「スパロボ」未参戦作品それぞれのワケ 『バイファム』は…なるほど参戦できないわ
マグミクス / 2024年11月23日 6時55分
■『エヴァンゲリオン』もスパロボ参戦に反対意見が
人気ゲームシリーズのひとつである「スーパーロボット大戦」シリーズ、通称「スパロボ」は、古今東西のスーパーロボットたちが共演するゲームで、最初の作品の発売から33年経過した、いまや定番のコンテンツです。
しかし、いまだにスパロボに参戦(作品として参加すること)していないロボットアニメ作品があります。それには、それぞれの事情があるといわれてきました。その理由について触れる前に、これまでのスパロボ参戦作品の歴史を振り返ってみましょう。
もともとスパロボは「機動戦士ガンダム」シリーズ、「マジンガーZ」シリーズ、「ゲッターロボ」シリーズの3作品、いわゆる御三家が中心になって始まりました。これを基準にして独自の世界観を構築、それに合わせて各スーパーロボット作品が参戦していったわけです。
しかしそのなかには、スパロボ参戦がファンのあいだで物議を醸した作品もありました。その最初となったのが、いまやスパロボの常連である『新世紀エヴァンゲリオン』です。
同作品は、こんにちではロボットアニメであるという意見が大多数でしょうが、TVアニメ放送直後に参戦した際には疑問視する声も少なくありませんでした。「エヴァンゲリオン」は人造人間であって、ロボットではないという人もいたからです。
このほかにも、『機動戦艦ナデシコ』は主力兵器としてロボットである「エステバリス」が登場するものの、「タイトルがロボットではない」ことなどを理由に拒否反応を示すファンもいました。いまでは無理やりな理屈と思う人もいることでしょう。しかし、ファンの考える参戦のルールというものは、それだけ個々に違っていました。
やがて、ロボットは出るものの変身ヒーローものである『宇宙の騎士テッカマンブレード』、スポーツが主体で本来は戦闘をしない『疾風!アイアンリーガー』、ロボットの登場が頻繁ではない『ケロロ軍曹』、ロボットが登場せず、戦艦同士の戦闘がメインの『宇宙戦艦ヤマト2199』といった作品の参戦が、徐々に参戦のハードルを下げていきました。
いまではスマホゲームという、常に変化を求められるジャンルの普及により、さらに自由度が増しています。特撮作品である『恐竜戦隊ジュウレンジャー』、劇中劇からの参戦であった『クレヨンしんちゃん』など、その自由度は当初とは比べ物にならないくらいにまで広がったといえるでしょう。
つまり、こういったファンから物議を醸す作品の参戦が、確実にスパロボの参戦ハードルを低くして、参戦の間口を徐々に広げてきたのでした。しかし、本来なら参戦してもおかしくない作品がいくつか未参戦のままです。それはなぜでしょうか。
■参戦のハードルを上げている大人の事情とは…
2021年に発売された30周年記念の現行最新作『スーパーロボット大戦30』(バンダイナムコエンターテインメント)
放送当時の人気も高く、アニメ雑誌の表紙を何度も飾り、いまでも登場するロボットの立体物が発売されている……それほどの作品でありながら、いまだにスパロボに参戦していないのが『銀河漂流バイファム』です。OVAは4作がリリースされ、本編放送から15年後にTVで外伝アニメ作品が放送されたこともありました。
『バイファム』が参戦しない理由、それはストーリーを思い出すとよく分かるかもしれません。戦争で星を追われた13人の子供たちが、異星人の捕虜となった家族を救出するため宇宙での旅を続けるというものです。
この13人の子供たちは、周囲の大人がすべていなくなったことで武器を持ちました。この作品のテーマといえるのが、そうした「大人のいない空間」です。この重要なポイントは、ほかの作品とからむことで瓦解することでしょう。つまり仮にスパロボで他作品と合流すれば、子供たちは保護される対象となり戦う理由を失うわけです。
これが『バイファム』の、スパロボ参戦を遠ざけている理由でしょうか。スパロボのプロデューサーであった寺田貴信さんも、この意見とほぼ同じコメントを過去に残していました。つまり『バイファム』をスパロボ参戦させるなら、相応の舞台が必要ということでしょう。
