過酷な肉体改造で演じた役が「ド変態」「R指定級」 衝撃しかなかった実写化キャラ

■ド変態だけどやっぱカワイイよ！江渡貝くぅん！

　見た目も性格も個性豊かなマンガ作品のキャラクターは、実写化された際、キャストの高い再現性が注目を集めることもあります。なかには、登場場面はそこまで多くないものの、ビジュアルの作り込みから演技に至るまで完璧に仕上げ、大きなインパクトを残したキャラクターもありました。

　2024年10月よりWOWOWで放送中のドラマ『ゴールデンカムイ　北海道刺青囚人争奪編』（原作：野田サトル）は、明治時代の北海道を舞台にアイヌの埋蔵金争奪戦を描いた作品で、各キャラクターの再現度の高さが話題です。なかでも、第6話で登場する剥製職人「江渡貝弥作」を演じた古川雄輝さんの役づくりが注目されています。

　かわいらしい好青年ながら母親から抑圧されて育った過去があり、人間の死体を素材に革細工や剥製を作るという狂気を持つ江渡貝を、古川さんは肉体改造と持ち前の柔らかな雰囲気で演じ切りました。なかでも、精巧な人皮の衣装を着こなして優雅にキャットウォークを披露する「ファッションショー」のシーンは、「美しさのベクトルが違うシーンを、綺麗な身体でうまく演じてくれた」「最初は自信なさそうなのに、ファッションショーで徐々に自信がついていく感じがガチ」と、絶賛されています。

　細身ながら鍛え抜かれた肉体美は、10kgの減量で体脂肪率を10％以下に絞り、腹筋を鍛えるなど徹底した努力の成果だそうです。オファーを受けた日から糖質制限を始めたという古川さんの役者魂に、称賛が集まりました。

　同様に肉体美と高い演技力で視聴者を魅了したのが、2021年放送のドラマ『岸辺露伴は動かない』第4話「ザ・ラン」で、「橋本陽馬」を演じた笠松将さんでした。マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』（原作：荒木飛呂彦）のスピンオフ実写ドラマで、陽馬は主人公「岸辺露伴（演：高橋一生）」がジムで出会ったモデルです。俳優志望の彼は、肉体改造を続けるうちに「筋肉の神」に取り憑かれていきました。

　笠松さんはプロのトレーナーの指導のもと初めての食事制限に挑戦するなど、陽馬に負けない肉体づくりに励みます。特にる恋人宅の天井でボルダリングをする恐怖のシーンでは、CGなしで筋力だけで天井にしがみつき、陽馬の異常性を体当たりで表現し高く評価されています。

　一方、「大増量」で悪役としての存在感を際立たせたのが、2019年公開の映画『宮本から君へ』（原作：新井英樹）で、主人公「宮本浩（演：池松壮亮）」が立ち向かう巨漢の宿敵「真淵拓馬」を演じた一ノ瀬ワタルさんです。拓馬は宮本の恋人「中野靖子（演：蒼井優）」に性的暴行を加える残酷な一面や、マンションの非常階段で宮本と決闘するシーンでの凶暴さなど、悪役としての存在感を示しました。

　圧倒的な肉体を持つラガーマンの真淵役に決まった一ノ瀬さんは、「1日ケーキ1ホール、生卵30個」といった極端な食事や筋トレにより、2か月で33kgの増量に成功しています。舞台あいさつでは原作への深い思い入れから、「この作品を撮り終わったら、死んでも良いと覚悟して挑んだ」と覚悟を持って挑んだことを明かしていました。

　その結果、巨漢の圧倒的な存在感を怪演し、一部の観客からは「初登場シーンだけでトラウマ」といわれるほどの悪役として、強烈な印象を与えました。R15+指定になるほどの強烈な場面だらけのなかでも、特にインパクトを残しています。

（LUIS FIELD）