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ウルトラマンは裸で戦ってる? 「着衣しているのか」論争 マントの存在がややこしくしてる?

マグミクス / 2025年1月1日 9時35分

ウルトラマンは裸で戦ってる? 「着衣しているのか」論争 マントの存在がややこしくしてる?

■全裸か着衣か… ウルトラマンの生みの親はなんと言っている?

 世の中にはさまざまな疑問があふれかえっておりますが、半世紀以上、議論が尽くされ未だ決着がついていないのが以下です。

「ウルトラマンは全裸なのか それとも着衣なのか」

『ウルトラマン』放送開始の1966年以来、この疑問はファンの心の隅にフワフワ浮いていました。さらに一度気になってしまうと特撮ファン以外でも頭を悩ませてしまうのがこの疑問の厄介なところで、ひとつの命題といっても差し支えないでしょう。

 ウルトラマンのボディを改めて眺めてみましょう。ベースは銀色で、その上に特徴的な赤のラインがスッと引かれています。なるほど、腰から足にかけてのラインはスパッツのようであり「着衣」状態のようにも見えます。

 半世紀以上、識者を巻き込んで議論が交わされているこの「全裸か着衣か問題」について見ていきましょう。

 まず代表的な見立てとして銀色は「地肌」であり、赤い部分が服という説。非常にシンプルながらもどこか直感に合った見立てです。この見立ての場合、ウルトラマンは本来、服を脱いだら「銀色の巨人」になるということです。

 さてこの「赤が服」説を支持すると気の毒なのが「ウルトラマンA(エース)」です。彼の赤ラインは股間を覆い隠しておりません。丸出しということになってしまうのですが、あくまでもこれは地球人感覚であり、その感覚をウルトラ戦士に押し付けてはなりません。

 なお柳田理科雄先生もやはり著書『空想科学読本9』の中でこの問題に関して深く言及されており、仮に「ウルトラ戦士」が全裸だった場合、ウルトラセブンは裸で頭に刃を乗っけていることになるなどスリリングな話を展開しています。

 そもそもこの他の「ウルトラ戦士」たちの登場こそが「全裸か着衣か」問題をややこしくさせている要因といえます。

 例えばウルトラセブンは全身が赤で、銀色ラインはわずかばかり。胸部、肩とプロテクターに覆われています。実際、生みの親である成田亨さんも著書『特撮と怪獣 わが造形美術』において、セブンのデザインに関しては(アクターさんの体型を鑑みて)「鎧をかぶったようにしました」と述べておられます。それにセブンはウルトラマンと違いブーツと手袋がはっきり見えています。

 では、それすなわちセブンが着衣なのかといえばこれもまた難しいところ。

 いずれにせよ、本来独立していた企画であった『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』がのちにひとつの世界観に載せられたことで「全裸か着衣か」議論は加熱し、あまつさえウルトラ戦士がマントを着用する場面も増えたことで「それは全裸にマントなのか?」という新たな疑問が生まれてしまうのです。まったく、なんて楽しいのでしょうか。

■「ウルトラマンの生みの親」の見解は?

『特撮と怪獣 わが造形美術 増補改訂版』(リットーミュージック))

 原点にかえって改めてウルトラマンの姿を眺めましょう。赤のラインに銀のベースは同じ地肌で同じ筋肉の躍動を感じています。足はブーツのようで、境目が分かりません。前出の成田亨さんの著書においてウルトラマンのデザインに関連して次のように書かれています。

「宇宙人らしく、もう肌なのか服なのかわからんようにしてしまうと、そういう発想なんですよ」

 生みの親がそう述べていらっしゃるのであれば、少なくともウルトラマンにおいては「どっちでも良い」がひとつの答えなのでしょう。だからこそこの議論はいまもなお続けられるのです。

 なお、筆者は、全裸だと思っています。

(片野)

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