」を装着して戦う青年を描いたバトル作品で、その魅力を支えていたのが、アニメ『銀河英雄伝説』のキャラクターデザインで有名な奥田万つ里さんが手掛けたイケメンキャラでした。

 しかし放送も後半に差し掛かってくるとマンパワーが尽きたのか、作画が怪しくなってきます。百歩譲ってキャラの造形が崩れるだけならまだしも、まるでGIFアニメかのようなカクカクとした動きが頻発するようになり、シリアスなバトルシーンにおいてもキャラたちがテケテケ走りするなど、珍妙な場面が続出しました。

 また作中屈指の美形キャラであった「夜叉王ガイ」も作画崩壊の犠牲者となり、アニメ第32話では歩くたびに頭がふよふよ動くという珍現象が発生します。

 現代のアニメは比較的作画が安定していますが、ひと昔前にはこうした作画崩壊が当たり前のように存在していました。今では考えられないような作画崩壊の数々は、昭和アニメならではの魅力なのかもしれません。

(ハララ書房)

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