『ドラクエ』ハッピーエンドとは言えない…“主人公たちの末路”があまりに切ない

■大魔王を倒してハッピーエンド！　…ではない？

　HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』では、勇者の父「オルテガ」のエピソードが追加され、別れのシーンも悲しみが増すものとなりました。そして、プレイヤーの分身である勇者もまた、ハッピーエンドとはいえない、ビターなエンディングを迎えます。

　ファミコン版の時代から、「大魔王ゾーマ」を倒すことでアレフガルドと上の世界を行き来することができなくなり、母が（義父はいるものの）ひとり「アリアハン」に残されてしまい、「勇者とお母さんがかわいそう……」と語られてきました。HD-2D版のエンディングでは、勇者と母の姿がより切なく描かれています。

　また、「世界を救ったのに不幸な勇者」として語られるのが『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』の主人公です。ラスボスである「デスピサロ」を倒した導かれし者たちは、気球に乗ってそれぞれの故郷へと帰ってゆきます。しかし、勇者の故郷はピサロによって滅ぼされていました。

　たったひとり戻った勇者は、自分の身代わりになって死んだはずの「シンシア」と再会し、故郷に戻ったはずの仲間たちも集まります。シンシアが不思議な力で蘇ったハッピーエンド、ともとれますが、ファンの間では「不自然さがある。勇者の見た幻では？」とも語られています。また、本当に蘇ったとしてもシンシアのみで、育ての親や村の人びとは戻ってきません。

　さらに壮絶な「その後」が描かれた主人公は、『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』の「ローレシアの王子」です。『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』の後日談を描いたコミカライズ作品『ドラゴンクエストモンスターズ＋』（作：吉崎観音）では、「破壊神シドー」を倒した者として、人びとから恐れられる存在になっています。

　彼はローレシアの王位を継ぐものの、「実は魔物なのではないか」とまで疑われるようになり、国を出ることになります。その後、王を失ったローレシアは滅亡してしまいます。スピンオフ作品とはいえ、世界を救った勇者の、あまりに悲惨な末路です。

　HD-2D版『ドラゴンクエストI＆II』で、今まで明かされなかった設定が追加されるかもしれません。

HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』：
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（マグミクス編集部）