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「新しすぎた」「もう地上波では無理?」終了から30年『ウゴウゴルーガ』とは何だったのか

マグミクス / 2024年12月29日 7時20分

「新しすぎた」「もう地上波では無理?」終了から30年『ウゴウゴルーガ』とは何だったのか

■シュールかつカオスだった『ウゴウゴルーガ』

 1992年から1994年にかけてフジテレビ系で放送された『ウゴウゴルーガ』は、いちおう子供番組の体裁を取ってはいましたが、当時最先端の技術を駆使したカオスな内容で朝の脳みそに喝を入れてきた番組です。まだ表現が自由だった時代に現れた『ウゴウゴルーガ』が後の世に果たした役割とは何だったのでしょうか。

 最近は話題になったショート動画を見る方が増えています。筆者もよく見るのですが、見ている内になぜか『ウゴウゴルーガ』が頭をよぎりました。インパクトのある短いCGアニメを続けざまに放送していた『ウゴウゴルーガ』のスタイルは、いまのショート動画にも通じるものがあるからでしょう。

 それにしても、『ウゴウゴルーガ』がすでに30年以上前の番組だということには驚かされます。あの伝説級の番組を見たことがある方ならば、当時としては珍しい3DCGで構成された、立て続けに繰り出されるシュールで前衛的な短編アニメの連発がもたらす、強烈な衝撃を覚えているでしょう。おそらく地上波では、二度とあんな番組は放送できないのではないでしょうか。

「あにき」「しかと」「ぶるたぶちゃん」など毎回の登場時間は数十秒程度ありながら印象に残るキャラクターも多数登場しましたが、なかでも人気が高かったのは「みかん星人」でしょう。その名の通りみかんをモチーフとしたユーモラスなキャラなのですが、目だけがしっかり作られているため妙なインパクトがありました。

「おやじシリーズ」「さかもとさんシリーズ」などのシリーズもの、比較的安心して観られる『のんたんといっしょ』など多くの作品も人気がありました。なお、のんたんの声優は後に歌手、タレントとして活躍する千秋さんが担当しています。

『ウゴウゴルーガ』最大の特徴となったCGアニメは、「Amiga(アミガ)」と呼ばれるパソコンによって制作されました。当時は現在とは比較にもならないほどパソコンの性能が低い時代で、3DCGやビデオ映像を扱えるAmigaは特別な存在だったのです。

 勢いに乗る『ウゴウゴルーガ』は、1993年10月から金曜19時に『ウゴウゴルーガ2号』の放送を開始します。しかし、裏番組が『ドラえもん』だったことや朝のノリが通用しなかったためか、半年ほどで放送を終了しました。ただ、ピチカート・ファイブが担当したオープニングテーマ「東京は夜の七時」は、いまなお人気が高い名曲として知られています。

 何事も、最先端を絶えず走り続けるのはキツイもので、『ウゴウゴルーガ』も毎週の放送に加えて生放送を行なうなどの無理がたたり、スタッフの疲弊は極限に達していたそうです。

 最終的に、『ウゴウゴルーガ』は1994年3月に最終回を迎えてしまいました。改めて考えると1年半ほどの放送期間でしたが、密度の濃さが尋常ではなく、もっと長かったようにも感じられます。まだ日本という国が若く元気があり、何も気にせず突っ走れた時代にしか存在できなかった番組だったのでしょう。

 なお、「ウゴウゴくん」として出演していた田嶋秀任さんは芸能界から引退しましたが、2007年に発売されたDVD-BOX発売記念復活特番に出演しました。自分探しの旅に出るなど人生いろいろあったそうです。

 一方、「ルーガちゃん:として出演していた小出由華さんは番組終了後から約10年後にタレントとして活躍し、「あの小さかったルーガちゃんがもう大人に?」と、当時の視聴者を驚愕させました。

(早川清一朗)

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