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『ガンダム』もはや別の世界線「トミノメモ」 ギレンを殺した予想外の人物とは?

マグミクス / 2025年1月8日 7時15分

『ガンダム』もはや別の世界線「トミノメモ」 ギレンを殺した予想外の人物とは?

■第37話からが大きく異なるトミノメモ

 いまや誰もが知っているといっても過言ではない「ガンダム」シリーズの、最初のTVアニメ作品『機動戦士ガンダム』が放送を打ち切られていたことは、ファンならば周知の事実でしょう。しかし本来の予定通り1年間、放送されていた場合の展開を知る人は少ないかもしれません。

 TVアニメ『機動戦士ガンダム』は10か月、全43話にて放送されました。しかし、本来は1年、全52話を予定していたのです。この52話で描かれる予定だった物語を知るすべはあるのでしょうか。実は「トミノメモ」と呼ばれるシノプシスがありました。

 そのトミノメモは公表されています。放送終了直後の1980年、日本サンライズ(当時)が発行した「機動戦士ガンダム記録全集(5)」に、第37話から第52話までのトミノメモが記載されていました。ちなみに第36話以前は実際に制作されたものと大きく変わらないので省かれています。

 放送されたTV版で第36話というと、「ソロモン攻略戦」まででした。つまり「テキサス・コロニー」以降の展開が当初の予定から短縮されたというわけです。その物語を大まかに追ってみましょう。

 内容の密度に差はあれど、テキサスでの戦闘、「マ・クベ」の死、「シャリア・ブル」との激闘といった展開はほぼ一緒でした。TV版ではこの後、月面都市「グラナダ」を無視して「ジオン公国」の宇宙要塞「ア・バオア・クー」へと向かうわけですが、ここから物語は大きく変わります。

 トミノメモでは、「地球連邦軍」は拠点である「ルナツー」に一度、集結し、そこからグラナダに侵攻しました。この戦いでジオン側は敗北、「キシリア・ザビ」は「シャア・アズナブル」によって刺殺されます。

 その後、シャアは「ギレン・ザビ」に取り入って、打倒「ガンダム」を目標に行動するようになりました。ちなみにトミノメモではシャアの搭乗するMS(モビルスーツ)がこと細かに記載されています。

 テキサスでは重火砲タイプの「ギャン(ゲルググの仮称)」、グラナダでは「キケロガ」、月面ではキシリアとともに「アッザム改」に搭乗し、「ララァ・スン」の護衛時には「ガルバルディ」、そして最後に「ガラバ」と、打倒ガンダムのために次々とMSを乗り換えていました。

 そしてグラナダ以降の戦いは、TV版でもおなじみの「アムロ・レイ」とララァの対決となります。ここで驚くべき点は、ララァの乗る「エルメス」がTV版とは少々異なる能力でガンダムを苦しめることでしょうか。

■トミノメモに記されたエルメスの驚くべき性能

商品名はワケあり。「1/550 MAN-08 ララァ・スン専用モビルアーマー」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 トミノメモに記載されていたエルメスの武器は「ドク」といいます。TVシリーズの「ビット」と同じ武器だと思いますが、その運用方法はTV版と大きく違いました。なにせエルメスは月の地下深くに潜伏し、かなりの長距離からドクを操作していたからです。

 あくまでシノプシスなので推測も入りますが、おそらく月面の地下空洞のような場所なのでしょう。アムロはここへ「Gブル」で突入、その後ガンダムに換装してエルメスと対峙します。そして、この戦いでララァはシャアをかばって散っていくのでした。

 ちなみにトミノメモでは、ララァがガンダムからシャアを救ったのはこの時で3度目と記載されています。

 その後、ジオンの制空圏内への偵察を命じられた「ホワイトベース」は、偶然から和平交渉をしようと先行していた「デギン・ソド・ザビ」と出会うことになりました。そしてデギンは「セイラ・マス」と会談することになります。

 自分を討っていいとデギンに言われるセイラは、兄とは違うとそれを拒絶しました。しかし和平を快く思わないギレンの大部隊により、デギンは搭乗するグワジン・タイプの戦艦「デギン」とともに散っていきます。

 ちなみにここでデギンの秘書として「クスコ・アル」という女性が登場しました。このクスコ・アルは「ブライト・ノア」が思いを寄せていた女性です。そのため、ブライトはクスコ・アルを追ってホワイトベースを降り、一時的に「ミライ・ヤシマ」が艦長代理を務めるという展開がありました。

 その後、サイド3に向かっていた地球連邦軍艦隊の半数が消滅します。それはジオン側の秘密兵器「ソーラ・レイ」によるものでした。このソーラ・レイの原理はシャアがギレンに提言したものです。そして2射目の攻撃で「レビル将軍」の本隊も消失しました。

 残されたホワイトベースと少数の艦艇は、レビルの最後の命令に従ってサイド3へと侵攻します。そしてギレンをサイド3のコロニーのひとつ、要塞都市ア・バオア・クーへと追い詰めました。しかしホワイトベースもガンダムも大破して、クルーたちは生身での戦いを強いられてしまいます。

 この時、拳銃一丁で戦うアムロをギレンのもとへと案内したのがシャアでした。ほかのホワイトベースクルーの援護を受け、アムロはギレンと対峙します。そしてアムロの銃撃によりギレンは倒されました。

 しかし、死の間際にギレンは自爆装置を起動させます。アムロはララァの力を借りてホワイトベースクルーの脱出を誘導、自身も半壊したガンダムで脱出しました。そして宇宙世紀0080年1月3日、地球連邦政府とジオン共和国の間で和平交渉が成立します。

 以上がトミノメモに書かれた、『機動戦士ガンダム』が全52話だった場合の物語でした。どちらがいいということはありませんが、この物語もまた観てみたかったと感じます。そして、もしもトミノメモのように全52話で制作された場合、その後の「ガンダム」シリーズがどのようになっていたか興味は尽きません。

(加々美利治)

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