『サザエさん』ワカメとタラちゃんがヒロポン中毒? 本当のジャンキーは誰なのか
マグミクス / 2025年1月5日 18時35分
■明るいサザエさん一家には裏の顔があった?
『サザエさん』には、いくつもの都市伝説があります。なかでも有名なのが、「ワカメ」と「タラオ」が「ヒロポン(覚醒剤)」を使用していたというものです。このうわさは、実際のマンガのコマの画像とともに、長らくネットで広まっていました。
戦時中、ヒロポンは疲労回復や眠気解消に効果があるとして、軍需工場で働く人たちなどに広く配布されていました。『サザエさん』の連載が始まった戦後すぐの時代も、ヒロポンは市販されており、そんな事実と長谷川町子先生による絵が合わさって、「ワカメとタラオがヒロポンを使用していた」といううわさが広まってしまったのです。
国民的な存在であるサザエさん一家のワカメとタラオと、明らかにブラックな存在である覚醒剤というギャップも、うわさの広がりにブーストをかけていました。人は明るいものの裏側にどす黒いものがあるのを知ると喜ぶものなのです。
結論から言うと、これは『サザエさん』ではなく、長谷川町子先生の『似たもの一家』という作品の1エピソードでした。作家の「伊佐坂難物」の一家が主人公で、連載終了時には一家がそのまま『サザエさん』に引っ越したことでも知られています。
ヒロポンを飲んだのは、伊佐坂家に預けられた子供の「ミヤコ」と「カンイチ」でした。似ていますが、ワカメとタラオではありません。子供たちは難物の書きもの机に置いてあったヒロポンを誤飲してしまったのです。
ところで、なぜ難物の机にヒロポンが置いてあったのでしょう? 難物は穏やかな顔をしますが、実際はジャンキーだったのでしょうか?
実はこの時期、芸能界や文学界にはヒロポンが蔓延していました。芸能界では、朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の主役のモデルになった笠置シヅ子さんもヒロポンを常用していたことで知られています。一方、文学界では、『堕落論』『白痴』で知られる坂口安吾先生や『夫婦善哉』などが人気を集めた織田作之助先生がヒロポンの常用者でした。特に織田作之助先生は1947年に33歳の若さで亡くなったとき、「ヒロポン」の乱用が死因ではないかと疑われ、大きな話題となりました。
『似たもの一家』の連載が始まったのは1949年であり、作家といえばヒロポンを常用しているというイメージが強かったのかもしれません。長谷川町子先生は風刺精神が強かったので、風刺の一種として難物の机にヒロポンが置かれていたのを描いた可能性も高いでしょう。
実は『サザエさん』にも覚醒剤が登場するエピソードがあります。年配の男性が薬局で「カクセイザイをくれたまえ」と買い物をしています。サザエによると、この人は「文士劇」をやるそうです。つまり、作家なのでしょう。ところが薬局は間違えて「スイミン剤」を売ってしまい、男性は爆睡してしまうというオチがつきます。
このエピソードからも、作家=覚醒剤というイメージが強かったことがよく分かります。今は磯野家の隣人として穏やかに暮らしている伊佐坂先生ですが、ヒロポン常用者だったのは明らかでしょう。はたして、どのように薬物を断ったのか、また実は今でも隠れて常用しているのかが気になるところです。
(大山くまお)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
7歳の少女に欲情し、いたずらしただけじゃない…《文京区小2女児殺害事件》22歳・薬物中毒男の「卑劣すぎる犯行手口」(1954年の事件)
文春オンライン / 2025年1月5日 17時0分
-
星宮くん登場で思い出す『サザエさん』幻の「学校」キャラたち マスオに求婚した子も?
マグミクス / 2024年12月29日 18時35分
-
『探偵!ナイトスクープ』、『サザエさん』を全話暗記する男は、まさかの世界チャンピオン
ORICON NEWS / 2024年12月20日 7時0分
-
織田作之助賞に町屋良平さん 小説「生きる演技」
共同通信 / 2024年12月19日 18時55分
-
2025年に『サザエさん』を「ガチ同い年」で実写化したら? みんな「若すぎ」「強すぎ」メンバー誕生か
マグミクス / 2024年12月15日 19時10分
ランキング
-
1マツコ 「夫が店員にヘコヘコ…恥ずかしい」愚痴る妻をバッサリ!「育ちが悪い女」「親の顔が見たい」
スポニチアネックス / 2025年1月6日 23時3分
-
2〝腐ったミカン〟俳優・直江喜一が吉本興業入り 上場企業管理職との二刀流継続、新喜劇でも「いい勉強」
よろず~ニュース / 2025年1月7日 7時7分
-
3山本耕史が女優に“バキバキ写真”を送りつけ「普通に嫌じゃない?」妻・堀北真希に集まる同情
週刊女性PRIME / 2025年1月6日 20時30分
-
4ダウンタウン、とんねるずは“持っていなかった”。“いま売れている芸人”が持っている「令和の視聴者が求める要素」とは
日刊SPA! / 2025年1月7日 8時52分
-
5「こころ旅」まさかの代役にネット衝撃「ダントツ1位の驚き」「予想外」「意外すぎる」「びっくり過ぎた」
スポーツ報知 / 2025年1月7日 5時7分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください