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大根そっくりな“おしらさま”←結局、何の神様なの?『千と千尋の神隠し』

マグミクス / 2025年1月3日 20時25分

大根そっくりな“おしらさま”←結局、何の神様なの?『千と千尋の神隠し』

■「おしらさま」って何者?

『千と千尋の神隠し』で「千尋」が働く油屋には、八百万(やおよろず)の神々が疲れを癒やしにやってきます。何せ八百万という途方もない数字ですから、神様の種類も実に多種多様です。

 いつも大勢で集団行動をしている「オオトリさま」は、食べられてしまったヒヨコの神様という設定ですし、烏帽子に赤装束という格好の「春日さま」は、世界遺産・春日大社に伝わる雑面(墨で人の顔を抽象的に描いたもの)がベースになっています。鬼のような顔面の「おナマさま」は、明らかに秋田のなまはげをモデルにしていますし、全身ヘドロまみれで油屋を大パニックに陥れた「オクサレさま」は、名のある川の神様でした。

 宮崎駿監督は、「百鬼夜行図みたいなものも、全部後から作られたものですからね。だからそういうものを根拠にデザインしたくはなかったんです」とコメントしています。これらの神様は、宮崎駿監督とスタッフが自由に想像力の翼をはためかせて、デザインされました。スタジオジブリの卓越したクリエイティビティには、改めて感嘆を禁じ得ません。

 そのなかでも、千尋が最初に出会う、「おしらさま」は特に印象深い神様です。頭に赤い盃をのせ、赤いふんどしを締めた奇抜すぎる姿が、脳裏に焼きついて離れません。その風体は、まるまる太った大根のようです。では、「おしらさま」は大根の神様なのでしょうか?

 大根を祀っている神社を調べてみると、浅草寺の支院のひとつで、待乳山に伽藍を構える本龍院では、毎年1月7日に風呂吹き大根が参拝者にふるまわれる「大根まつり」が催されていました。大根は「身体健全、夫婦和合」を表すものとして、境内各所に大根の印が残されています。ですが、「おしらさま」らしき神様の姿を発見することはできません。

 一方、岩手県遠野市には、「オシラサマ」と呼ばれる農業と養蚕の神様が祀られています(地域によってはオシンメサマ、オシンメイサマとも呼ばれています)。桑の木で作った棒の先に馬と女性の姿をかたどったもので、これは馬と娘が恋に落ちる「馬娘婚姻譚(うまむすめこんいんたん)」という伝説に因んだものとされています。同じ名前の神様ですが、『千と千尋』の「おしらさま」とはだいぶ異なるようです。

「百鬼夜行図みたいなものも、全部後から作られたものですからね」と宮崎駿監督がコメントしているくらいですから、「おしらさま」も「白い神様」くらいの意味合いのオリジナル神様なのかもしれません。その愛嬌のある風体で、「おしらさま」はフィギュアにもなっています。持っておけば、ありがたいご利益があるかもしれません。

(竹島ルイ)

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