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『機動戦士ガンダム』映画化に期待の人気エピ第14話「時間よ止まれ」だけど不要論も?

マグミクス / 2024年12月16日 6時50分

『機動戦士ガンダム』映画化に期待の人気エピ第14話「時間よ止まれ」だけど不要論も?

■MS同士の派手な戦闘こそありませんが

 劇場版『機動戦士ガンダム』三部作は、ご存じのようにTV版全43話を再編集したダイジェスト版といえるものです。そこにはもちろん、まるっとカットされたエピソードもあります。

 広く知られるところでは、第15話「ククルス・ドアンの島」が挙げられるでしょうか。こちらは上述した三部作ではカットされたものの、リメイク作品として映画化され、2022年6月3日に『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』として劇場公開されています。

 こうした一連の動きから、劇場版からこぼれたエピソードを改めてリメイクしてほしいという声が活気づきました。そうしたなか、劇場版三部作公開時より意見の割れるエピソードのひとつが、第14話「時間よ止まれ」でしょう。

「クワラン曹長」ら、地球に派兵された若いジオン兵を主役に据えたエピソードで、かんたんにいうと、戦功を立て故郷の「サイド3」に帰りたい彼らが「ガンダム」に時限爆弾を仕掛け、これを「アムロ・レイ」が解除するというお話です。上述した「ククルス・ドアンの島」と同様、いわば単発エピソードであり、物語の全体に大きく関わるような内容ではありません。

 こうしたことから、地味でもあり、なくても支障のないエピソードである、という声も、劇場版三部作公開当時から聞かれてきました。

 同時に、この第14話を高く評価する声も、当時から大いに聞かれます。

 たとえば、クワランが虫の羽音を聞いて「(作戦が)うまくいきゃあ本国に帰れるぞ。こんな虫のいない清潔なジオンの本国によ」と漏らすシーンには、多くの賛辞が寄せられてきました。彼らがスペースノイド(宇宙居住者)であり、地球の環境は彼らにとって決して快適なものではないことや、彼らが作戦に身を投じる動機などが、このひと言に凝縮されているというわけです。

 アムロがひとり爆弾解除に勤しむなか、ホワイトベースでは「フラウ・ボウ」が「なんでみんなで助けないんですか?」と涙ながらに「ブライト・ノア」へ詰問し、ブライトは「犠牲者をひとりでも少なくするためにはアムロにやってもらう以外にはない」と返します。残酷な選択が時には最善であるというシビアさは、迫る爆発の刻限とあわせ、大いに緊張感を高めているといえるでしょう。

 さらには、爆弾を仕掛けた側であるはずのクワランたちも、アムロの姿にハラハラしてしまうというのは、敵味方などと単純には割り切れない、実に人間味にあふれる描写といえるのではないでしょうか。すべてが終わったのち、わざわざ民間人を装ってアムロたちを労いに現れるというシーンも、広く称賛されてきました。

 本エピソードのシナリオには富野(喜幸)由悠季監督がクレジットされ、さらには斧谷稔名義で絵コンテにも関わっています。評価が高いのも納得、といったところでしょうか。

 クワランたちを主人公に据えた、本エピソードの前日譚を描くマンガ『機動戦士ガンダム U.C.HARD GRAPH 鉄の駻馬』(著:夏元雅人/原作:矢立肇/監修:今西隆志、サンライズ、バンダイホビー事業部/KADOKAWA)も発表されており、ネット上ではこれと第14話をあわせれば「映画1本ぶんくらいの尺になるのでは」といった声が聞かれます。そのようように期待を寄せているファンの規模は、ワンチャン映画化あるかも? と思わせてくれるくらいには大きいようです。

(マグミクス編集部)

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