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『ドラクエ』の「つるぎ」と「けん」←違いって? 「雷の杖」の表記が謎

マグミクス / 2025年1月21日 21時15分

『ドラクエ』の「つるぎ」と「けん」←違いって? 「雷の杖」の表記が謎

■制限のある文字数のなかで工夫されたアイテム名

 1986年にファミコン用ソフトとして発売された、初代『ドラゴンクエスト』に登場する武器はたったの7種類でした。そのなかで「剣」にあたるのは、「どうのつるぎ」「はがねのつるぎ」「ほのおのつるぎ」「ロトのつるぎ」の4種類です。

 ファミコン時代の「ドラクエ」シリーズの開発が、容量との戦いであったことはよく知られる話です。そのため、初代『ドラクエ』では使えるカタカナの数を制限しており、20文字しか登場しません。ひらがなは50音全て登場しているので、「どうのけん」「ロトのけん」としてもよさそうですが、「つるぎ」のほうが、子供にも伝わりやすいという意図があったのかもしれません。

 第2作『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』では容量が増え、3人パーティとなって装備品のバリエーションも豊富になりました。「剣」の表記が「けん」であるものも登場しました。「はやぶさのけん」「いなずまのけん」の2種で、アイテムの文字数の制限で、「つるぎ」ではなく「けん」表記となったようです。

 一方、初登場した「ひかりのつるぎ」「はかいのつるぎ」は「つるぎ」表記となっています。こちらも「ひかりのけん」「はかいのけん」でも良さそうですが、「つるぎ」のほうがどこか鋭さを感じるのは、長年親しんできたせいでしょうか。

 また、戦闘中に道具として使える装備「まどうしのつえ」「いかづちのつえ」も登場しました。「いかづちのつえ」は、なぜか表記にゆれがあります。「いかづち」は漢字にすると「雷」で、現代仮名遣いでは「いかずち」を用います。ゲーム中では「いかづちのつえ」と表示されますが、『ドラゴンクエストII 公式ガイドブック』では「いかずちの杖」と書かれています。『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』以降のナンバリングタイトルや派生作品では「いかずちのつえ」の表記となりました。

 堀井雄二氏はファンから「堀井節」と呼ばれている言葉の使い方について、「Yahoo!ニュース Voice」でインタビューに答えています。「『短く、雰囲気を出す』ということを考えてきた気がします。例えば、(容量制限の関係で)ひらがなしか使えなかったので、ひらがなでも意味が分かりやすいようにしました。『ただのしかばねのようだ』というセリフがありますが、『ただのしたいのようだ』と書いてしまうと、“したい”(=やってみたい)みたいに見えて分からないなと思って、“しかばね”という表現にしたり。言葉選びは気にしてきましたね」と初代『ドラクエ』当時について語っています。

「いかずち」も「いかづち」のほうが古めかしく感じられるところがあります。『ドラクエ2』では「古来より伝わる世界に1本しかない杖」とされており、堀井氏が「雰囲気」を重視していたということから、初期はあえて「いかづち」の表記が用いられた可能性もありそうです。情報量が少ないファミコン時代の「ドラクエ」は、想像をふくらませる要素が多々ありました。

(マグミクス編集部)

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