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「伏線残し過ぎ」「完全版でもまだ謎が」 話の「畳み方」に賛否あった人気マンガ

マグミクス / 2024年11月26日 12時10分

「伏線残し過ぎ」「完全版でもまだ謎が」 話の「畳み方」に賛否あった人気マンガ

■完全版でも結論は出ず

 長年にわたって多くの読者を魅了したマンガの最終回は、大きな話題になります。しかし、なかには謎が明かされなかったり、続きが気になる展開を残すなど、読者の間で物議を巻き起こした作品もありました。

※この記事は、マンガ『本格科学冒険漫画 20世紀少年』『呪術廻戦』『GANTZ』の最終話の内容を含みます。未読の方はご注意下さい。

 まず、「謎を残して終わったマンガ」といえば、大ヒットしたマンガ『本格科学冒険漫画 20世紀少年』(作:浦沢直樹)が広く知られています。

 主人公「ケンヂ」と世界の滅亡を企む「ともだち」との戦いを描いた同作は、その壮大なストーリーと緻密な物語展開が評価され、いくつものマンガ賞を受賞した名作です。しかし、2007年に連載を終了した同作では、「ともだち」の正体がケンヂの同級生「カツマタ」だったことは明かされたものの、そこに至るまでの過程は詳細に描かれておらず、いくつかの謎が残っていました。

 しかし、連載終了から10年近く経過した2016年に出版された『20世紀少年 完全版』に追加された描写で、ケンヂたちの仲間になりたがっていた同級生「フクベエ」が小学校時代に死亡していたことが明かされ、多くの読者が思っていた「ともだちをフクベエからカツマタが引き継いだ」説は否定されたのです。それでも、「フクベエ=ともだち」と思われる人物が死亡した描写は残っており、完全版が出た後もさまざまな説が飛び交っていました。

 そして、2018年に浦沢先生が「最初から最後まで、ともだちはカツマタだけで他はすべてミスリード」(TV番組「漫道コバヤシ 第51回 放送50回記念 浦沢直樹スペシャル 後編」)と語っており、「フクベエ=ともだち」説の根拠となる場面も、死亡したのは「カツマタの影武者」だったということで決着がついています。

 最近完結した人気作品では、マンガ『呪術廻戦』(作:芥見下々)にはいくつか詳細が描かれていない要素が残っており、読者からは「続きが読みたい」という声があがっていました。

 なによりも、「虎杖悠仁」や「五条悟」ら呪術師たちの壮絶な最終決戦を繰り広げた圧倒的な強さを持つラスボス「両面宿儺」は、その生い立ちがほとんど描かれていません。「天元」や「羂索」、「天使」など、1000年前の術師たちとの関係は断片的に情報が出ているため、読者からは彼らの活躍を描いた「過去編」が望まれています。

 敵でありながら常に物語の中心にいた宿儺の人気は高く、1000年前を舞台にしたスピンオフには期待できるのではないでしょうか。

 また、2000年代に大ヒットしたマンガ『GANTZ』(作:奥浩哉)も多くの謎を残しています。同作は、事故などで死亡した人びとが謎の黒い球体「ガンツ」によって蘇生され、異星人と戦わされる斬新な設定とド派手なバトルで人気を博しました。

 侵略戦争を仕掛けてきた異星人との最終決戦では、敵の宇宙船を舞台に、主人公「玄野計」を含む「ガンツメンバー」の戦いが繰り広げられます。そして激しい戦いの末に勝利した玄野と「加藤勝」は地球へと脱出し、最後は戦いを中継で見ていた人びとから感謝を伝えられながら、物語は幕を閉じました。

 感動的ではあるものの、戦いの決着から終幕までわずか数ページで描かれており、唐突に終わった印象を受ける終盤です。また、ガンツチームと敵対する元人間の「吸血鬼」たちの目的など、未回収の伏線もあったため、「本当にここで終わり?」「最初読んだ時、最終回だと気付かなかった」と感じた読者の声も多く出ていました。

(SU_BU)

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