「ガンダム」シリーズの「初出撃→即退場」なメカ それでも記憶に残るの逆に凄くね?
マグミクス / 2024年11月29日 6時50分
■インパクトだけはとにかく抜群でした
「ガンダム」シリーズには、現代の科学レベルではまだまだ実現できそうにないモビルスーツ(MS)/モビルアーマー(MA)が多数、登場します。それら一つひとつは、相応の時間や資金や人的コストが投入され開発されているはずです。にもかかわらず、いざ実戦投入されると即退場の憂き目に遭った機体も見られました。
●「アプサラスIII」(『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』)
OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場したMA「アプサラスIII」は、本編中に開発背景が触れられていることもあり、その幕切れには感じ入るところがあるのではないでしょうか。
そもそも本機は、没落名家「サハリン家」出身であるジオン公国軍の「ギニアス・サハリン」技術少将が、家名の再興のために多大な労力や投資と長い年月をかけて開発したものです。劇中、これにかけるギニアスの、恐ろしいまでの執念が描かれました。巻き込まれた妹「アイナ・サハリン」の労苦には、見るに忍びないものがあります。
「ミノフスキー・クラフト」、すなわち大気圏を飛行可能とする技術と、絶大な威力を誇る大型メガ粒子砲を備え、連邦軍の本拠地ジャブローを成層圏から一気に強襲するという目論見でした。ところが戦況のひっ迫はそれを許さず、自拠点防衛のために初出撃を迎えます。
結果、そのメガ粒子砲は山を貫通し、連邦軍の司令官が搭乗した大型陸戦艇「ビッグ・トレー」の艦橋を破壊するといった見せ場はあったものの、早々に航行不能のダメージを受け、最期は「陸戦型ガンダム」を現地改修した「ガンダムEz8」にとどめを刺されてしまいました。
ちなみに、『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』に登場し話題となった、ジオン公国軍の「ユーリ・ケラーネ」少将は、元々ギニアスの旧友という役どころでした。アプサラスIIIの開発中止を軍上層部に意見しようとし、ギニアスに謀殺されています。
●ザクレロ(『機動戦士ガンダム』)
その「アプサラスIII」よりも鮮烈な「出オチ」を演じたといえるのが、TV版『機動戦士ガンダム』に登場したMA「ザクレロ」ではないでしょうか。
それはひとえに、その見た目にあるといえるでしょう。リアルロボット路線の『機動戦士ガンダム』に突如、現れた、端的にいえばバケモノです。ツリ目に牙を剥いた口まわりなど、「兵器」としてこれを捉えるにはあまりに解釈が難しい意匠となっています。
とはいえ、戦場では「見た目」も重要です。事実、最初に対応した「ハヤト・コバヤシ」は、その見た目に気圧されたのか侮(あなど)ったのか、遠距離戦主体の「ガンダンク」を駆っていたにもかかわらずあっさりと接近を許し、近接戦闘では押されていました。
そのあとの「ガンダム」との戦闘も、「ザクレロ」のひとつの見せ場ではありました。後世「ケンタウロスガンダム」などと呼称される、下半身を「Gファイター」のBパーツに換装した「ガンダムMAモード」が相手で、ここだけ切り取ると、リアルロボット路線とは何なのかと思わされることでしょう。
ただ、劇伴音楽からしてさしたる盛り上がりのないまま、「ザクレロ」はガンダムの右腕に少しばかり損傷を与えるも、ビームサーベルのひと刺しで撃破されてしまいます。登場からここまで、わずか2分30秒ほどでした。
(マグミクス編集部)
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