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ガンプラ値上げでも、関心事は「買いやすいかどうか」 今後の「需要増」が侮れないワケ

マグミクス / 2024年11月18日 20時10分

ガンプラ値上げでも、関心事は「買いやすいかどうか」 今後の「需要増」が侮れないワケ

■40年以上「お値段据え置き」だった(仕様変更以外では)

『機動戦士ガンダム』のプラモデル、通称「ガンプラ」の値上げが発表されました。仕様変更を伴わない根本的な値上げは、「ガンプラ」の登場以来初めての出来事ですが、値上げを嘆くよりもむしろ「今までよくこの値段で出してくれた」「そもそも手に入らない」という意見があがっています。新たなガンプラ工場も間もなく稼働を開始することがアナウンスされており、ファンの関心は「買いやすくなるのかどうか」にあるようです。

 今回の値上げは、2024年11月13日、バンダイナムコグループのBANDAI SPIRITS(バンダイスピリッツ)から、2025年4月から6月にかけて再販品を含む71品目の「ガンプラ」を値上げすると発表されたものです。原因は「原材料や包装材料の高騰」で、今後再販する品目も順次値上げの対象になるとのこと。さまざまなモノの値段が上がるなか、仕様変更以外では「お値段据え置き」としていたのは、関係者の不断の努力あってのことでしょう。

 しかしながら、ガンプラの入手は難しい状況は現在も続いています。理由は言うまでもなく「転売」です。「転売屋」の多くがポケモンカードに目を向けていた時期は入手が比較的容易でしたが、ポケモンカードが潤沢に供給されて価格が下落したことにより、ガンプラが再び転売のターゲットになりました。カードは印刷物のため、比較的早く増産が可能ですが、ガンプラは工業製品であり、プラスチックを金型で成形して製造されます。カードとガンプラでは、供給スピードに差がついてしまうでしょう。

 ガンプラの値上げが発表された際、SNSでは数十年も価格を維持していたことを賞賛する声とあわせて、「そもそも手に入らない」という意見が多く見られました。現実問題、大量に供給される一部のモデル以外では、入手にはかなりの努力と運が必要となっています。

■世界規模の需要は読みづらい?

 もちろん、メーカーも長く続く販売機会の喪失を黙って見ているわけではありません。2025年1月にはBANDAI SPIRITSの新工場が竣工予定で、夏には稼働を開始する見込みです。26年の本格稼働時には24年度との比較で約35%の増産が見込まれており、入手しやすくなる可能性は高まるでしょう。

 ただし大きな問題点があります。それは現在「日本のアニメは世界中で人気がある」という点です。ガンダム作品も例外ではありません。ガンダム作品がネット配信されている地域は全世界に広がっており、世界中にどれだけのガンプラ需要があり、どう変化しているのかが見えづらくなっています。

 多くの国で人気がある「ガンダム」シリーズですが、特に中国では「機動戦士ガンダムSEED』シリーズが高い人気を誇っており、劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が日本で公開された際にはまだ中国国内での上映が行われていないにも関わらず大きな盛り上がりを見せました。しかし結果として転売屋の活性化を招いており、多くのガンプラが海を渡ったとみられています。

 日本国内のガンプラ需要だけを考えていれば良かった時代は、すでに終わっています。円安によって海外の人にとってガンプラは以前より安価に感じられる商品となり、多少の値上げは今後に影響を及ぼさないと思われます。国内外のファンがガンプラを気軽に買えるような状況を作り出さなければ、転売をめぐる状況の改善は難しいと思われますが、転売行為そのものについては絶対的な手段はいまのところ存在しません。かつてのように多種多様なガンプラがお店の棚を埋め尽くす光景を見るのは、当分は難しいかもしれません。

(マグミクス編集部)

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