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賛否の声は名作たる証拠? 「最終回」で物議を醸したマンガ3選

マグミクス / 2024年12月19日 12時10分

賛否の声は名作たる証拠? 「最終回」で物議を醸したマンガ3選

■この最終回は「アリ」でしたか?

 謎が謎を呼ぶ展開、手に汗握る戦い、感動的な人間ドラマ……。物語の内容が面白ければ面白いほど、最終回への期待は自ずと高まるものです。それゆえに世間の高すぎるハードルをうまく飛び越えられず、最終回で物議を醸してしまったマンガ作品は少なくありません。

※この記事には『【推しの子】』『20世紀少年』『DEATH NOTE』の最終回について触れています。

 最近では「週刊ヤングジャンプ」で連載されていた『【推しの子】』が激動の最終回を迎え、大きな話題となりました。同作は『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』の赤坂アカ先生と『クズの本懐』などで知られる横槍メンゴ先生がタッグを組み、芸能界のリアルを描いた転生サスペンスで、アニメ化も実写化も果たした人気作品です。

 それだけに衝撃的な終盤の展開は、ネット上で賛否を巻き起こし、最終回についても「まるで打ち切りみたいなラスト」「『えっ? これで終わり?』って感じで消化不良」「多くの謎が謎のまま終わった」という声があがる一方で、「そこまで叩かれるような終わり方ではない」「むしろめっちゃ良い最終回だった」と、意見が真っ二つに分かれました。

 こうした読者の反応を受けてか、作画担当の横槍先生が自身のX(旧:Twitter)で「私が内容に触れないのは何を呟いても傷つく人は出てしまうのと、それだけ全身全霊作画に込めたからです」と最終回について言及し、読者に感想を委ねることを示唆する事態にまで発展しました。

 浦沢直樹先生の『20世紀少年』もこの手の話題に欠かせません。同作は、20世紀の終わりに世界滅亡を企む謎の存在「ともだち」とそれを阻止しようとする主人公たちの物語で、2008年から2009年にかけて全3部作で実写映画化を果たしました。

 物語の最終回では、ついに作中最大の謎であった「ともだち」の正体が明らかになるものの、多くの読者が膨らませた予想とは裏腹に、その正体はあまりにも地味な人物でした。おまけになぜ「ともだち」になったのか、という部分については詳細に描かれておらず、いくつかの伏線も回収されないまま終わったこともあり、肩透かしを感じてしまった人が少なくなかったようです。

 ちなみに「ともだち」の背景については、2009年公開の実写映画『20世紀少年 最終章 ぼくらの旗』で分かりやすく掘り下げられています。原作では描かれなかった「ともだち」の素顔も明らかになっており、後に発売された『21 世紀少年 完全版』では、映画の内容に準拠したエンディングが追加収録されていました。

 賛否両論を招いた最終回といえば、大場つぐみ先生と小畑健先生による『DEATH NOTE』もその代表格です。はじめは名前を書いた人間を死なせることができる「デスノート」を使って新世界の神になろうとする「夜神月」と、世界最高の探偵「L」による頭脳戦が展開されましたが、やがてLは戦いに敗れて死んでしまいます。彼の意志を継いだ探偵「ニア」が月を追い詰め、世界に平和が戻るというラストでした。

 ただ読者のなかにはニアの勝利を受け入れられない人も多く、ネット上には「月の勝利エンドが見たかった」という声や、「主人公敗北エンドならLに勝ってほしかった」などの意見があがっていました。

 いずれの作品も最終回こそ物議を醸しましたが、同時に名作であることに間違いありません。むしろ物語が面白く、多くの人が注目していた作品だったからこそ、最終回にこれだけの賛否が巻き起こったのかもしれませんね。

(ハララ書房)

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