たとえば人気も知名度も高かった『戦闘メカ ザブングル』も、荒廃した地球が舞台だったことで長らく参戦できませんでした。それを未来の地球や、別次元の地球という形で参戦を果たします。つまり『バイファム』も、参戦するためには世界観の構築が必要なのでしょう。
『機甲艦隊ダイラガーXV』もいまだに参戦していない作品のひとつです。ロボットアニメのなかで、ややマイナーな作品という点も参戦していない理由かもしれません。ファンからは、15体合体でパイロットも15人も搭乗しているため、使用できる「精神コマンド」が多くなりすぎるから、ともいわれていました。
上記の理由もあるでしょうが、それ以上に深刻なのが版権問題です。『ダイラガー』は過去に『百獣王ゴライオン』と共に『ボルトロン』というタイトルへ改題し、海外で放送されて人気を博したことがありました。
これがきっかけで現在『ダイラガー』の版権は、『ボルトロン』として譲渡されて海外にあります。このことが参戦を難しくしているのでしょう。ちなみに『ゴライオン』はタイミングに恵まれ、スパロボ参戦を果たしています。
まったく事情が分からない作品といわれるのが『惑星ロボ ダンガードA』でしょうか。それゆえにさまざまなうわさも流れていますが、どれも信ぴょう性に欠けるものでした。当時の作品人気も高かったので、いまだに根強いファンも多い作品です。
このほかにも『マグネロボ ガ・キーン』や『超人戦隊バラタック』といった1970年代の人気作品、1990年代の人気シリーズである「勇者シリーズ」も半数がいまだに参加していません。
多くの未参戦作品は人気面や知名度から見送られていますが、そのなかにも別な理由がある作品もあります。スパロボファンのなかには、それぞれに参戦してほしい作品がある人もいることでしょう。いまだにスパロボに参戦しない理由を考えてみると、意外な事実を知ることになるかもしれません。
(加々美利治)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ディズニープラス、アニメラインナップ発表! 『ツイステッドワンダーランド』、『キャッツ・アイ』新作、2025年配信へ
クランクイン! / 2024年11月21日 17時0分
-
「いったい何体合体するんだい?」合体数の多いロボアニメ主役機 最多は驚異の15体!
マグミクス / 2024年11月18日 7時30分
-
劇場版『ガンダム00』観客ア然シリーズ初の超展開 けどやっぱ笑わせに来てるっしょ?
マグミクス / 2024年11月3日 6時35分
-
シビレるほどの鬱展開がいまに語り継がれるSFアニメ 憂鬱なときはホントに閲覧注意!
マグミクス / 2024年11月2日 8時25分
-
『トップをねらえ!』の「ガンバスター」最強説はガチ? そもそも最強って何だ!?
マグミクス / 2024年10月28日 21時55分
ランキング
-
1旅先での1枚が「Windows10すぎる」と300万表示! 分かる人には分かる“完全一致”に「共感しまくりです!」「マジじゃん」
ねとらぼ / 2024年11月22日 20時30分
-
2「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
ねとらぼ / 2024年11月22日 17時40分
-
3『崩壊:スターレイル』Ver.2.7予告番組の「シリアルコード」まとめ!使用期限は11月23日24時59分まで
インサイド / 2024年11月22日 21時19分
-
4イオシス、“あのスマホ”大量入荷 「待ってたぜェ、この瞬間をよォ!!」
ASCII.jp / 2024年11月22日 15時5分
-
5『崩壊:スターレイル』Ver.3.0新地域「オンパロス」の登場キャラが一挙公開!新たな運命「記憶」のバトルスタイルも判明【予告番組まとめ】
インサイド / 2024年11月22日 23時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください