設定では“そっくり”な双子←「いや、違うだろ?」とつっこみが… もはや「作画事故」だった平成アニメ3選
マグミクス / 2025年1月9日 19時35分
■「作画崩壊」というより「作画事故」!
アニメの「作画崩壊」といえば、一般的にキャラクターの造形などが崩れていることを指す言葉です。しかし、これまでのアニメ史を振り返ってみると、そうした一般的な事例とは次元が異なる、トンデモ作画崩壊が数多く起こっていました。
例えばアニメ『ひだまりスケッチ』の「富士山事件」は有名です。同作は蒼樹うめ先生のマンガを原作とした日常系アニメで、2007年に第1期が放送スタート、そこから第4期まで制作されました。
事件が起こったのは、アニメ第1期の10話「ゆのさま」です。この回は、主人公であるゆのたちが銭湯「まさのゆ」を訪れるというお話でした。いわゆる温泉回ということで注目を集めましたが、制作スケジュールが切迫していたのか止め絵の多い、まるで紙芝居のような状態で当時放送されました。
極めつけは主人公たちがお風呂に浸かるシーンで、湯船の背景には「富士山」の文字だけが描かれていたのです。あまりにアバンギャルドな画面構成に、視聴者たちは果たしてこういう演出なのか、それとも本当は富士山の画を描きたかったのに間に合わなかったのか、判断がつかず困惑することとなります。ちなみに後に発売されたパッケージ版では、富士山が描かれた銭湯の壁に修正されていました。
同じ平成アニメでいえば、モンキー・パンチ先生原作の時代劇ガンアクションアニメ『MUSASHI-GUN道-』も忘れてはなりません。放送初期からにわかに理解しがたい作画崩壊が多く見られ、いろいろな意味で伝説となった作品ですが、なかでも第14話「水没した城」に登場した「信玄餅」はあまりにも衝撃的でした。
一般的に知られている信玄餅といえば、柔らかい餅にきな粉をまぶし、黒蜜をかけて食べる和菓子を指します。しかし同作において、アヤカシとして蘇った武田信玄の前に差し出された信玄餅は、白、赤、青でグロテスクに着色された謎の物体でした。
もはや食べ物かどうかも怪しい謎の信玄餅は「アヤカシ信玄餅」という名で、同作の作画崩壊を象徴するものとして語り継がれていくことになります。ちなみに当時のアニメスタッフと思われる人物がX(旧Twitter)を通して語ったところによると、どうやら色換え前の仮塗りデータがそのまま本撮されてしまったそうで、オンエアを観たときは「俺も二度見したよ」と語っていました。
少し変わった作画崩壊を起こしていたのが、1992年放送開始のアニメ『宇宙の騎士テッカマンブレード』です。同作の主人公であるDボゥイこと「相羽タカヤ」には、「相羽シンヤ」という双子の弟がいます。作中でもほかの登場人物から「そっくり」と評されているのですが、これが驚くほどまったく似ていません。
というのも、もともとキャラクターデザインは『機動戦士Zガンダム』の原画などに携わっていた佐野浩敏さんが務める予定でしたが、多忙だったために主人公含む3名しかデザインできず、残りのキャラクターデザインはほかの人が担当しています。その結果、双子なのに顔が全然似ていないという、珍しいタイプの作画崩壊が起きてしまったのです。
特に彼らが雌雄を決した第48話「壮烈!エビル死す」にて、シンヤが「できるかい。兄さんと同じ顔の俺を……」と尋ねる名シーンには、多くの人が「どこが同じ顔だ!」とツッコミを入れたのではないでしょうか。
(ハララ書房)
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