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『釣りキチ三平』が教えてくれたこと 子供に見せたら釣り具一式揃えるハメに?

マグミクス / 2020年5月11日 18時10分

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■『釣りキチ三平』を見て釣りを始めた

 2020年5月11日(月)からファミリー劇場で毎週月~木6時半より、TVアニメ『釣りキチ三平』HDリマスター版が放送されています。1980年から82年にかけてフジテレビで放送された『釣りキチ三平』は、当時の子供たちの間に釣りブームを起こすほどの人気作で、巨大な魚との激闘やワカサギのような小さな魚との繊細な勝負を紹介するだけではなく、今は見ることができないガチンコ漁などさまざまな釣り・漁法などを伝える文化の伝道者としても大きな役割を果たしました。『釣りキチ三平』を見て釣りを始め、今でも年に数回釣りに出かけているライターの早川清一朗さんが思い出を語ります。

* * *

 筆者は釣りが好きで、年に数回は釣り仲間と一緒に竿を出しに出かけます。とはいえ腕は良くないので、釣ろうと思って釣れるのは、今も昔もハゼくらいです。

 そんな筆者が釣りを始めたきっかけが、子供の頃に見たTVアニメ『釣りキチ三平』です。天才釣り少年である主人公の三平が、毎回さまざまな場所でさまざまな仕掛けを使い、多種多様な魚を緊迫感溢れる勝負の末に釣りあげるストーリーは、まだ幼い筆者にとって「ああ、世の中にはこんな魚がいるのか。こんな釣り方があるのか」と、魚や釣りについて、いろいろなことを教えてくれる教科書のような存在でした。

 鮎の友釣りに簗(やな)漁、カツオの一本釣り、カジカの夜突き、ヘラブナ釣り、氷に穴を開けてのワカサギ釣り。ムツゴロウのムツカケ、投網、トローリング、ルアー釣り。そして釣った魚はきちんと食べる。すべて、三平が教えてくれたのです。

 当然、印象に残っている話はたくさんありますが、なかでも特に思い出深いのがガッチン漁(ガチンコ漁)です。アニメでは72話「ガッチンガン鉄」に登場する、ハンマーで水中の石を叩き、水の中で寝ている魚を気絶させて採る漁法です。この話を見た当時の筆者は「そんな方法があるのか!」と驚いて、近所の川でトンカチを使って試してみましたが、魚が浮かび上がるどころか手が痛くなってすぐにやめてしまったことを覚えています。現代の日本ではほとんどの河川では禁止されているそうなので、リベンジできないのが少々残念です。

■いろいろな社会問題も教えてくれた

 他にも金色の鯉のお話で砂金の存在や砂金採りという仕事がかつて存在していたことや、ブラックバスが他の魚を食べつくしてしまう凶悪な魚であること、マナーの悪い釣り人が捨てたゴミによって自然が破壊されることなど、釣り以外にも多くのことを学ばせてもらいました。

『釣りキチ三平』のように数多くの文化や社会問題を取り扱いながらも、釣りというメインテーマからは決して離れることが無い骨太な作品は、アニメの歴史を見ても、そうたくさんはありません。未見の方やお子さんのいる方は、今回のファミリー劇場での再放送を、ぜひ見てほしいと思います。ただしお子さんが「釣りに行きたい!」と言い出して、釣り具一式をそろえる羽目になるかもしれませんが、そこは何とかしてあげてくださればと思います。筆者は釣り具を扱っているダイソーが近所にあるので、その点では大分助かっています。

 昔は『釣りキチ三平』の釣り針が50円で売られていたので愛用していたことをよく覚えています。今ではもう手に入らないでしょうが、もし見つけられたら、また使ってみたいと思う思い出の品です。

さて、そんな『釣りキチ三平』の原作は、矢口高雄先生の手により「週刊少年マガジン」と「月刊少年マガジン」の両誌に1973年から1983年にかけて連載されていました。その後もたびたび続編や短編が発表され、2001年から2010年にかけては『釣りキチ三平 平成版』も発表された、息の長い作品です。現在でも雑誌「イブニング」(講談社)で三平の良き兄貴分である魚紳さんを主人公とした『バーサス魚紳さん! ~釣りキチ三平外伝~』(原作:矢口高雄、マンガ:立沢克美)が連載されています。2020年を迎えても未だに現役を続けている矢口高雄先生の旺盛な創作力には感服するほかありません。これからもできる限り長く、現役を続けてくれることを切に願っています。 

(ライター 早川清一朗)

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