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『ママとあそぼう!ピンポンパン』の思い出 画面の中の姉が不思議だった幼少期

マグミクス / 2020年5月5日 8時10分

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■自分も「おもちゃの木」に飛び込みたかった

 1966年10月3日から1982年3月31日まで放送された『ママとあそぼう!ピンポンパン』(1970年4月から1971年9月までは『みんなであそぼう!ピンポンパン』)は、個性的なマスコットキャラや歌のお兄さん、お姉さんたちとともに一般参加の子供たちが歌って踊る子供番組でした。特に番組の最後、「おもちゃの木」に用意されたおもちゃを取りに行く様子は、番組を見ていた子供たちにとって大きな憧れでした。姉が『ピンポンパン』に出演した際に「おもちゃの木」から持ち帰ってきた、お人形さんの家がうらやましくて仕方がなかったライターの早川清一朗さんが当時の悔しさを語ります。

* * *

 その日、まだ小さかった筆者は、父親が務めていた会社の社宅の、若い女性社員の方の部屋に預けられていた記憶があります。

やがて迎えに来た母親と共に家に帰ると、姉がピンク色のお人形さんの家で楽しそうに遊んでいました。そう、この日の母と姉は『ピンポンパン』の収録に出かけていたのです。姉が遊んでいるお人形さんの家は、当然「おもちゃの木」から持ち返ってきたもの。 いつも『ピンポンパン』でおもちゃを我先にと取りに行く子供たちをうらやましく思っていましたが、この日は目の前におもちゃを持ち帰った姉がいるのです。それは悔しくてうらやましくて仕方がありませんでした。

 ちなみに一時、『ピンポンパン』のおもちゃはあとで回収されるといううわさが立ったことがありますが、姉に確認したところ、そんなことはなくおもちゃはそのまま持ち帰れたそうです。おもちゃをもらって大喜びしている子供たちから取り上げようものならみんな泣き叫ぶでしょうし、お母さんたちだって怒るでしょうから、よく考えれば回収は無理な話でしょう。

 なお、母に出演の経緯を確認したところ、「幼稚園のバスが一緒だった他のお母さんが出ようと言い始めて、いつのまにか出演が決まった」ということでした。特に事務所に所属する必要もなく、そんな軽いノリでTV番組に出られたというところに、時代を感じます。1975年以降は「ビッグ・マンモス」という子役グループがレギュラー出演しており、姉の出演はそれ以降のため、子役グループと一般の子供が一緒に出演していたのではないかと思われます。

 その後しばらくしてから放送された姉の出演回は、内容こそもう覚えていませんが、河童のカータンと姉が同じ画面のなかにいるのを、とても不思議な気分で見ていたような記憶があります。

■大ヒット曲だった『ピンポンパン体操』

『ママとあそぼう! ピンポンパン DVD-BOX』(ポニーキャニオン)

 さて、『ピンポンパン』と聞いて思い出すのが、番組中に流れる歌の数々です。なかでも1971年に番組内でお遊戯の曲として使われた『ピンポンパン体操』は作詞が阿久悠、作曲が小林亜星と一流のヒットメーカーが名を連ねており、260万枚のレコードを売り上げるほどの大ヒット作品となりました。その後『ピンポンパン体操』はさまざまなバージョンが作られ続けており、見ていた時期によって、印象に残っている曲が微妙に違っているようです。筆者の脳には1978年の『ピンポンパン体操 ミクロの探検隊』が一番強く刻み込まれています。

 番組中に出演していたお兄さんやお姉さんたちも、印象深い方々がそろっています。番組の最後に「おもちゃへ行こう!」と掛け声をあげていた新兵ちゃんこと坂本新兵氏はなんと初回から最終回まで全話に出演しています。坂本氏は残念ながら1996年に61歳で他界しています。

 歌のお姉さんは代々フジテレビの若手女性アナウンサーが担当しており、初代が渡辺直子さん、2代目が石毛恭子さん、3代目は酒井ゆきえさん、4代目が大野かおりさん、5代目が井上佳子さんでした。筆者が見ていた時代は、ちょうど酒井ゆきえさんに当たるようです。酒井さんは1975年から1979年まで歌のお姉さんを務め、歴代のお姉さんのなかでも一番人気があったと言われています。『ピンポンパン』卒業後はフジテレビとの契約を終了し、フリーへと転身。2020年現在は一般社団法人日本国際文化協会の理事を務めています。

『ひらけ!ポンキッキ』と共にフジテレビの朝の顔として長く親しまれた『ピンポンパン』ですが、1980年ごろから徐々に人気が低下、番組の顔として親しまれていた河童のカータンを降板させるなどリニューアルを図りますが人気の回復には至らず、1982年にフィナーレを迎えてしまいました。

 それでも『ピンポンパン』を子供の頃に見ていた方々からの人気は根強いものがあり、2013年には『ママとあそぼう!ピンポンパン DVD-BOX』が発売されています。2019年には「ビッグ・マンモス」や歴代のお姉さんごとに使用された楽曲をまとめた「ママとあそぼう!ピンポンパン SONG COLLECTION」シリーズも発売されました(渡辺直子さんの時代は未収録)。

 当時の楽曲を聞いていると、もう忘れていたはずの思い出が、次々とあふれてきます。1日のうちのほんの数分、過去を懐かしむ時間を持つことが、日々の生活の癒しになるかもしれません。

(ライター 早川清一朗)

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