「スイッチ2」発表も「リーク通りで驚きがなかった」 期待と興奮を失った声相次ぐ

■リーク情報がユーザーに与える深刻な影響

　2025年1月16日に、任天堂が「Nintendo Switch 2」（以下、スイッチ2）を正式に発表しました。現行機の後継機種として事前に告知はされていましたが、今回の発表で名称が確定し、発売時期も2025年内に決定しました。

　この発表を喜ぶ声がX（旧：Twitter）などにあふれているものの、その一部には「リーク」に触れた発言も少なくありません。ここでいう「リーク」とは、公式サイドがまだ明かしていない情報を漏らし、無断で伝える行為を指す意味で用いられています。

　特にスイッチ2は、さまざまなリーク情報が絶えず飛び交っていました。そうした背景から一部の方々が、スイッチ2のリークについて複雑な反応を見せています。スイッチ2のリーク情報が、ユーザーにどのような影響を与えたのでしょうか。

●「リーク通りで驚きがなかった」

　スイッチ2とリークを絡めた発言は大別すると3種類に分かれており、そのひとつは「リーク通りで驚きがなかった」というものです。リーク情報と一口にいってもさまざまあるなか、全体的なデザインや本体背面にあるスタンドの形状など、発表された内容に近しいものもありました。

　そうした正解に近かったリーク情報を事前に見ていると、今回の正式発表は「答え合わせ」に近い形になってしまい、新発表なのに驚きがなく、残念に感じたとのこと。新たな発表なのに新しくない、という複雑な状況に置かれてしまいます。

　この件については、「リーク情報を事前に見た本人が悪い」「自業自得」といった意見を持つ人もいることでしょう。しかし、XのタイムラインやYouTubeのオススメ動画のサムネイルなど、本人が能動的に見るつもりがなくても情報を半ば押し付けられる場合もあるため、昨今は完全な自衛も難しいところです。

●「リークなんて見るんじゃなかった」

　もちろん、自分から進んでリーク情報を見た人も少なくありません。そのなかには、「リークなんて見るんじゃなかった」とこぼす声もありました。これは、新発表に驚きがなくなっただけでなく、おそらく得られたであろう興奮を放棄してしまったと、自分の行動を悔いる意見です。

　スイッチ2の発表直後はSNSが大いに賑わい、Xでは関連ワードが次々とトレンド入りを果たしました。スイッチ2への期待を分かり合い、喜ぶ声が交わされる盛り上がりぶりは、その瞬間に立ち会った者同士だけが味わえる熱狂です。

　しかし、事前にリーク情報を見ていた人は、その盛り上がりに心の底から同調はできません。既に知っていた情報なので、まっさらな興奮が湧き上がらず、他の人たちの歓喜を眺めるばかり。非公式の情報を先に知っても大きなメリットはなく、盛り上がりに乗れないデメリットばかりを感じる結果となった模様です。

●「リークは百害あって一利なし」

　大別して分かれた反応の最後は、「リークは百害あって一利なし」といった怒りの声でした。前述の「驚きを失う」「盛り上がれなくなる」というのも害ですが、この指摘は個人の感情に留まらず、もっと広い範囲を見据えています。

　リーク情報が個々人の盛り上がりに水を差す一面があったのは、改めていうまでもないでしょう。そのひとつひとつは小さくとも、対象範囲は広いため、全体で見ると大きな影響になり得ます。その影響で全体の購買意欲が低下するなど、機会損失につながる可能性が否定できません。

　多くの代表作を持ち、現在は『大神』シリーズの完全新作を開発しているゲームクリエイターの神谷英樹氏も、自身のXアカウントにて、スイッチ2の情報を漏らしたリーカーに憤りの声をあげています。

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　リークそのものに対する意見は、個々人で分かれるかと思います。しかし、リーカーが得る自己満足や承認欲求は不正な公開によるもので、決して正当な報酬ではありません。

　その図々しい心地よさを得るのと引き換えに、受け手は驚きと興奮を失い、メーカーが機会損失を背負う状況は、解決すべき大きな問題といえるでしょう。

（臥待）