『ガンダム』えっ…「ボール」がカッコいい!? 「丸い棺桶」のウソみたいな大金星
マグミクス / 2025年1月6日 6時50分
■その奇跡のシーンとは?
「ガンダム」シリーズのファンなら、一度くらいは「もしも自分が作中のパイロットだったら……」と妄想したことがあるのではないでしょうか。主役機のようなハイスペックなモビルスーツに乗ってみたいなどと憧れる一方で、「あれだけは乗りたくない……」と思った機体もあるはずです。
そのような「乗りたくない機体」の筆頭に名前が挙がりそうなのが、地球連邦軍のモビルポッド「ボール」ではないでしょうか。「丸い棺桶」と揶揄され、いともたやすく撃破されていく切ないシーンばかりが思い出されます。
しかし、長い歴史を誇るガンダム作品のなかには、そのボールが大きな戦果を挙げるシーンも存在しました。
●屈指のやられメカ「ボール」が輝いた瞬間
ボールの大金星が描かれた作品として有名なのが、OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』です。ジオン公国軍の「アイナ・サハリン」が搭乗する「宇宙用高機動試験型ザク」と、連邦軍の「シロー・アマダ」が乗る「ボールK型」(先行量産型ボール)が激突します。
アイナの乗るザクはただのザクではなく、高い機動性能を誇る試験機でした。それにボールで挑んだシローは、宙域に漂う残骸に隠れながらひそかに近づき、射出した作業用ワイヤーをザクに巻きつけて接近戦に臨みます。そのままシローは、ボールの2連装機銃「フィフティーン・キャリバー」によるゼロ距離射撃を行い、ザクとボールはどちらも爆散しました。
ボールで一対一の勝負を挑み、相打ちにまで持ち込んだのは、相手の機体性能を考えると十分すぎる戦果といえるでしょう。
また、万乗大智先生が手がけるマンガ『機動戦士ガンダム アグレッサー』では、サブアームに「陸戦型ガンダム」のシールドを装備した宇宙空間作業用のボールが登場します。このボールもボールK型と同様のフィフティーン・キャリバーが搭載されていました。
作中、凄腕のスナイパー「タイタス中尉」が乗る「ゴースト」こと狙撃仕様の「ザク・フリッパー」は、単騎で神出鬼没の動きを見せて連邦艦隊を翻弄します。そのゴーストに果敢に挑んだのが、ボールK型に乗り込んだ主人公「チェイス・スカルガード」でした。
デブリに隠れながらゴーストの背後をとったチェイスは、ボールK型で近接戦闘を挑みます。盾を巧みに活用してゴーストの攻撃をいなしながら、ボールで体当たりすると、盾の中に隠し持っていたハンド・グレネードを炸裂させてゴーストを撃破しました。
このほかにも長谷川裕一先生によるマンガ『機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』には、ボールに自作のガンダムフェイスをくっつけた現地改修機「Bガンダム」が登場します。同機のパイロット「ウモン・サモン」は、この奇妙なボールで6機の「リック・ドム」を撃墜するという快挙を成し遂げました。
もともと宇宙用作業ポッドをベースに設計されたボールは、安価に大量生産できることが売りの急造品にすぎません。アニメ『機動戦士ガンダム』で、連邦サイドの代表的なやられメカとして描かれたのは致し方ないところでしょう。
それだけに、そのようなボールに乗って挙げた戦果は、通常のモビルスーツによる戦果以上に貴重なものといえそうです。
(大那イブキ)
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